不動産トピックス

今週の一冊

2013.08.12 15:34

新たなアイディアで業界のスタンダードが変わる

不動産ビジネスはますます面白くなる 成熟市場で成長の芽を見いだす
著者:ニッセイ基礎研究所 不動産投資チーム(松村 徹/竹内 一雅/岩佐 浩人/増宮 守)
出版:日経BP社
発行:平成25年8月5日
価格:2200円(税抜)

 バブル景気の状況下で見られたように、マネーゲームの一つのツールとして認識されがちな不動産ビジネス。しかし、一口に不動産ビジネスと言っても経営実務に携わるオーナーの視点で見れば、日々の努力や工夫によって成り立つ地道な商売という側面もある。本書は後者、特にこれからの時代の不動産ビジネスで活躍するであろう若い世代の不動産関連従事者に向けて執筆された。
 本書の執筆を手掛けたのは、ニッセイ基礎研究所(東京都千代田区)の不動産投資チーム。不動産マーケットを手広く調査・分析・研究する専門家集団である。本書はまずこれまでの我が国の不動産マーケットの変遷を追うとともに、少子高齢化やグローバル化といった社会情勢の変化に伴う今後のマーケットにおける「地殻変動」をしっかりと認識することの重要性を解説。そして、具体的な事例を挙げ昨今のニーズに即した新しい不動産ビジネスのあり方を提示している。
 不動産を取り巻く環境は、とかくネガティブな要素が多いと思われがちである。しかし、今後業界を盛り上げる若い世代の未来志向、いつの時代も普遍的な理念として存在する顧客志向、これに不動産ビジネスに対する愛情が組み合わさることで、不動産というビジネス領域はまだまだ裾野が広いと再認識させてくれる一冊である。

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