不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.12.04 17:53

鉄道会社が簡易宿泊施設運営に参入 阪急阪神はFキャビン、南海は百戦錬磨と
 鉄道会社による簡易宿泊所運営への参入が目立ってきた。ホテル事業と同様に自社所有の遊休地活用としてだけでなく、既存ビルのコンバージョン、線路高架下の活用などでホステルを選択するケースが増えているのだ。

本線の線路跡地を利用カフェバーも併設
 ファーストキャビン(東京都千代田区)は10月31日、「ファーストキャビン阪神西梅田」(大阪府大阪市)をオープンさせた。
 同施設は、阪急阪神ホールディングス(大阪市北区)グループによる、簡易型ホテル事業の第1号施設。阪神電鉄「福島」駅から徒歩約2分の場所で、阪神本線の線路跡地を有効活用したもの。
 今回、開業する「ファーストキャビン阪神西梅田」は、「ファーストキャビン」ブランドとしては大阪キタでは初の出店となる。「URBAN RETREAT(都市の隠れ家)」を施設コンセプトに、飛行機のファーストクラスをイメージしたキャビンスタイルの客室が特徴。既存の「ファーストキャビン」と同様、男女別専用のエリアを設けることで女性客にも気軽に利用できるほか、夜間はバーとなる西日本初出店のカフェ「Cafe&Bar15 阪神西梅田」(西日本初出店)も併設するなど、よりデザイン性の高いものとなっている。
 この事業は同グループによる新規事業の創出と、沿線の活性化、沿線価値の更なる向上を図ることを目的にしている。全国で14施設を展開しているファーストキャビンと提携することで、ビジネスや観光目的で国内外から関西を訪れる人が増加する中、グループが所有する不動産を有効活用しながら、宿泊施設の不足に対応していきたいという。
高架下スペース活用2018年オープン
 一方、南海電気鉄道(大阪市浪速区)は、百戦錬磨(仙台市青葉区)と協業し、2018年2月に大阪市浪速区の鉄道高架下スペースを有効活用したカフェ&バー併設ホステル「BON HOSTEL(ボンホステル)」を開業させる。
 同施設は南海「難波」駅徒歩9分に位置し、敷地面積1021・78㎡、建物面積824・60㎡、鉄骨造1階建てで、客室は個室タイプ3人用2室、4人用1室、ドミトリータイプは6人部屋12室・7人部4室で収容数110名。
 旅行者に「次の旅の目的地を決めてもらう」をテーマに、近郊での体験メニューや地方の農泊施設などを紹介。日本と海外が新たに出会う"プラットフォーム施設"を提案したいという。併設する「Bon menu」は世界中の"発酵食"をテーマにしたカフェ&バーで、世界中の旅行者が集まり大阪なんばに居ながら、「異国情緒が溢れる空間でモーニングからバータイムまで交流の"場"を提供いたします。旅行者とホストの交流イベントなども行う予定です」(同社)。
 南海電鉄はこれまでも高架下を商業施設として活用したまちづくりプロジェクト「なんばEKIKANプロジェクト」を進めて来たが、高架下での宿泊施設の提供ははじめての取組み。
 同社は大阪市浪速区の「難波」駅・「今宮戎」駅間の高架下プロジェクトを皮切りに徐々に開発区域を拡げ、「なんば」エリアからさらに南に向けた人の流れ・賑わいの創出を進めている。今回、訪日外国人旅行者から人気の「なんば」エリアのさらなる活性化のため、インバウンド事業を手がける百戦錬磨とともに宿泊施設の開発を計画したもの。今後も同社は、インバウンド観光先進都市・大阪で、高架下区画の有効活用による沿線の活性化・価値向上施策に取り組んでいきたいという。


アパホテルが神奈川で4店目
 全国にホテルネットワークを展開しているアパホテル(東京都港区)はこのほど、水谷トラスト(神奈川県相模原市)とフランチャイズ契約を締結した。現在営業中の「相模原第一ホテルANNEX」を「アパホテル〈相模原古淵駅前〉」(仮称)にリブランドして、2018年2月に開業することとなった。
 同施設は、JR横浜線「古淵」駅から徒歩2分と、町田や八王子、相模原、新横浜へのアクセス至便で、ビジネス・レジャー需要を期待できる。敷地面積は2069・70㎡、延床面積3398・99㎡、鉄筋コンクリート造7階建、客室は全124室。
 ホテルは12月より休館し、アパホテルがコンセプトとする新都市型ホテルの仕様へリニューアルを実施、大型テレビや同社オリジナルベッドのクラウドフィット等を導入する計画だ。
 今回のリブランドによって、アパホテルは神奈川県内で、全451室の「アパホテル〈横浜関内〉」、全131室の「アパホテル〈横浜鶴見〉」、全99室の「アパホテル〈相模原 橋本駅前〉」に続き、4棟目の開業になる。
 アパホテルネットワークは現在、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含め438ホテル、7万2971室を展開、年間宿泊数1252万人。

