不動産トピックス

第2回ビル経営アワードノミネート物件紹介

2016.09.12 16:12

ノミネートNo.15
ポルトポヌール
ポルトポヌール

所在地:東京都港区南青山6-13-5
規模:地上4階
所有者:渡辺 健市氏
竣工:昭和49年
取得:平成14年


 「ポルトポヌール」は東京メトロ半蔵門線・千代田線・銀座線「表参道」駅より徒歩9分の場所に立地している。
 同ビルは昭和49年竣工で、もともとは「パール・ハイツ」という名称だったが、現オーナーの渡辺健市氏が平成14年に購入し名称を「ポルトポヌール」に改めるとともに、ビル内部の改修を行った。この時行ったのはエントランスなど共用部の改修と防水工事、専有部の居住用から事務所用への用途変換。ビルの顔であるエントランスには大幅に手を加えており、かつてはPタイルであった床は石のタイルに改め、壁面には装飾品を飾れるスペースを設置。前オーナーの時代から置いてあった応接セットは撤去し、広々としてすっきりとした空間に改めた。また、正面右手にある小庭は細い笹が伸び放題になっていたが、それを伐採しデッキを設けている。
 渡辺氏の妻であり同ビルの運営を担っている渡辺由紀子氏はエントランスについて、「壁面に設けたスペースとデッキには花や植物を配置しています。これはフラワーアレンジメントをしている私の知人に面倒を見てもらっており、正月やハロウィンなどの行事や季節にあわせて整えてもらっています」と語る。
 平成19年にはさらに外壁やエレベーターの改修を実施。外壁にはかつての「パール・ハイツ」の名前に因んだパール色のタイルが使用されており、現在は販売されていない製品が使われていたため類似したものを探して張り替えを行った。エントランスの小庭の壁面も改修し、レンガ調のタイルを張っている。
 これらの改修にかかった費用は合計約6000万円。2度の大規模改修以外にも、空室が出た時には随時リニューアルを行っている。こうして手をかけながら運営してきた「ポルトポヌール」は、一時は複数の空室が出てしまった時期もあったが現在は満室状態。「テナントには非常に恵まれている」と渡辺由紀子氏は語った。


ノミネートNo.16
お茶の水クリスチャンセンター
お茶の水クリスチャンセンタービル

所在地:東京都千代田区神田駿河台2-1
規模:地上9階地下1階
所有者:お茶の水クリスチャンセンター、ほか
改修:平成27年~平成28年

 「お茶の水クリスチャンセンタービル」は昭和58年に竣工した、北館と南館で構成されている地上9階建てのビル。
 JR「御茶ノ水」駅から徒歩3分の好立地に位置している。
 同ビルを管理・運営しているお茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)は平成27年の10月に5階のオフィススペースを取得。分割して複数の小スペースと入り口にラウンジを設置する改修を行い、今年の8月に完成した。
 同ビルの入居者は業界団体が多く、そのなかでも多種多様なテナントを集めることによる波及効果を狙い分割した。
 「5階の入居者の中には千代田区に紹介されているような由緒あるテナントもあります。複数のテナントを集めることによって、来場者も集まることによる活性化はもちろん、入居者同氏でコミュニケーションを取ることによってイノベーションが生まれることも期待しています」(常務理事山崎 龍一氏)
 350㎡のオフィスを間仕切りを、12㎡~80㎡の6つのオフィスに小割化。テナントから要望を聞きながら何十種類もの室内レイアウトの図面を作成し、最終的に広さが異なった6つのスペースで決着した。
 その他にはエレベーターを降りた先の入口にテナント同士でコミュニケーションを行いやすいようにと椅子とテーブルを設置し、ラウンジを設けた。
 山崎氏は「スペースを割り振る時に出入り口までの距離が近く、採光性が良いスペースにしてほしいというテナントからの声を調整することに苦労しました。良い場所は狭く、悪い場所は広くすることによって納得してもらいました。改修後はテナント同士でコミュニティを形成している姿を見ることができています。フランクな関係を保てる環境づくりに注力していきます」と話す。
 同ビルでは今後、10年以上かけて内装や外装のリノベーションを行っていく予定。

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