不動産トピックス

クローズアップ 省エネサポート編

2014.12.08 12:26

 東日本大震災以降、電気代が高騰するなかで省エネを考えていくことは最重要であることは間違いない。ビルオーナーにとって電気代の節約は頭の痛い問題であろう。これから迎える冬も電気代が高騰する時期であり、余計に懸念してしまうのではないか。そのようななかで省エネをサポートする製品・サービスは数多く存在する。本稿では省エネサポート製品を追った。

 「ひと」や不動産、情報などの資産を保有する人々をさまざまな角度からワンストップサポートする資産有効活用化情報ネットワーク(東京都中央区)は、各種士業によるバックアップやメンバーと関連する広範なネットワークを軸として、顧客の「資産」を最大限に活用化させる仕組みを提案するのが主な事業である。
 資産有効活用化情報ネットワークでは、現在環境問題解決のうえで最大の課題となっている「省エネルギー」について注力・展開している。同ネットワーク行政書士の山上英久氏は10月に行われた不動産ソリューションフェアにおいて「ここが知りたい!新規設備導入による省エネの効果事例と助成金の有効活用提案」と題しセミナーを行い、50名定員の会場が満員となった。
 同ネットワークでは現在空調機や照明器具などのメーカーとの連携による最新機器導入の現状や、東京都地球温暖化防止活動推進センターなど行政からの省エネに関する助成金などを把握し、さまざまなビルに対する省エネをサポート・促進している。
 「行政からの助成金を活用して設備更新や省エネを実践したいと考えているものの、いざ実践するとなるとどんな助成金があって省エネの効果はどれほどなのだろうかということがわからないという方も多いと思います。そんなビルオーナーにとってなるべく負担なく設備更新による省エネ実現のサポートができるよう、わたしたちは活動しています」(山上氏)


 東テク(東京都中央区)は、既存ビルの省エネ化を設備の施工から保守管理まで一貫して請け負う「東テクのエネルギーソリューションサポート」を提供している。
 同サポートシステムは、空調機器と計装制御の技術商社として同社がこれまで培ってきた実績を生かし、ビルの省エネ診断、省エネ化の提案、システム構築、調達、施工を一貫して行い、建物の快適性を高め、エネルギー削減とCO2排出量削減を実現するといったシステム。同サービスでは、ESCO事業やESP契約、リース・補助金の活用など、コスト削減や運用改善から資金調達といった課題に対応できる体制を整えるための提案をするほか、エネルギーの使用状況をモニタリングして管理するシステム(BEMS)を用いたエネルギーマネジメントや具体的なエネルギーの管理などもサポートする。エネルギー使用量は25~35%、CO2排出量は27~37%の削減を見込める。また設備商社として幅広いメーカーの機器を熟知している強みを生かし、空調機器設備、太陽光発電システム、蓄電池など、個々のビルの状況に応じて最適な機器を組み合わせて提案することができる。

 日本カーボンマネジメント(東京都板橋区)は各種行政の省エネルギーに関する補助金活用の支援、省エネ設備提案などの業務を行っている。同社の補助金活用支援サービスでは、顧客の省エネ設備導入の計画の時点で、該当する補助事業を紹介、申請から完了までの資料作成等を総合的に支援。また設備導入の提案では、顧客施設の省エネ診断を行い、合致した運用改善効果と補助金活用時の設備費を考慮した事業収支計算書の作成を支援している。
 同社では補助金制度の支援実績が豊富にあるため万全の支援が可能だ。また現在、東京都地球温暖化防止活動推進センター(略称クール・ネット東京)が「東京都中小テナントビル省エネ改修効果見える化プロジェクト」の募集期間となっている。同プロジェクトについて、同社代表取締役の佐々木譲氏は次のように語る。
 「この助成金プロジェクトでは、中小テナントビルということで対象が明確です。今日、電気代が高騰している状況でもあることから、オーナーにとっても電気代は感心事なのではないでしょうか」
 電気代が高騰していることに悩んでいるビルオーナーは経営のためにも補助金活用と、補助金申請のためのコンサルタントへの相談を欠かすことはできない。

 JLL(東京都千代田区)では、今年10月1日よりオフィスビルや商業施設などの省エネルギーやコスト削減に関するアドバイスや、環境認証取得支援などのサービスを提供する専門部署「エナジー&サステナビリティ サービス」を新設した。 JLLグループでは世界各国でオフィスや商業施設など各種施設における省エネルギーおよびコスト削減に向けたサポートサービスを提供してきた。また、LEEDをはじめとする国際的な環境認証制度取得に関するアドバイザリー業務も行っており、日本国内市場において高まっている不動産環境対策ニーズを受け、専門部署である「エナジー&サステナビリティ サービス」を社内にも新設し、同社グループが世界で培ってきた実績とノウハウを最大限に活用した高い品質のサービスを提供するとしている。
 同事業部長に就任した奥田知康氏は「国内エネルギー消費のうち20%はオフィスビルや商業施設などを含む業務部v門で消費されており、JLLとしても不動産を通じてエネルギー削減に貢献することは重要な役割と考えております」などとコメントした。

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