KPG 長崎・大型レジャー改修 エンタメリゾートへ 
 総合レジャー事業開発を手掛けるカトープレジャーグループ(KPG 東京本社・東京都千代田区)は2018年春、長崎市より民間移譲されていた宿泊・レジャー施設「やすらぎ伊王島」を「i+land nagasaki」としてリブランドし名称を変更、全館グランドオープンする計画だ。
 「i+land nagasaki」は、エンターテイメントリゾートとしてスタートさせる。新アトラクションとして、カナダのマルチメディア・プロダクションであるモーメント・ファクトリーとコラボレーションした体験型マルチメディア・ナイトウォーク「LUMINA(ルミナ)」を日本初上陸させるという。
 「テクノロジーを使った単なるアトラクションではなく、お客様が自然の美しさやその地域の伝説、言い 伝えを再発見できるものになるでしょう。また、『LUMINA』のようなプロジェクトは、ローカルの雇用にも貢献できるでしょう」(加藤友康社長)
 「ルミナ」はカナダに5か所の常設会場があり、デジタルアートを駆使し、光と映像を使った最新アトラクションを提供している。森の中の「FORESTA LUMINA」、海沿いの「NOVA LUMINA」、動物園を舞台とした「ANIMA LUMINA」、冬場の「LUMINA BOREALIS」、山の斜面での「TONGA LUMINA」といったナイトウォークがある。現地では100万人近くを動員しているという。「i+land nagasaki」は世界で6カ所目となる。
 今回、コラボするモーメントファクトリーは2001年に創設。現在6都市に拠点を構え、300名近いスタッフを抱えるデジタルアート集団。シルク・ドゥ・ソレイユやマドンナ、ソニー、トヨタなどのプロジェクトにも携っているという。
 「やすらぎ伊王島」はこれまで、主に長崎・福岡・佐賀の近隣3県のファミリー層をターゲットにしてきた。「しかし、本計画により、より幅広い年齢層をターゲットとし、現在の年間集客数を約15万人から30万人を目指していきますまた、地域創生をキーワードに2021年までには地域雇用を約2倍に拡大していきたいと考えています」(加藤社長)という。

レオパレス21がホテル事業を強化
 賃貸アパート建設大手のレオパレス21(東京都中野区)は、不動産事業の中でもホテル事業を強化する。
 同社の不動産事業は、これまで中層・低層の賃貸アパートの建築を中心に展開してきたが、介護施設・商業施設といった建築バリュエーションの拡大や商品ラインナップの拡充に加え、今後はホテルを中心にした不動産開発スキームや流動化スキームといったプロジェクトにも積極的に取り組んでいく考え。
 開発型SPCを活用した不動産開発事業の第1弾として東京・銀座8丁目の物件を取得し、既存建物解体後にホテル開発を行っていく。こちらは他のホテルオペレーターへ運営委託し、2019年秋頃の開業を予定している。
 今回の銀座8丁目のホテル開発に加え、大阪・なんばでもホテル開発事業に着手している。
 同社はまた、自社で運営する「ホテルレオパレス札幌」(北海道札幌市)の新館を開業させた。
 同施設は地上10階、地下1階、客室数109室。デザインテーマは、随所に配置された「北海道」を象徴する「雪」の結晶であるヘキサゴン。これに合わせ本館ロビーにも、雪をイメージした装飾を施していく。客室は「北海道」をイメージした4種類のカラースキームと木目を配する。
 また本館も、ロビーとレストランを改装・拡張。本館10階には、宴会・会議で利用可能なイベントホールを新設する。
 昨今北海道では、国際定期便の増便やビザ査証要件の緩和等を背景に、観光客が年々増加。
 平成27年度の道外からの観光客は年間785万人の過去最高記録を更新し、中でも外国人は208万人を占めている。
 このような観光需要拡大に伴い、「ホテルレオパレス札幌」も、前年度の平均稼働率が90%超と好調に推移しており、現在の客室86室に加え、新館開業により109室を新設することで、更なるインバウンド需要取り込みを図っていきたいという。


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