不動産トピックス

クローズアップ ウェブサービス編

2014.04.14 14:32

 クラウドサービスが一般的に普及してきた現代。不動産業に特化したWEBサービスも日ごとに進歩し、利用者のことを考えたサービスの充実をどの企業も提案している。

 ダイヤモンドメディア(東京都港区)は、平成19年に受託開発をメインとしたIT企業として創業した。同社は、平成23年に不動産業界に特化した事業を開始し今回、不動産業界に向けた流通サービス「Centrl(セントラル」を4月7日よりスタートした。同社の代表取締役である武井浩三氏は、「Centrl(セントラル)」について次のように語った。
「不動産仲介業務は、同じ物件を複数の仲介業者が取り扱うため、情報が広範囲にわたって拡散されるものの、統一されたフォーマットが、存在しないうえFAXなどデジタル化せずに流通しているケースもあり、仲介業者が同一物件を登録しなおす作業や空室確認の電話対応など余分な労力が要されていました。しかし、『Centrl(セントラル)』を導入することにより、今まで必要とされていたコストや労力を減らすことが可能となり、不動産業者本来の業務である一般消費者へのサービス向上に繋げることができます」(武井氏)
「Centrl(セントラル)」は、基本機能を無料で利用することができるほか、管理業者が登録した流通物件を仲介業者が自社のデータベースに取り組むことができ、不動産ポータルサイトや自社サイト、マイソクなどに出力することが可能になる。また、同サービスでは「元付公式パートナー」と「客付公式パートナー」の2種類の公式パートナー制度を設けている。元付公式パートナー制度では、主に管理会社を対象とし、オーナーが管理会社に委託している物件を仲介会社に流通させることが可能に。「客付公式パートナー」では、仲介会社を対象にしており仲介会社が空室を登録することで自社システムに自動で物件が届けられ、今まで以上に客付けしやすくなる。そのため、オーナーにとってもメリットが見込める。
武井氏は、「Centrl(セントラル)」の今後の展開を次のように語る。
 「サービスの成長に合わせた有料機能や広告等の導入は考えていますが、基本機能は無料にて多くの管理会社、仲介会社に協力していただきたいです。2年間で100万物件の掲載したプラットホーム構築を目指した運営をしていきます」(武井氏)  なお、現在公式パートナーとして、アパマンショップネットワーク、センチュリー21・ジャパン、ハウスコム、UR都市機構などが「Centrl(セントラル)」の協力会社としてサービスを採用し、HOME'S、SUUMO、アットホームが一括送信対応サイトとなっている。

 いい生活(東京都港区)は、日本の不動産に特化したウェブサービスの提供を行っている。平成12年の創業時より、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)を取り扱ったサービスを行い、業界をリードしてきた。
 同社がクラウドで提供するデータベースシステム「ESいい物件One」では、賃貸・売買客付業務、元付業務、賃貸管理業務など、不動産業務にかかわるすべてのデータを一元管理し、日々の業務を1つのツールで賄うことを可能とした。なお、同システムは、使う機能を選択し、事業に合わせたサービスを個別に利用することもできる。また、一部機能を利用できる無料版も用意している。
 同システムのオプション「ESいい物件Oneウェブサイト」は、月額2万円から利用可能なホームページ作成ツールで、サイト作成の制限はなく、携帯電話やPCなど様々なデバイスに対応している。さらに「ESいい物件One」との連動により、物件情報を簡単に掲載することができる。また、物件情報を掲載したい各不動産ポータルサイトへの一括入稿機能も搭載する。
 「現在は、住居系メーンのサービスとなっておりますが、オフィスビルへの提供事例もあります。今年の夏には、事業用の項目を大きく拡張する予定です。天井が高いなどの募集項目の追加を含めたアップデートを見込んでいます。さらに、オーナーの『売りたい、貸したい』や希望者の『買いたい、借りたい』の声をウェブ上で管理し、データベース化することで、履歴を閲覧可能とするサービスを今年の冬に向け、開発中です」(営業開発部チームリーダー 塚本 佳弘氏)

 レンターズ(東京都港区)は、会社間物件情報流通サービス「レンターズBBネット」に仲介会社の業務支援の新機能を追加。
 同サービスは、賃貸物件オーナーから依頼を受けた不動産会社と貸主と借主の仲介を行う仲介会社物件情報流通を効率化するもので、新たに追加したサービスは事業者にとって多くの手間とコストを大幅に削減できる。
 初期費用等の契約条件や、広告費等の仲介報酬に変更があった物件だけを抽出して閲覧が可能。また、ウェブ上での内見予約も可能となり、多くの仲介会社が電話で確認をとっている元付会社への内見予約をウェブ上で行え、元付会社の営業時間や定休日を気にする必要が無く、入居検討者の案内時に待たせることもない。更に、物件検索条件を10パターンまで保存可能となり、物件検索の際、沿線、エリア、広さ、大学名等、検索条件を10パターンまで保存できる。その都度検索する手間が省け、スムーズになった。加えて、物件の知見を共有できるようになり、入居検討者に評価が高かった点、気になった点等を物件ごとに記録していくことができる。記録した情報は営業担当者間で共有できるため、物件の特徴を深く知ることができ、より入居検討者の希望に合わせた物件を提案しやすくなる。

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