不動産トピックス

今週の一冊

2016.08.29 10:34

災害時に不動産の被害を抑えるために専門家が地盤の重要性を語る


その土地を買ってはいけない せっかくのマイホームを”災害物件”にしないために
著者:山本 強
出版:幻冬舎
発行:平成27年12月1日
価格:760円(税別)

 不動産の購入時に重要視されているのは価格、駅からの距離、築年数といった項目で地盤はあまり注目されていないのではないだろうか。  だが、東日本大震災や熊本地震のような大地震や豪雨・土砂災害の際に建物の倒壊が各地で発生し、地盤の重要性が少しずつ浸透している。
 本書では自然災害による土地の液状化や土砂崩れの恐れから、倒壊リスクを減らすために地盤に焦点をあてた不動産の購入を推奨している。
 例を挙げるとエリアで過去に起こった災害履歴を調べる、自治体が公表している「液状化ハザードマップ」などと土地を照らし合わせるといった手間はかかるが、大事なマイホームや家族を災害リスクから守るためには必要であるとしている。
 著者である山本強氏は、長年にわたり地盤業界で活躍している。同氏が代表を務めている地盤ネット総合研究所(東京都中央区)では利用者の現在位置から地盤の良し悪しを判断する位置情報サービス「地盤アプリ」をはじめとした地盤についての情報発信を行い、利用者が安全な不動産を購入できる環境づくりに取り組んでいる。
 今後は首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が懸念されている。自らの安全はもちろん、所有している不動産を失わないために必要な地盤の知識と重要なポイントがまとめられている。

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