不動産トピックス

クローズアップ デジタルサイネージ編

2017.06.05 11:10

 東日本大震災以降、防災に対する意識は高まり防災製品に対するニーズや求めるものなどは多岐にわたる。様々な新製品が生まれる中、ビル経営に役立つ製品を紹介する。

センクシア 太陽光発電モジュール2枚だけで運転可能 停電時に切り替え可能な蓄電システムを搭載した防災制御盤
 センクシア(東京都江東区)は太陽光発電の電力を蓄える「蓄電池盤」と停電時にその電力を切替えができる「制御盤」をセットとした太陽光発電防災制御盤「ep―BOX」を先月8日より販売を開始した。
 デバイス本部環境グループ主任の菊田聡氏は「もともと他社製の太陽光電池モジュールと当社の施工技術と合わせて施工販売を行っていましたが、顧客からの要望を多数いただき製品そのものの開発を行いました」と話す。
 従来の太陽光発電システムは停電時の際は、手動で電源の切替えを行う必要があった。操作方法がわからずに使えなかったという声も少なくなかった。そこで同社は停電時に電力の切替えを自動で行う制御盤を開発。蓄電池盤と合わせて販売することにした。用意するのは既製品の大方の太陽光電池モジュール2枚と「ep―BOX」のセットだけ。
 同製品の最大の特長は太陽光が出ていれば引き続き充電、給電ができる点だ。蓄電池だけだとコンセントから充電する必要があるので停電の際に1回使うと再充電するのが難しい。しかし、「ep―BOX」であれば太陽光発電モジュールが太陽光を受けられる天気や状態であればいつでも自動的に充電し繰り返し使用ができる。
 給電する場合、携帯電話4台分、LED照明5台分、液晶テレビ1台を同時に動かしてもおよそ3時間連続で電気を使うことが可能。省スペースかつ低コストで設置ができるのも魅力の一つだ。
 ただ、注意したいのは既設の太陽光発電モジュールに設置するのではなく、あくまでも太陽光発電モジュールと『ep―BOX』を組み合わせたセットにする必要があるという点だ。
 菊田氏は「電気や機械に詳しくなくても手軽に安心して使うことができるので、電気に対して知識が乏しく不安がある人にこそ使っていただきたい製品だと確信しています」と自信をのぞかせた。

東洋シヤッター 布製の防火・防煙スクリーン
 東洋シヤッター(大阪市中央区)は防火・防煙スクリーン「タイカクロス2.」を製造、販売している。
 「タイカクロス2.」は、本体にシリカクロスを使用した布製の防火・防煙スクリーン。火災時には煙(熱)感知器と連動して自動的に閉鎖。炎と煙を遮断し、火災の延焼を防ぐ。
 同製品は避難口無仕様と避難口付近仕様の2つの種類を用意。避難口無仕様は1枚のスクリーンが非常時に開口部を閉鎖する。避難口付近仕様は避難口無仕様のスクリーン部に避難用の開口部があり、それを前後2枚で覆い隠すようにスクリーンがついている。
 また、同製品は布素材を採用することにより様々な特長を有している。まず軽量面だ。本体である「シリカクロス2.」の重量はわずか0・7kg/㎡。鋼製シャッターの約30分の1程度。軽量なので躯体への負担が少なく施工性に優れている。また、柔らかい素材であるため万一の衝突事故などの危険性が大幅に緩和できる。次に安全面だ。スチールに比べて火災時の輻射熱が小さくなるので避難行動を防げにくい。透明性も高いので反射側(火災側)状況を推測することも容易。他にも本体の「シリカクロス2.」の厚さは0・7mmなので巻き取り部分がコンパクト。省スペースで設置ができるのもメリットといえる。また、中柱なしで約10mまでの開口幅に対応できるため設計段階での自由度があり意匠性が高い点も見逃せない。

白山工業 建物の揺れを「視える化」するシステム 安全性を3段階で評価
 白山工業(東京都府中市)は地震発生時の建物の揺れを「視える化」する中層・低層ビル対応システム「VissQ―Mid」を販売している。
 同製品は地震による建物の揺れを計測し、安全性を3段階で表示。施設管理者や利用者の明確な情報を得ることができるので建物の継続使用・事業継続避難要否などの判断が素早く行える。地震計を建物の1階と最上階に設置し、それぞれのデータから建物構造の被災度を判定。建物の共用部には表示器を置くだけ。
 被災度を表示器3段階で判定する。メッセージや震度を警告音と連携させて伝達。表示灯でも安全性を確認することができる。  また、運用基準に沿ったメッセージを設定することで管理者不在の時でも館内にいる人に建物の安全情報の提供や避難指示をすることが可能となっている。

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