不動産トピックス

クローズアップ 鳥害対策編

2012.12.24 17:13

 ビルの環境面で問題視されているのが鳥類による糞害だ。建物の見た目が悪くだけでなく、細菌・ウイルス感染、アレルギー発症など、健康を害することもあり、深刻な問題となっている。しかも鳥獣保護法によって簡単に駆除することができない。そこで、登場したのが鳥類を寄せ付けない画期的な対策法なのである。

あんじん武蔵野 無害な植物性忌避剤で成功率100%
 あんじん武蔵野(東京都八王子市)が専門とするのは鳩の駆除。専門業者として10年以上の実績をもつ同社では、これまで鳩の駆除成功率100%を誇る。
 同社によれば、鳩対策でクリアするべき条件は「効果の長期維持」と「建物の景観維持」、そして「無害性」。従来の鳩対策ではそのいずれかが欠けており、そのために失敗する例が多かったという。例えばベランダなどに鳩よけのネットを張った場合、確かにベランダ内に侵入されることはなくなるが、周囲に寄り付く鳩を駆除することはできない。またネットは建物の外観を損なうだけでなく、非常時の妨げとなる可能性もある。その他の方法として剣山状のプロテクターの設置もあるが、実は鳩はすぐに慣れてしまい、逆に巣として利用してしまう場合もあるという。同社の「BS―T」は、植物性原材料を主成分とした鳩被害防止剤。従来の忌避剤と異なり、鳩や人に悪影響を及ぼすことなく鳩を撃退できる。
 「BS―T」は、自然界に存在する「鳩が苦手とする植物成分」を粘着性のペースト状に加工したもの。施工も簡便で、直径数センチずつ、10~30cm間隔で盛り付けるだけで鳩が寄り付かなくなるという。コンクリートはもちろん屋根や鋼材などあらゆる素材の上に施工可能で、除去も可能。人が感じる臭いもほとんど無く、風雨にも強い。化学薬品を使用していないため即効性はないが、施工からおおむね1~2週間で効果があらわれ、その後は数年間にわたって効果が持続する。保証期間の3年間は定期的に現場調査を実施し、鳩が戻って来ていればすぐに対応するという。駅や官公庁、マンション、老人ホームなどでも採用されており、その効果は実証済みといっていいだろう。

日本鳩対策センター 被害のレベル・場所に応じ最適な対策法提案
 鳩は人間にとって身近な存在であるといえるが、日常生活を送る中で鳩の生態を熟知する機会は少ない。鳩は人の死角となるような建物のわずかな隙間などにも棲家を作り、寝泊りや繁殖を行う。建物と建物の間など、人ひとりが通り抜けられる程度のわずかな隙間であっても、鳩にとっては誰にも邪魔をされない絶好の棲家となりえるのだ。鳩被害への対策を専門に行う日本鳩対策センター(東京都世田谷区)では、深刻な被害を受ける前の段階における早急な対応が重要だと警鐘を鳴らす。同社取締役営業部長の中明氏は「鳩は外敵に襲われる心配のない安全な場所を見つけると、その場所を棲家として生活を始めます。初期段階では移動中の休憩スペースとして使用していたのが、いつの間にかその場所に留まるようになると、鳩の鳴き声やフンによる被害が急速に広がります」と話す。鳩が安住の場所として棲家を作ってしまうと、被害の拡大もさることながら、駆除作業も困難さが増してくる。同社では建物への鳩の定住を防止するためのアイテムとして、1㎡あたり11gと軽量の防護ネット「ピーコンネット」、微弱電流による電気ショックで痛みを体験させ鳩の飛来を防ぐ「ピーコン電気ショック」、建物への鳩の着地が物理的に不可能となる「ピーコンスパイク」、手すりなど狭い場所での鳩の着地を防ぐ「ピーコンワイヤー」など、被害の状況や対策を行うポイントに応じて提案している。
 「当社では鳩対策の提案から施工後の品質保証・アフターフォローまで、永続的に鳩被害を防ぐためのコンサルティングを行っています。鳩被害は放置するほど徐々に拡大していきます。資産価値の低下を招いてしまう前にお気軽にご相談下さい」(中明氏)

大庭ビルメインテナンス 磁場を発生させ鳥の帰巣本能を攪乱
 カラスやハトが建物に居ついてしまい、糞だらけになる。いわゆる鳥害被害が多くの建物で深刻化している。そうした背景を受けて、ビル総合メンテナンスを手がける大庭ビルメインテナンス(東京都板橋区)は、鳥害対策として独自開発した「バードバイ」の販売施工を展開。国内有名施設へ導入が進み、今後は世界展開を視野に入れている。
 開発者の大庭忠夫氏は同製品の開発経緯を次のように話す。
 「窓清掃を行う際、鳥の糞害に悩まされたことが開発のきっかけです。当初はトリモチを使用していましたが、鳥の羽に付着すると墜落してしまい、鳥の安全を確保することができません。そこで、米国の学者が提唱していた鳥の帰巣本能に関する学説を知り、国会図書館に日参して資料にあたり、各大学に研究依頼を行いました」
 帰巣本能がある動物は脳に磁石機能を備えている生態細胞を持ち、鳥の脳には1億個近くの生態細胞が含まれているという。そこで意図的に磁場を発生させれば鳥の帰巣本能を狂わせ、建物に近づかなくなるという理論だ。同製品はこの理論を実践し、ネットやワイヤー、ブラインドに磁石を複数取り付け、鳥が嫌う磁場を生み出している。
 「現在では設置場所に合わせて複数の製品が存在するが、最初はワイヤータイプのみ。磁石が鳥の頭部付近にないと効き目が半減しますが、鳥も知恵を働かせたのか、ワイヤー部分に留まってしまうので、効果がありません。そこで、ワイヤー部分を特殊回転するように改良しました。鳥と知恵比べを行いながら、現在まで4種類を開発してきました」(大庭氏)
 新製品はヤジロべー型で、風や羽ばたきで揺れ始め、磁気反応によって他のヤジロべーも大きく揺れる。鳥の視覚にまで影響を与えることができ、更なる鳥害対策が可能になった。


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