不動産トピックス

今週の一冊

2016.11.21 12:40

地方に眠る「宝の山」を掘り起こす

1年目から成功する不動産投資 村田式ロケット戦略のすべて
著 者 村田 幸紀
発行所 宝島社
発行日 平成28年10月21日
価 格 1300円(税別)

 地方で不動産投資に精を出すある個人投資家の悩みを聞くと「相続税対策によって需要を上回る数のアパートが建築され、空室率が悪化する一方」だという。ただでさえ地方都市は少子化によって人口が減少し賃貸住宅の需要は先細る一方。「今後は地方の物件を整理して需要が見込める都心の不動産に買い替えよう」と考えているそうだ。
 こうした中、あえて地方で不動産投資を提唱するノウハウ本が発刊された。本書で取り上げる投資対象は「地方・RC・住居系・中古・一棟物」に絞っている。前述した通り「需要の先細り」の懸念をいかにクリアしていくのか。本書を読む上でのポイントといえるだろう。
 読後、結果としては村田式ロケット戦略の説得力は十分といえそうだ。人口数ではなく、世帯数を重視すれば地方都市でも賃貸需要は減少しない。さらに相続税対策で賃貸アパート経営に乗り出す「後ろ向き」なオーナーが多く、競合相手も弱い。さらに表面利回りも都心部に比べて圧倒的に高い。こうした地方ならではの魅力を豊富なデータで示し、融資がつきやすい物件選びのノウハウも開陳している。
 著者が主宰する勉強会から賃貸収入のみで1億円を突破した「猛者」を多数輩出しているという。「眠れる宝」が地方に転がっている。目から鱗がこぼれるのではないか。

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