不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.08.21 17:07

アパホテル 高層タワーホテルを相次ぎ出店 3年後に東京31階・大阪32階建て

売上高1105億円 経常利益338億円
 「アパホテルはリピーターを重要視した運営を進めてきた結果、高単価・高稼働・高収益力を有するホテルになり、昨年の連結決算では売上高1105億円、経常利益338億円と過去最高益を達成した。ホテル事業は現在、全国で5棟のタワー施設を運営し、6棟を計画・建設中だ。合計11棟のタワーホテルが稼働した際にはアパホテルのブランド力はさらに高まっていくことから日本におけるダントツのナンバーワンを目指す。両ホテルは東京オリンピック開催前の開業となることから、世界に向けたアパホテルのブランドアップに期待したい」
 グループ代表の元谷外志雄氏は、起工式の席上で話す。
 「アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉」は、JR総武線「両国」駅より徒歩3分に位置する。両国駅北口再開発等促進区を定める地区計画の区域内にあり、この計画では都市計画の変更により、計画地とその周りを宿泊地区として設定し、容積率の割増手続きを行った。
 敷地面積は3084・81㎡、延床面積2万5169・75㎡。コンセプトは、都会に居ながらも安らぎを感じることができる「アーバンリゾート」。
 地下1階には約660㎡の大型の露天風呂付き大浴場の他、最上階には隅田川を見渡すことができる展望レストランとともに、その屋上テラスには屋外プールを併設する。4階には約640㎡の大型レストランを設置し、最大約260名収容の宴会等にも対応する。
2階には墨田区の観光情報を掲示する観光インフォメーションカフェ及びコンビニエンスストアを設置。3階には墨田区に無償貸与する防災倉庫を設置するなど、地域に貢献できる施設となることを目指す。外部空間は、公開空地を整備する。
 設計には新居千秋氏を起用し、外観デザインは、両国という地域特性に調和した景観形成を目指し、この地域に縁のある葛飾北斎の「新形小紋帳」をモチーフとして窓まわりに円形の石材を配置する。施工は建築工事を熊谷組、電気工事を中電工、設備工事を朝日工業社が担当する。
幕張2000室は稼働率90%超える
 一方、「アパホテル&リゾート〈御堂筋本町駅タワー〉」は、大阪市営地下鉄 御堂筋線・中央線・四つ橋線「本町」駅出口に直結し、御堂筋と交差する中央大通に面した好立地に位置する。
 敷地面積は1222・48㎡、延床面積1万6970・47㎡。地下1階には大浴殿・露天風呂「玄要の湯」を設置するほか、3階には屋外プールを設置する。設計は日企設計、施工は熊谷組、デザイン監修は辻本デザイン事務所が担当し、2020年夏の開業を予定している。
 同社は大阪では、9棟が稼働しており、現在開発中の5施設が稼働すれば、14ホテル・総客室数4727室となる。
 アパホテルネットワークは現在、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテル含め、430ホテル7万1267室展開しており、年間宿泊数は約1252万名に上る。同社発行のポイントカードであるアパカード会員は、1300万名を突破している。

