不動産トピックス

今週の一冊

2017.08.14 12:19

不動産経営に精通した税理士の実力とは

マル秘・実録 税務署との交渉術
著 者:鳥山 昌則
発行日:2016年11月15日
発行所:現代書林
価 格:1500円(税別)

 すべての税理士が資産税に強いわけではない。不動産オーナーなら身をもって知る経験則ともいえるだろう。ある税理士から聞いたところ「昔から付き合いのある税理士と顧問契約を結んでいるオーナーは少なくないが、相続の経験が少なく、効果的な節税対策を実行していないことが多い」と指摘する。こうした税理士は顧問といいながらも自ら提案することはせず「オーナーの仰せのままに」と親身に相談に乗ってくれない。
 一方、本書の著者である鳥山昌則氏は、まさに「オーナーに頼りにされる税理士」といえそうだ。表紙に「50棟500戸オーナーの税理士大家さんが伝授!」と記載されている通り、鳥山氏は商業ビルやレジデンスを多数保有する不動産オーナーでもある。不動産経営に精通しているからこそ見えてくる「オーナーの悩み」に対して的確に対応してくれる。横暴ともいえる税務署の対応にクライアントに代わって様々な交渉テクニックを駆使し、問題解決にあたる姿が23の事例から浮かび上がってくる。税務署との交渉術だけでなく、鳥山氏の不動産投資のテクニックまで網羅しており、不動産投資の指南本でもある。
 税理士を「確定申告の代理人」に留めておくのは愚の骨頂か。末永く付き合っていけるパートナーを選択すべきだろう。

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