不動産トピックス

クローズアップ セキュリティ編

2013.02.04 11:36

 館内の安全を保つため、それぞれのビルでは立地やテナント構成に合った防犯・セキュリティ対策を行っている。今までは「抑止力」として威圧的なデザインが好まれていたセキュリティ製品も、昨今ではデザイン性などが重んじられる傾向もみられる。

タムロン 水平画角180度の監視カメラ
 総合光学機器メーカーであるタムロン(さいたま市見沼区)は、水平画角180度の新しい監視カメラ「Panorama Camera 180-View」シリーズとして、メガピクセル対応IPタイプ「Model 300QV-P-CM」を発売した。発表は1月21日。
 監視カメラの市場においては、設置環境のインフラが整い、利便性の高いIPカメラの導入が進んでいる。また、カメラの特性を生かして画像の一部を切り出し、拡大したいという顧客ニーズが高まっている。タムロンではこのようなニーズに応えるため、水平角度180度の同製品を開発した。光学メーカーならではの高画質と、独自の画像処理技術によって、アナログからIPまで、さまざまな監視の場面に新しいソリューションを提案。
 魚眼レンズを搭載することで、水平画角180度を実現した。1台のカメラで死角のない映像を実現する。
 捉えた画像は、パソコン用グラフィックシステムの標準とされるVGAの4倍の画素数・面積を持つQuad VGA、歪み補正後にVGAでの出力がそれぞれ可能で、さらに同時出力にも対応。
 設置時の調整用にミニジャック端子があり、簡易的なアナログビデオ出力によって、その場で撮影画像を確認することができる、内蔵マイクを利用して、音声の記録も可能であるなど、多くの機能を搭載している。
 スタイリッシュでコンパクトなデザインを実現し、落下防止ワイヤーや壁面取り付けアダプターなどが付いている。

ソニーネットワークカメラ6種を発売
 大手電子機器メーカーのソニー(東京都港区)では、新規開拓した画像処理エンジン「IPELA ENGINE EX」を採用することで、業界初となるフルHD・毎秒60フレームでの撮影を実現した「SNC-VB630」「SNC-VM630」を含む、ネットワークカメラ6機種を発売する。
 今回発売される6機種は、新たに開発された「Exmor」CMOSイメージセンサーの搭載とノイズリダクション機能の改善により、従来機種と比較して最低被写体照度を大幅に向上させている。これにより月明かり程度の低い照度の環境下にあっても、ノイズが少なくクリアな映像で監視が可能となる。
 また、毎秒60フレームという高いフレームレートを実現することで、セキュリティカメラに必要とされている高画質を実現したネットワークカメラとなっている。
 加えて、専用ソフトをインストールせずに、スマートフォンのブラウザからカメラにアクセスし、映像を遠隔監視できるスマートフォンビューワー機能や顔検出機能等、監視の精度と利便性を向上させる機能も各種搭載している。

計電産業 既存の社員証がカギに 汎用性の高いシステム
 防犯メーカーである計電産業(東京都豊島区)では、既存のICカードや携帯電話がカギとしても使えるシステム「エフイー・ロック」の製造販売を展開。同製品の最大の特徴は、防犯性や利便性のみならず、汎用性の拡大を追求している点にある。
 おサイフケータイ機能付きの携帯電話、Edyカード等に使われているフェリカ規格、タスポなどに使われているマイフェア規格のカードを「エフイー・ロック」に登録すると、カギとして使用することが出来る。また、これらの規格を採用している社員証等のIDカードも登録し、使用することが可能だ。
 カードの使用履歴を本体に登録しているため、必要時には閲覧することも可能である。また、この機能によって、カードを使用した履歴を本体に記録しているため、入退室管理システムとしても利用可能だ。カードや携帯電話の登録したり抹消したりの設定は、簡単に行える。
 電池式を採用しているため、配線を通すような大掛かりな工事は不要で、通常のカギ交換と同様の作業での設置が可能である。電池の寿命は1日10回使用した場合、5年以上という長寿命を実現。
 昨今の導入の傾向に関して、同社の井上久夫氏は「既存の建物ではリニューアルを実施する際などに導入するケースが目立ちます。また、施工が簡単なので、パーティションなどに施工するケースも見られます」と、話している。

クマヒラ 高機能を備えた「スターンゲート」
 セキュリティ製品メーカーの老舗・クマヒラ(東京都中央区)では、セキュリティゲート「スターンゲート」を1月22日から発売を開始した。
 昨今新築ビルのエントランスにはセキュリティゲートが設置される傾向があり、その存在がビルのセキュリティレベルを象徴するひとつの要素に挙げられる。一方で強固なセキュリティを誇張しすぎると、ビルのエントランスでは違和感を与えてしまい、景観を損なう要因となってしまう。クマヒラでは、そのような顧客ニーズに対応するために、省スペースながらセキュリティレベルが高くて上質なデザイン性を兼ね備えたセキュリティゲートを開発した。
 高度な赤外線センサーのプログラムによって、通行時は通行方向に対しなめらかにスイングし開扉するが、フラップを閉じたときは、強く押したりしても簡単には開かないような、セキュリティを優先した設計となっている。昨年度のグッドデザイン賞を受賞している同製品は、多くのインテリアに調和しやすいステンレスとガラスを基調とした素材を採用するなどして、同社セキュリティゲート製品におけるデザイン性のレベルアップも実現している。
 「かつてセキュリティ対策の設備には犯罪を抑止する効果を生み出すような威圧的なデザイン性を求められていましたが、近年ではより周囲との調和のとれるような、高いデザイン性を求められています。また、製品のコンパクト化を実現することで既存のビルや中小規模のビルへの導入も容易になりました」(佐伯氏)

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