不動産トピックス

クローズアップ 防災製品編

2016.04.04 13:57

 4月になり新年度が始まったことで、テナントが移転したり環境が変わったりといったことも少なくはないだろう。こうしたタイミングで、有事の際のビルの安全対策について見直してみるのも良いのではないだろうか。

セットアップ横浜 取り付けるだけでドアが歪んでも簡単開閉
 奈良建設(横浜市港北区)100%出資子会社のセットアップ横浜(横浜市港北区)が販売するドア耐震用開閉補助装置「デレル8」は20年以上前から販売されているベストセラー製品である。
 同製品は歪んだドア枠とドア間の接触抵抗を減らし開閉のサポートを行う製品。地震によって建物が変形するとその影響でドア枠にも変形が生じてしまい、歪んだドア枠がドアを押さえつけることによってドアが開閉不能になってしまう。しかし、デレル8は2つの金属製ローラーが縦方向と横方向のドア枠からの力を受け止めドアの開閉不能を防止。地震のダメージを受けても女性の力で容易にドアの開閉ができるようにする。
 また、一度開けてもまた開け閉めできるというところも同製品の強みといえる。既存の扉に後付けする製品であるため、扉を交換した際にもそのまま継続使用することも可能である。
 地震発生後の避難経路の確保や、復旧作業のための施設や防災備品の集積場所への出入りを確保するというのは重要な課題。それらをスムーズに行えるようにでき、しかも耐震ドアへの交換と比較して安価で導入できるのは魅力的。
 セットアップ横浜の営業部長である山田紀雄氏は「我々は社会貢献を重要視しており、特に防災という観点に力を注いでいます。『デレル8』は低価格でも導入可能なため個人宅などで多く利用されてきましたが、当社は現在BCP対策として企業にも積極的に提案しています。機械室や備蓄倉庫など、災害時に開閉不能になると困ってしまう場所への設置をお勧めしています。災害に関係なく古くなって開けづらくなった扉の開閉をスムーズにする効果もありますので、是非導入を検討して頂きたいと思います」と語った。


白山工業 計測自沈防災システム「VissQ-IS」
 白山工業(東京都府中市)は、地震発生時の免震ビルにおいて人の安全や事業継続のための迅速な対応を可能にする計測地震防災システム「VissQ―IS(ビスキューアイエス)」を発売している。
 「VissQ―IS」は、建物の地震防災システムである「VissQ」シリーズの免震ビル向け製品。地震の揺れを低減する免震ビルでも、大きな地震の際は状況に応じた対応が求められる。「VissQ―IS」では建物の中間階、最上階に加え免震層の上下にも地震計を設置し、地震到達時の免震層を含めた建物全体の揺れをリアルタイムに把握。計測した加速度値をもとに免震層の健全性や点検要否の判断、免震効果の確認を可能としている。また、他の「VissQ」シリーズ製品と同様に緊急地震速報システムや揺れの直後に建物の被災状況を判断するための被災度判定支援機能も持ち、避難誘導や設備点検の優先順位、帰宅困難者の受け入れなどを決定する建物の継続利用可否の判断の助けとなる。地震時に得られた情報は、ビルのテナントへの状況説明、建物の健全性の再確認などに有効に活用できるだろう。


大協工業 災害時は誰でもスペアキーを取り出し可能に
 大協工業(高知県南国市)が製造する緊急用スペアキー保管ボックスは、防災倉庫やビルの避難場所など有事の場合のみ解錠する必要がある場所に設置することで災害発生後に現場にいる人間が鍵を取り出して対応を行うことができるようになる製品。同社の製品は震度5クラスの揺れを感知すると自動解錠する無電源感震システムが採用されており、地震発生時に自動的にボックスが開く。さらに地震以外の災害にも対応するために作られた「防災BOX3」ではダイヤル式で開閉が可能となっており、災害発生時にボックスに記載された問い合わせ先に連絡することでロック解除の番号が発行されボックスの解錠が可能となる。

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