スマイルホテル 奈良にチェーン42店目オープン
 「スマイルホテル」ブランドを展開している、ホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)は、奈良県奈良市に、スマイルホテルチェーンとして全国42店舗目となる「スマイルホテル奈良」を10月1日にリブランドオープンする。奈良県内には初めての出店となる。  同ホテルはJR「奈良」駅東口より徒歩2分。全175室で、落ち着いた雰囲気の木目調で統一した。全室Wi-Fi、コインランドリーコーナー、飲料自動販売機等を備える。朝食は和洋食のブッフェスタイル。総菜やサラダなど15種類以上のメニューを用意している。
 「スマイルホテル」の出店は8月にリブランドオープンした「スマイルホテル川口」に続くもの。
 ホスピタリティオペレーションズは、全国でホテルはもちろん、スキー場、ゴルフ場などを展開している。また近年は、グループ会社の独立系ホテルネットワークから「スマイルホテル」へのFC加盟も増加。昨年12月には、みちのくホテルが青森県弘前市で経営する「弘前国際ホテル」が「スマイルホテル弘前」に、「ホテル SLOW 水前寺」が「スマイルホテル熊本水前寺」にリブランドオープンしている。
ベッセルホテル 近江鉄道のビルにオープン
 「ベッセルホテル」、「ベッセルイン」、「ベッセルホテルカンパーナ」ブランドを全国18カ所で展開しているベッセルホテル開発(広島県福山市)は、かねてより建築中の「ベッセルイン滋賀守山駅前」(滋賀県守山市)を2017年8月1日に開業した。同社は現在、全国で19施設を運営しているが、滋賀県に出店するのは初めて。「ベッセルイン」ブランドとしては8施設目のホテルとなる。
 同ホテルは、JR「守山」駅西口から徒歩1分に位置し、地下1階地上8階建ての守山駅前近江鉄道ビル「cocotto MORIYAMA」の4階~8階部分を利用する。客室数は全120室。近江鉄道がオーナーで、ベッセルホテル開発が運営する。設計は松田平田設計、施工は淺沼組。建物は敷地面積1305・75㎡、延床面積6175・88㎡。
 客室構成は、シングル43室、デラックスシングル・ダブル31室、スーペリアシングル・ダブル31室など。守山市の名物である「ホタル」や「近江妙連(みょうれん)」などのモチーフを取り入れたデザインの客室が特徴。
 ビジネス利用はもちろん、家族連れ、団体旅行にも対応する。国内外からの観光客にも対応し、幅広い客層への利用を期待している。
 同社は今後も2棟の新築案件を進めている。西日本電信電話東海事業本部(NTT西日本 愛知県名古屋市)が所有する「NTT笹島ビル」敷地の一部を「ベッセルホテルカンパーナ名古屋」として出店。開業は2018年10月の予定。
 一方、東急建設(東京都渋谷区)との連携で出店するのは、「ベッセルイン千葉駅前(仮称)」(千葉県千葉市)。開業は2019年2月を予定している。
 建物は敷地面積1026・71㎡、延床面積5439・14㎡、鉄筋コンクリート造地上14階建て。客室数全172室。
 ベッセルホテル開発(広島県福山市)は、ベッセルグループのホテル事業として、1974年開業の福山キャッスルホテルからスタート。その後ロードサイド店を中心に展開してきたが、2010年に「ベッセル」ブランドに名称変更して以降、全国への進出を本格化した。

ホテルリソル 京都に3店舗同時開業へ
 「ホテルリソル」ブランドで展開しているリソルグループ(東京都新宿区)では、初出店となる京都エリアで、来年6月開業をはじめとして同年度内に新規ホテル3カ所を開業する計画だ。各ホテルの部屋構成・特長はそれぞれ異なるが、3ホテルとも京都ならではの和モダンテイストと日本独特の「間(ま)」をコンセプトに取り入れた設計デザインとなるという。
 具体的には、訪れる人々が自宅のようにくつろげる居心地の良い「リビングロビー」を設置するほか、客室は靴を脱いでゆったりくつろげる「シューズオフスタイル」と「ワークデスクのコンパクト化」によって、オフタイムへとスイッチするくつろぎ空間を演出する。大きめベッドサイズとオリジナル快眠ベッド、羽毛布団や快眠枕などを用意、インテリア、照明、音楽、ウェルカムアロマ、朝食等で五感をリラックスさせるような演出を施している。
 「ホテルリソル京都 河原町三条」は、京阪本線「三条」駅徒歩4分に位置し、客室数は144室。「ホテルリソル京都 四条室町」は、市営地下鉄烏丸線「四条」駅徒歩3分で客室数は106室。「ホテルリソル京都 御池麩屋町(おいけふやちょう)」は、市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅徒歩2分、客室数は182室。
 リソルグループが展開する「ホテルリソル」シリーズは、現在北海道から九州まで全国10カ所で展開している。

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