不動産トピックス

クローズアップ マッチングサイト編

2014.11.24 16:10

 同じサービス・業務を展開する業者の情報を一括で入手し、比較・検討できるマッチングサイトが人気だ。同じような事業を展開していても、そのサービスレベルに雲泥の差があることは常識。マッチングサイトを活用して優良業者を見つけ出そう。

 ウェブコンサルティングサービスを提供するフリーセル(東京都渋谷区)は昨年11月から外壁塗装業者を比較検討できるマッチングサイト「お助け!外壁塗装コンシェルジュ」の運営を開始した。
 同サイトは外壁塗装を検討中のエンドユーザーに対して、各自のニーズにあった塗装業者を紹介するポータルサイトだ。建物の維持管理に必須である外壁塗装だが、業者間で技術レベルに差があり、いわば玉石混交状態。しかし、優良業者を見つけるにしても素人では比較するのは難しく、施工後に問題が発生するケースも少なくなかった。
 「こうした問題に対して当サイトでは信頼のおける外壁塗装業者を登録し、業者を比較できる情報サイトを開設しました」(コンテンツ編集部 部長 松岡 雄司氏)
 ただ、外壁塗装の比較サイトはすでに複数存在するが、その多くは一括して見積もりを請求することが多い。松岡氏は「このやり方ではユーザーの個人情報が業者に伝わってしまい、執拗に営業される懸念がある」と指摘する。これに対して、ユーザーからの相談を同社の専門スタッフがヒアリングし、塗装工事を検討している建物規模・立地・工事内容・予算等を詳細にヒアリングした上で、条件に合った塗装業者を最大2社紹介するシステムを採用している。同社が仲介役になることで無用な営業活動は不要になる。
 また、サイトに登録している外壁塗装業者の多くは同社と取引関係にあり、その段階で業務内容や業績、反社チェック等「与信」を調査している。信用度の高い業者を厳選した形だ。
 「ウェブ関連サービスで約4500社と取引する中で外壁塗装業者の割合が多いことに気付き、彼らの営業販促ツールとして活用してもらおうと考えています。そのため、サイト自体の収益性よりも信頼性を重視しているのです」(松岡氏)
 適正な業者選びを実現し、業界全体のイメージ向上を実現することも同サイトの存在意義だ。

 シースタイル(東京都中央区)が運営する不動産一括比較サイト「スマイスター」の新サービスとして「スマイスター 海外不動産投資」が今月6日より運営開始となった。
 同サイトは不動産に関わる「ニッチ」な分野に特化した企業比較サイト。不動産売却、任意売却、不動産買取、土地活用/資産活用、賃貸管理/リロケーション、マンション管理/大規模修繕工事、ビル管理、不動産投資、貸事務所の9つのジャンルを事業展開する不動産会社をまとめて比較できる。登録企業数は約600社に及ぶ。
 新たに開始した「スマイスター 海外不動産投資」は同サイトで10番目のサービスとなる。同社代表取締役を務める川合大無氏はサービスを開始した経緯を次のように語る。
 「不動産投資に参入する個人投資家が増加し、海外不動産投資市場の注目度も高まっていますが、従前までは各不動産会社が自分たちで取り扱う国の情報だけ掲載していたため、総体的に情報比較を行う方法がありませんでした。また、仮にマレーシアへの投資を検討した際、マレーシアの不動産投資市場に詳しい業者を探すのも難しいのが現状です。そのため、取り扱う不動産投資市場を国別、会社別に検索でき、業務内容を比較できるサイトを構築しました」(川合氏)
 サイトの利用方法はいたって簡単。興味のある「国・エリア」をクリックすれば、当該地域の不動産を取り扱っている不動産会社が閲覧でき、興味のある企業に対して相談メールを送信すれば当該企業からレスポンスが送られてくる。本社所在地や得意事業等を詳細に開設した企業紹介ページも充実している。また、企業比較だけでなく、サイト登録企業が開催する現地見学ツアーや投資セミナー等のイベント情報も紹介している。利用料金は無料だ。

 ありそうでなかった事業用仲介会社のマッチングサイトが10月15日から運営を開始した。サイト名は「オフィスマッチ」。開発したのはウェブ制作やシステム構築、IT関連のプロモーション事業等を展開するアットフリーク(東京都台東区)だ。 「これまで似たようなマッチングサイトは存在していましたが、反響課金制のため、サイトに登録する仲介会社にあまりメリットがありませんでした。当サイトでは業界初の完全成果報酬型のオフィス仲介マッチングサービスを提供します」(代表取締役 塚原 聡一氏)
 同サイトはオフィスの移転を検討しているユーザーが移転先エリアや移転理由、移転する時期の他、希望の床面積等の条件を入力するだけで、条件に合致した物件情報を持つ仲介会社を最大5社まで紹介してくれる。ユーザーは会員登録等の作業は一切なく、無料で利用できる。一方、仲介会社はサイトに登録。こちらも初期費用や登録料金は不要で、問い合わせがあればアットフリーク経由でユーザーを紹介してくれる。
 「当社もこれまで3回ほど増床移転してきましたが、オフィスビルの検索サイトを活用しても情報が古く、入居希望に見合った物件があまり見つかりませんでした。実は仲介会社のもとにはサイトに掲載していない優良物件が多数存在します」(塚原氏)  オフィスを移転するには膨大な数の候補物件から条件を精査し、その中から選りすぐった物件を内見することになり、時間的なロスが非常に大きい。しかし、同サイトを活用すれば希望条件に見合った物件を自動的に紹介してくれる仲介会社と簡単に出会うことができる。
 また、サイト経由で移転が決定したユーザーに対して特典として引っ越し費用の30%分を負担してくれるサービスを展開するという。

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