不動産トピックス

クローズアップ 消臭対策編

2013.04.15 16:23

 暖かい日が訪れ、夏を前に「悪臭」が気になる季節にもなってきた。もちろん、トイレなど水まわりや、長期間続く空室などでは、慢性的な臭いへの対策が必要になる。目に見えず、原因を追及することが難しいとされる臭いに対するソリューションを、各社が提案する製品を通じて紹介していく。

アムテック 一日何度も清掃が必要な場所に効果的なバイオ洗剤
 業務用洗剤の販売などを展開するアムテック(東京都渋谷区)では、クエン酸とバイオを配合したトイレ用洗剤「バイオボウル」をはじめ、バイオを使用した洗剤をラインアップしている。
 洗浄や除菌に効果的であるうえに、画期的な消臭効果もあるバイオ洗剤について、同社代表取締役の矢部要氏は、次のように話している。
 「私たちが生活するうえでの悪臭は、そのほとんどが微生物の働きによって引き起こされます。汚れには元々悪臭はなく、汚れに微生物が集まり、微生物が汚れを食べること、つまりは生物分解を起こすことで悪臭が発生します。これに注目して実施する清掃は、除菌クリーニングとバイオクリーニングがあります。除菌クリーニングは、悪臭の原因となる汚れを取り除き、悪臭の原因となる菌を殺して消臭するという、衛生的な清掃です。医療施設や食べ物が直接触れる場所においては除菌クリーニングを行うことが適切です。トイレを例に挙げると、一般的なオフィスビルなどのトイレでは、毎日除菌クリーニングを行っていれば、通常悪臭が起こるということはないと思います。一方、駅や商業施設などのトイレでは、除菌クリーニングを一日に何度も行う必要があります。そのような場合にはバイオ洗剤を使用するバイオクリーニングが効果を発揮します。バイオクリーニングの特長は、汚れを取り除くと同時に、悪臭の原因となる菌より強くて人体や動物に無害であると証明されている微生物を、大量に送り込むという清掃方法です。バイオ洗剤の効果は、バイオの定着に1週間から10日程度かかります。しかしながら、当社が取り扱うバイオ洗剤は鉄道各社の清掃で利用されていますが、そのきっかけとなったのは、悪臭を効果的に解消できたからです。もし悪臭で悩まれているのであれば、バイオ洗剤の活用を検討するのもよいかと思います」

ダイキン工業 水の細菌までも除菌
 ダイキン工業(大阪市北区)では、カビや菌、におい成分などを強力に分解・抑制するという同社独自の「光速ストリーマ」を空気に照射させ、さらに加湿する水にも応用することで、業界で初めて水中の細菌までも除菌することができるという加湿空気清浄機「うるおい光クリエール」を販売展開している。
 従来の加湿フィルターの除菌に加えて、加湿するトレーの水にまで除菌効果の幅が広がっている。高速電子から生まれる活性種が、加湿トレーの水の細菌を、4時間で99・9%まで除去することができる。
水中を除菌する効果として、懸案だった加湿トレーのぬめり発生を、「光速ストリーマ」によって生み出された活性種を、水に攪拌し続けることで、水の細菌が24時間で99・99%以上除去される。そのためおよそ6カ月の間、ぬめり対策が不要となる。
 また、7・5m3/分という業界トップクラスの大風量によって、室内に漂うかびやウイルスなどの有害物質を、フィルターに素早く捕獲することで、1時間で99・9%除去することができる。
 そのほか、通常の自動運転と比較すると消費電力を約30%低減できる「eco」モードを搭載しており、節電にも貢献する。

ソウマ 空室の消臭対策に
 光触媒事業や外壁塗装工事などを展開するソウマ(東京都墨田区)では、昨年の秋から排水トラップ封水剤「ニオイストップ」の販売を展開している。
 物件の空室が長期に及ぶと、下水から悪臭が発生してしまい、いざ入居希望者が物件の内覧に訪れた際にマイナスイメージを与えかねない。しかしながら、そのような悪臭への対策として決め手になる方法が、今までなかなか存在しなかった。
 「ニオイストップ」は、ビルオーナーが抱えるこのような悩み解決する。水を張った排水トラップに、定量の「ニオイストップ」を投入すると、いったん排水トラップの底に沈んだ液体が、分解し、浮上して水の表面に油膜を作る。
 そのように水の表面にできた油膜は、水の蒸発を防ぐと同時に、下水から発生してくる悪臭のみならず、害虫の発生も防ぐ。水中に溶けだした防腐効果を含むアルコールは、封水の防腐作用も発揮する。排水トラップに張られた水は、半年以上も蒸発・腐敗することがない。そのため、悪臭対策のための、数週間に一度程度の定期的な管理という手間が省けることにもつながる。
 所有するビルで空室を抱えるビルオーナーにとって、下水からの悪臭を効果的かつ手間をかけずに防げるという製品だ。

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