不動産トピックス

今週の一冊

2017.11.06 16:56

裁判になる前の「転ばぬ先の杖」

知らぬは恥だが役に立つ法律知識
著 者:萩谷麻衣子
発行日:2017年10月3日
発行元:小学館
価 格:780円(税別)

 読者からの問い合わせで法律関連の疑問が寄せられることがある。過去に掲載した関連特集や、幣紙コラム執筆陣である弁護士を紹介することが多いのだが「記者だろう、すぐに回答しろ」と迫られることもある。法律の専門家へ問い合わせていただくべきだが、そもそも顧問弁護士が付いているにも関わらず、不動産に詳しくない。そこでセカンドオピニオンとして幣紙へ連絡する。「ビル経営に強い顧問弁護士に切り替えるべきでは」との指摘はグッと飲み込む次第である。
 さて、法律に関しては案件ごとに諸条件が異なるので、やはり専門家に相談するのが近道であるのは間違いないが、頻繁に起こりえるトラブル事例については判例も積み上げられ、自分が遭遇している案件に対して参考になるはずだ。本書は日常で起こりえるトラブル事例に対してテレビ番組等で活躍する著名弁護士が法的知識を解説するものであり、中でも不動産や相続に関するトピックが充実している。特に第5章「毎日の暮らしを守る住まいの法律」では「再建築不可物件に気をつけて」や「隣家の家事はやられ損」といった不動産オーナーなら知っておきたい話題が多い。
 法律書を読みこなすのは難しいが、本書は難解な法律用語は極力避け、読みやすく理解しやすい。専門家に相談する前の「転ばぬ先の杖」となりそうだ。

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