不動産トピックス

クローズアップ 民泊代行編

2016.06.06 10:14

 インバウンドの増加により空室対策の一つとして注目が集まっている民泊。宿泊施設の供給が足りていない昨今において、空室対策の一つの方法として不動産のオーナーから注目が集まっている。今回は民泊について適切なサービスを提供している事業者を紹介していきたい。

Zens デザインとテクノロジーを両立 安心かつ快適な民泊代行サービスを提供
 民泊の需要が増えていくにつれて、競合する物件も増加する。空室活用として考える場合は多くの宿泊者を呼び込むことによって、利益を出すことが重要となる。ほかの民泊施設から人を呼び込むためには、内装や設備環境を整えることによって利用者がいかに快適に過ごせるかが必要となってくる。
 Airbnbの代行業者であるZens(東京都渋谷区)では内装のリノベーションからウェブページやウェルカムガイドの作成を行う。さらにはゲストから予約や問合せがあれば、スタッフが返答を代行する運営代行サービスも提供している。
 同社の代表取締役である町田龍馬氏は「現在も外国人観光客は増加を続けており、それに比例して民泊需要や民泊業者の数も上昇しています。民泊において立地の良さは第一条件ですが、同じ立地条件であった場合は家具などの内装やWi―Fiといった設備の利便性が重視されます。数多の物件の中から多くの宿泊者を集めるにはゲストからの評価が大切です。そのためにはゲストが利用しやすく、過ごしやすい環境を作ることが重要となってきます」と話す。
 評価についてはAirbnbサイトでゲストのレビューの総合評価で、8割の宿泊者が五つ星の評価をするとスーパーホストになることができる。スーパーホストの称号を得ることによって集客の向上や単価のアップにつながる。
 「スーパーホストになるためには設備のクオリティや清潔さといったことから、フレンドリーなコミュニケーションといった様々な要素があります。民泊を始めようと考る人の中にはAirbnbに登録すれば宿泊者が来ると想像している方もいると思いますが、競合が増えていく将来を考えた場合は価値上昇のために内装を含めたサービスの向上に取り組んでいく必要があります。当社は多数のAirbnb向け内装コーディネートの実績を持っています。提携する建築士や職人、デザイナーと内装コーディネートを行うほか、コストパフォーマンスに優れた家具や生活用品の発注リストの作成も行っています」(町田氏)
 高まっている民泊需要だが、オーナーにとってのイメージは良好とはいえない。オーナーが心配している中で頻繁に挙げられているのはゴミや騒音による近隣とのトラブル、保有物件へのダメージだろう。民泊においては宿泊予約者と施設提供者が対面するケースは少なく、安全面にも懸念が残るという声も上がる。町田氏はこの点について「第一に部屋の価値を上げることです。内装や写真を良くすることによって質の良い宿泊者が来るようになります。第二にゲストのスクリーニングをきちんとすること。AirbnbでID認証やプロフィールを確認することはもちろんですが、Airbnb上でのメッセージのやり取りにおいても英語力が低い人や失礼な文章での返信だった場合では宿泊を断るほうが賢明です」と指摘する。
 重要なことはメール上においても適切なコミュニケーションを取れるゲストは比較的トラブルが少ないということだ。
 Zensでは社内で開発したメッセージ連動ツール「zens Booking」を利用している。Airbnbを連携させることによって、ホストの詳細な情報やキーボックスやランドリーの場所などのゲストとのやり取りをスムーズに行っている。また、騒音対策として騒音感知器と「zens Booking」を連動させることによって一定以上の音を感知した場合にはゲストに警告を行うようになっている。
 「近隣の住民に迷惑をかけないことが一番重要な点です。当社では騒音対策以外にもゴミについて分かりやすい動画を作製するなどの対応を行っています。民泊はきちんと行っていた場合は利回りもよく、空室対策としてとても有用です。現在は法整備も不十分な状況ですが、民泊自体に悪いイメージがついているため、迅速な整備を期待しています。当社はデザインとテクノロジーに強く、Zensのブランドとサービスによって多くのホストを集客するほか、トラブルの予防また迅速な対応を心掛けています。オーナーが安心して民泊物件を貸し出せるように今後もシステムやサービスの底上げに注力していきます」(町田氏)


ブリコ 宿泊施設近辺の情報を紹介
 ブリコ(東京都千代田区)が運営している日本初の民泊マッチングサイト「GOICHI&ICHIGO VACATION HOMES」では宿泊施設周辺の飲食店や文化施設の紹介ページを新設。
 オーナー自らが物件周辺の魅力を掲載することも可能なため、競合との差別化に利用することも可能。
 今回の新サービスを利用することで、日本の文化を目的としたインバウンド宿泊者の増加による収益の向上に期待したい。
  

ダイムス 家具・家電をパッケージ販売
 ダイムス(東京都墨田区)は民泊に特化した家具や家電などをパッケージで購入することができる「Minpak shop」を展開している。
 民泊を行う場合は家具や家電などによる初期費用の負担が妨げとなっていたが、「Minpak shop」は民泊で不要となったものを回収し販売しているため、必要な家具や家電を安価でパッケージ購入することができ、初期費用の軽減を可能としている。

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