不動産トピックス

クローズアップ 経費削減編

2015.08.24 11:03

 オーナーにとって頭痛の種のひとつが「経費をどう減らしていくか」。入りがまだまだ増えない以上、出を減らす必要がある。そのためにも問題となるのは経費をどう減らしていくか。その先に経営の未来は見えてくる。

ブレス 低コストで経費削減効果 磁力を用いて燃焼効率◎
 温泉や温水プール付きのリゾートマンションや温泉旅館・ホテルなどでネックとなるのがボイラーにかかる燃料費だ。特にバブル時代に竣工されたものであると、省エネボイラーの展開もまだまだだったために、現在燃料費の削減は課題となっている。
 ブレス(東京都台東区)ではこのような課題に対応する製品として重油等の液体燃料を使用のボイラーに対応する燃費削減装置「EC―2000 銀河」を販売している。同製品の画期的な点は磁力によって燃焼効率を良くする点だ。1万1500ガウスという業界最大級の磁力で燃料の粒子集団を細分化することによって効率化が実現できる。同社代表取締役の高橋英樹氏は「丸まった塊の新聞紙は火をつけても燃えにくいですが、一枚一枚に切り離すと燃えやすくなります。同製品もこれと同様の発想に基づいております」と例え話を用いながら説明する。削減効率は平均で年間10%~15%ほどの数字を出しており、特にバブル経済時代に導入されたボイラーの場合には大きな効果を発揮する。
 気になるコストも早期の回収が可能だ。電気を使用する製品ではないため、ランニングコストはゼロ。導入は規模によって異なるものの約85万円から。しかし、その導入費用に関しても「2年以内、早ければ1年以内で回収可能です」(高橋氏)。また単純に燃料代削減だけではなく、CO2などの有害ガスの削減にもつながるためススが出にくくなる。そのため、ボイラーの清掃などの手間も省けるため、より大きなコスト削減を可能にする。製品自体も複雑な構造ではないため、簡単なメンテナンスのみで継続的な使用ができる。またこれまでに事例はないものの、万一同製品を使用することでボイラーなどに影響が出た場合には保証も付いているため、いざという時のバックアップも万全だ。
 「2カ月間無料で導入していただいて、その間に5%の削減が達成できなければ契約の取りやめが可能なキャンペーンも実施しております。実際に導入して効果が出ないという事態を防ぐとともに、どれくらいの効果が出るのかについて実感していただくことで、安心して導入していただくことが可能です。今日では燃料費を抑制できるボイラーも展開されておりますが、取り替えとなると莫大なコストがかかってしまいます。より低コストで最大の効果を出していくことが同製品導入の最大の利点です」(高橋氏)
 無料で2カ月間、導入効果が測れることから、オーナーにとっては年間の効果も見えやすい同製品。コスト削減を目指すオーナーにとって、取り替え以外の手段もあることを知っておきたい。

中央サービス 使用感変わらず最大35%水道料金削減
 光熱費と並んでコスト削減をしたいもののひとつとして挙げられるのが、水道料金。一説によれば、「日本の水道料金は世界で一番高い」という話もある。共用部のトイレなどには節水の呼び掛けをしているところも、随所で見受けられるが、人の良心にのみ期待するのでは経営としては無理もあるだろう。
 中央サービス(山口県宇部市)では使用感を変えずに15%~35%の水道経費削減を実現する「スーパージャグ」の開発・展開を行っている。同社はもともとビルメンテナンスを主要事業としている会社。その経験から建物オーナーがこれまでに持っていた課題についても把握してきた。その課題のひとつとして挙げられるのが水道料金の削減。同社では自社開発商品として「スーパージャグ」を展開、これまでに500以上の建物・施設・企業で導入されており、一定の支持を受けていることがわかる。
 同製品の導入方法はリース、レンタル、分配の3つあり、それぞれ導入側の規模や予算などに配慮したものとなっている。特に分配システムでは、1~3年間の水道料金の支払明細書を用意した上で、同製品を施工した翌月から前年同月の実績に比べて削減できた水道料金を同社と導入企業で分配するものとなっている。この場合には導入に際しての初期費用は一切かからない。
 なかなか経費削減の名目にあがらない水道料金。しかし、ひとつソリューションを発見したことは、人の良心に訴えかける不確かな方法ではなく、確実にコストカットしていくための方法に切り替える良いチャンスではないだろうか。


明来 一括受電による電気代削減サービスを提供 削減額は物件運用期間で見ると膨大な額に

 鹿児島県の川内原子力発電所が再稼働を開始したものの、電気料金は未だに高い状態が続いている。ビルオーナーにとって、共用部の電気料金は重い負担となっているとともに、入居テナントに対しても「安くできるのであれば安くしたい」というのが、本音だろう。
 この本音に対して明来(大阪市中央区)が提案するのは、一括受電により電力費の削減サービスを展開している中央電力(東京都千代田区)と業務提携を結び、ビルオーナーやマンションオーナー向けに各入居者との個別契約から一括契約に変更することで、より安価な電力単価での提供を行っている。
 これまで電力削減のメリットを受けるのは大規模ビル・マンションなどのオーナーのみと受け止められてきたが、同社によれば40戸程度の賃貸マンションやワンフロア30坪程度のビルのオーナーにも利用され始めているという。もちろん、規模に応じて削減金額は大きくなるが、同社では「月3万円の削減幅でも1年で36万円、物件の運用期間を50年と仮定した場合には1800万円」と謳う。その分を修繕の資金などに回すことが出来るとするならば、必ずしも「塵」と言えない。同社の試算ではマンション50戸の場合には、1年で39万円の削減、10年もすれば390万円まで削減効果が膨れ上がる。
 電力自由化が進み、経費削減の選択肢は増えてきている。しかしながら、ビルオーナーには電力の経費削減の方法についてまだまだ認識が深まっているとは言い難い。この機会に、所有するビルの電力費を見直すことも一手ではなかろうか。

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