不動産トピックス

クローズアップ セキュリティカメラ編

2017.09.18 11:22

 従前までのセキュリティカメラは高額な設備投資が必要でありながら、録画データを有効活用することができない、まさに「贅沢品」だった。侵入者等に対する「威嚇」として一定の役目は果たしていたが、カメラの著しい進化によって安全性は飛躍的に高まりそうだ。

セーフィー 録画データを瞬時に確認「手のひらサイズ」の低価格カメラ
 ビルの安心・安全性を高めるために必要不可欠なセキュリティカメラだが、膨大なデータ映像を保存しなくてはならず設備投資が重い。さらに事故等が発生した場合、録画データを確認することになるが、事故発生時のシーンに行き当たるまで延々とデータを見続けなくてはならない。従前のセキュリティカメラは使い勝手が非常に悪く、高コスト。端的にいえば「贅沢品」と例えられそうだ。
 こうした状況に対して、セキュリティカメラの進化が加速度的に進み始めている。監視システムのベンチャー企業であるセーフィー(東京都品川区)が展開するセキュリティカメラシステム「Safie(セーフィー)」がその好例といえそうだ。最大の魅力はカメラをインターネットに繋げてスマートフォンやパソコン等で常時映像を確認できる点にある。映像はクラウド上に保存されるため専用サーバーを設置する必要はない。そして高画質HD動画に対応しており映像データは細部まで鮮明に確認することができる。加えて、録画映像を閲覧する際、音や動きがある部分のみを表示し、ワンタッチですぐに映像データを確認できるので使い勝手が良い。これまでは2機種のカメラのみの対応だったが、ネットワークカメラ大手のアクシスコミュニケーションズ(東京都新宿区・日本オフィス)のカメラ約200種類に対応できるようになった。
 今年7月にはカメラメーカーのエルモ社(名古屋市瑞穂区)と共同開発し、これまでの欠点を克服した新機種「Safie対応CC―2」の販売を開始した。従来製品はWi―Fiの周波数帯が2・4GHzのみだったが、電波干渉の少ない5GHzへの対応が可能。Wi―Fi環境が未整備でも有線LANで接続できるようにし、設置場所がより幅広くなった。また超高感度CMOSセンサーを搭載し、ナイトビジョンによって暗闇でもくっきり撮影することができる。ビルの入口等に設置しておけば、管理人がその場を離れても遠隔監視が可能になり、より効率的に建物のセキュリティレベルを高められる。
 この使い勝手の良さが評価され、セキュリティ以外の分野での用途も増えている。セーフィーの代表取締役を務める佐渡島隆平氏によると、特に需要が高いのが小売り店舗だという。評価されるポイントの1つは権限設定機能だ。

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