不動産トピックス

今週の一冊

2013.10.14 16:59

税務に精通した弁護士が「争続」現場での実体験を基に執筆

ドロ沼相続の出口
著者:眞鍋 淳也
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:平成25年9月20日
価格:740円(税別)

 一定以上の資産を保有する者であれば、避けて通ることのできない相続。相続人の心情とすれば、何のトラブルもなく円満に、子どもたちに資産を継承したいと考えるものであるが、現実には都合良く資産の継承が行われず、被相続人間でトラブルに発展するケースが多い。
 本書を執筆した眞鍋淳也弁護士は、監査法人トーマツに勤務した後に会計事務所や法律事務所での勤務を経て、平成21年に南青山M’s法律事務所を設立し独立。以後、相続発生時に「争続」にまで発展してしまったトラブルへの対処を数多くこなしてきた。本書では眞鍋弁護士が体験した相続トラブルの実例を紹介しながら、「争続」を未然に防ぐポイントや、トラブルが起きてしまった後の対処法、税理士・弁護士の役割について記している。
 例えば、内縁の夫婦の内夫ががんで亡くなり、仲が良かったはずの内夫の母と内妻の関係が破たんし、内夫の財産をめぐってのトラブルが発生するなど、相続人の生前は思いもよらないような争いが、相続の発生とともに表面化する可能性が十分考えられる。ドロ沼化した問題を解決するには弁護士や税理士の援助が必要となってくるが、専門家のサポートにも限界がある。家族の絆をいつまでも保てるよう、まずは日頃から意思疎通を図りながら万が一の場面に備えておくことが重要といえる。

PAGE TOPへ