不動産トピックス

クローズアップ 地方創生編

2016.11.28 15:59

 働き方改革によってシェアオフィスやレンタルスペース等を導入するオーナーのケースが増えてきた。そのような場合にオフィス家具によって差別化や付加価値の向上を図ることも可能となってきている。今回は最新オフィス家具について紹介する。

内田洋行 木材活用によって環境に配慮したオフィス家具
 内田洋行(東京都中央区)は杉材を中心に全国各地の県産材を活用したオフィス用の家具を開発・販売している。
 山の現状に触れ、国産杉材を中心に、地域固有の新たな利活用を目指し設立された団体である日本全国スギダラケ倶楽部の設立に同社の社員が所属していたことがきっかけとなり、木材家具のプロジェクトがスタートした。国産木材については全国の自社拠点にて各地の杉を活用を始めた。
 門元英憲氏は「日本は国土の約7割を森林に囲まれ、木材資源が豊富です。ですが、現在では海外からの輸入木材の利用がほとんどです。戦後復興のために植林してきた森林は放置され荒廃し、国内の林業も後継者不足や高齢化によって衰退しています。当社では『山と暮らしをつなげる』をコンセプトに日本産木材を使用したオフィス家具を開発・発売することで、林業を中心とした地域活性化や森林を健全化によって治水や二酸化炭素の排出抑制といった地球環境に配慮した製品も提供しています」と語る。
平成26年から開発を着手した「ウッドインフィル」は、自社使用によって試行錯誤を行い、同年のエコプロダクツ展ではエコ&デザインブース大賞最優秀賞と高く評価され、平成27年に商品化が実現した。
 「ウッドインフィル」は「Box in Box」という空間手法を用いて、部屋の中にもう一つの部屋をつくり出す空間構築手法。柱の本数や長さを変えることでサイズを調整することができ、要望に合わせることができる。柱や梁には杉を中心とした木材を使用。杉に囲まれた空間によって、脳の活性化やリラックス効果を期待できる。オフィスにおけるコラボレーションやプレゼンテーションルームなどのスペースや図書館や学校として利用されている。木材を利用しているためスチールに比べて強度面で配慮すべき点も多いが、基礎研究時でのデータ収集や生産過程での修正によって解決している。また、断裂や汚れについて利用者に事前に説明や指南書を渡すことによって、木材が持つ特徴を理解してもらっている。木材とスチールのハイブリットデザインとなっており、プロジェクターやモニターの機器についても設置可能。木材特有のメンテナンスの手間は必要だが、木材による効能と良質な空間づくりは大きなメリットをもたらしてくれる。
 「杉にはCO2の抑制や紫外線の吸収といった環境面はもちろんですが、人体に対しても鎮静効果や抗菌によるウイルスの予防といった12種類もの効能を発揮します。実際に当社で『ウッドインフィル』をセミナールームとして設置していますが、オフィスワーカーの手に直接触れるところに利用されたデザインは、温かみがあり優しい香りにリラックスできる空間となり、社員やお客様からも好評を得ています。デスクやチェアについても木材製品を生み出しているので、今後も木材家具を組み合わせによって、良質な執務空間や学習の空間づくりを行ってまいります」(門元氏)

岡村製作所 長時間でも負担が少ないオフィスシーティング
 岡村製作所(横浜市西区)はオフィスシーティング「Fluent(フルーエント)」を平成29年1月より発売する。特徴は背もたれの奥行きのある立体的な形状のフレームにメッシュのテンションを部位ごとに変えて張ることで腰のホールド感を向上させ、背中全体を柔らかく包みこむと同時に腰をしっかりと支える。座面は硬さの異なる3種類のウレタンを一体で成形した異硬度クッションを採用。ブリッジ状のプラスチックシェルが異硬度クッションを支えることで、座った瞬間の衝撃を吸収し、長時間座っても負担を感じない作りとなっている。リクライニング調節機能や座面高さ調節機能といった各種基本調節機能を備えており、姿勢の変化やさまざまな体格に対応している。またコンパクトな設計で、あらゆるオフィス・ワークシーンに対応している。また、コンパクトに設計されており、肘付きタイプでもしっかりと収納可能。クロスのカラーバリエーションは8種類を揃えている。長時間のデスクワークを行う際には心強い味方となりそうだ。

イトーキ 働き方やコミュニケーションスタイルの変化に対応 すっきりとしたデザインのカジュアルテーブル
 イトーキ(大阪市城東区)はカジュアルテーブル「Casueel(カシール)」を、平成29年1月からの発売を予定している。
 昨今の働き方変革によって働くシーンもワーカーごとに変化し、それに伴ってコミュニケーションスタイルも変化している。「Casueel」は働き方やコミュニケーションスタイルの変化に対応した内装やチェアのデザインへ合わせやすいカラーバリエーションやサイズをラインアップしたカジュアルなテーブルとなっている。快適で爽やかなコミュニケーション環境づくりを貢献している。特徴は着座時や立ち上がる際に邪魔にならないテーブル脚のデザインを採用しているため、見た目もすっきりとしている。また、天板下ビームにコンセントを備え、邪魔にならない形状でありながらも、スマートフォンやタブレットPCの充電を簡単に行えるだけではなく、OAタップを取り付けて利用することも可能。カラーは天板がホワイト、ファインウォールナットL、ファインウォールナットD、ブラックの4種類、脚部がホワイト、ブラック、ポリッシュの3種類となっている。価格はW1800×D900の電源コンセント無しで13万9000円。
 初年度の販売目標額は、1億円を計画している。
 ワークスタイルの変化による職場の変革によってシェアオフィスのような形態を導入するオーナーは導入してみる価値がありそうだ。

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