不動産トピックス

クローズアップ コスト削減編

2012.12.17 12:02

 ビルを経営していく上でオーナーにとって悩みの種になるのが、改修・修繕工事にかかる多額な費用、そして、管理業務などの固定費をいかにして削減するかという点である。今回のクローズアップでは、「リバースオークション」を活用した工事費用削減から、今や定番になりつつあるビルの省エネによる固定費削減まで、コスト削減をテーマに各企業の取り組みを紹介しよう。

豊和エンジニアリング 国・自治体の補助金活用し工事費用圧縮
 豊和エンジニアリング(東京都葛飾区)は、ビルオーナーに対して補助金を活用した省エネ改修工事を提案している。
 「当社はこれまで建築金物工事・販売事業やリニューアル工事事業を展開してきましたが、工事に関してお客様とやり取りする中で、ビルの省エネ化も実施したいというご相談が増えてきました。そこで、従前の建築工事で培ったノウハウを活用できる省エネ改修工事のご提案を開始しました」(環境事業室 中丸 真由美氏)
 ビルの省エネ化が求められているとはいえ、省エネ改修工事を実施するには多額の設備投資が必要となる。そこで同社が目を付けたのが国や自治体が実施している省エネ・節電改修工事に関する補助金制度である。この補助金を活用することで大幅に工事費用を圧縮することができるという。ただ、国や自治体が実施する補助金制度にも問題が存在する。それは、公募の期間が短いことに加え、補助金を申請する書類作成に手間がかかる点である。同社では、この問題点を解消するためにこまめな情報収集をこころがけ、工事が必要なタイミングで省エネ提案をできる体制を整えている。さらに、面倒な書類申請についても同社が全て代行するとのことだ。
 「当社はこれまでも東京都の補助金を活用して省エネ改修工事を実施するなど、中小規模のビルに対する工事実績を積み重ねてきました。このような実績をもとに、それぞれのビルに最適な省エネ提案ができることが当社の強みとなります。また、省エネ商材についてもLED照明の販売工事や高効率の太陽光発電パネルの開発も行っていますので、ビルの省エネをご検討されているビルオーナーの方は是非ご相談下さい」(中丸氏)

NACSトータルリソース 改修・修繕工事案件ごとに入札を実施 リバースオークションで工事費用削減
 NACSトータルリソース(東京都台東区)は、ビル経営に欠かせない改修・修繕工事のコストを削減するサービスを展開している。
 従来の工事発注における問題点は、工事にかかる費用が適正化どうかの判断ができない点にある。さらに、建築の専門知識を持っているビルオーナーが少ないことから、業者が工事費用を必要以上に水増しする可能性もあるだろう。同社はこうした問題点を解消することで、工事費用を削減することができるという。
 「当社に工事発注の際に取組をご依頼いただければ、まず案件毎に適切な工事業者を50社選定します。その上で、条件に応じる業者を約10社までに絞り込み、入札を実施します。こうした過程を経ることで、工事費用の削減と工事品質の維持を実現することが可能となります」(代表 山本 隆広氏)
 工事が必要となった際に、管理会社に工事を丸投げするオーナーも少なくないのではないか。その際に管理会社が下請け業者からいくらマージンを受け取っているのか。マージンのようなオーナーの立場からその内実が見え難いコストも入札を採用することで省くことができるとのことだ。
 「これまでの実績として、オフィスビルの外壁シール交換工事において、工事費用を2000万円削減、削減率約60%を達成した事例もあります。工事の種類によりますが、平均的には約23%の工事費を削減することができます」(山本氏)
 同社が報酬プランとして用意するのは3種類。1つ目は削減額の30%を支払う「成功報酬型」。2つ目は発注金額の1~5%を支払う「業務報酬型」。3つ目は月50万円を支払う「月額固定型」の3プランから選択することが可能となっている。
 同社が展開しているようなビジネススキームは一般的には「リバースオークション」と呼ばれ、昨今注目を集めている。既存物件を所有しているオーナーにとっては収益が下がっている中で定期的な工事が必要という厳しい状況。そうした意味では工事費用圧縮の取り組みは今後さらに必要といえ、ビル業界においても「リバースオークション」を活用した事例は増えていくのではないだろうか。

東京ガス 中小業務用施設向け簡易BEMS
 東京ガス(東京都港区)は、主に業務用の中小規模施設向け省エネ・節電を支援するシステム「楽省BEMS(らくしょうベムス)」を開発した。今後試験導入を経て、平成25年度中に同システムを活用したサービスを開始する。
 同システムは、主に業務用の中小規模施設の空調、照明、換気などの電気設備と、ガスヒートポンプ、コージェネレーションシステムなどのガス設備の運転を最適に制御し、省エネを実現するとともに、光熱費を約10%以上削減する。また、当日の天気予報や過去のエネルギー使用実績などから、1時間毎の電気とガスの使用量を予測し「見える化」することで、さらなる省エネ・節電行動を促進する。電気設備に加えて、ガス設備の運転も自動で最適に制御する機能や、電気とガスの1日の使用量を予測し「見える化」する機能を備えたシステムの開発は日本で初めてとなり、ち密な電力デマンド監視・制御により、電力ピークをカットし契約電力の最小化を図るといった点、ち密な自動制御により多様な設備の省エネ運用・管理を高度化(温室度・CO2濃度監視による最適空調・換気制御、消し忘れ防止制御、スケジュール制御)といった特徴によってより効果的な省エネを支援する。


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