不動産トピックス

今週の一冊

2016.05.23 13:14

年月を重ねながら魅力的な生活を送る住宅プロジェクト

荻窪家族プロジェクト物語
著者 荻窪家族プロジェクト
発行 平成27年5月10日
出版 萬書房
価格 1800円(税別)

 高齢化に加え、地域コミュニティの弱体化、近隣の繋がりの希薄化が現在の日本社会の問題となっている。 昨今よく耳にする孤独死が分かりやすいだろう。
 子どもが独立したことで一人になった、退職してから他人との関わりが減ってしまったなどの安心できる居場所がなくなってしまったことが原因となっている。
 本書「荻窪家族プロジェクト物語」は居住者や地域を始めとした人達が一緒に活動居できる居場所を作るという目的を賛同者たちが具体的に形にしていく過程を描いたもの。
 プライベートはしっかり確保しつつもコモンキッチンで他の入居者と食卓を囲むなどの日常の中で多様な人が交わり、自然と関係が生まれていくシェア型賃貸住宅「荻窪家族レジデンス」は地域の人が集まる工房、ラウンジ、集会室などの共用スペースを持った新しい賃貸住宅である。
 そこでは小さな子どもから年配者が家族のように触れ合っていくことによって、「成熟的していく暮らし方」を実現している。
 介護、福祉、医療、建設、街づくり、コミュニティに従事している人や同じような物件に興味を持っている人には情報・知識として活用するためには有用な一冊である。
 今後高齢化が進んでくるが、自分の居場所を見つけるために、適切な道を示してくれるのではないだろうか。

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