不動産トピックス

今週の一冊

2014.08.25 10:58

「大家さん」として大切なことをおとぎ話で解説

大家さんとして大切なことに気付かせてくれる22の物語
著者 藤山 勇司
出版 平成26年8月29日
発行 ぱる出版
価格 1500円(税別)

 目次のエピソードには「ウサギとカメ」、「シンデレラ」、「靴屋の小人」などと、皆がよく知るおとぎ話になぞらえて、不動産経営についてわかりやすく解説する一冊だ。 なかには「シンデレラ」の項では、男女問わず未婚者には「『大家さんになると世界が変わります』と提言させてください」という一見すると奇をてらったような意見を説く場面もある。
 しかしながらその根拠には、現代の日本社会における適齢期の男女の収入が理想とかけ離れていることを示し、決して奇抜な意見ではない。
 本著で書かれていることは「大家さん」の日常から心構え、さらには「うまい話にやすやすと乗るな」と言わんばかりに取得しないほうがいい物件についてなどを詳しく取り上げている。
 著者の藤山勇司氏は商社で建設不動産部に勤務した経験を持ち、競売のノウハウを習得してサラリーマンをしながら不動産オーナーになったという経歴の持ち主だ(現在は専業オーナー)。
 「住宅大家さんの話ではないか」と決めつけて読まないのはもったいない。最終項の「管理について」では、クレーム処理の迅速な対応の重要性を説くなど、物件用途にかかわらず「大家さん」として大切なことを伝えている。

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