不動産トピックス

今週の一冊

2012.12.03 15:23

安定した老後を実現する不動産投資活用術

見方を変えれば七変化 不動産を活用したライフプランのすゝめ
著者 臼井 貴弘
出版 平成24年6月30日
発行 幻冬社ルネッサンス
価格 1200円(税別)

 衆議院選が近づき、完全に主役に返り咲いた感のある自民党と安倍晋三総裁。デフレ脱却を掲げ、日銀への介入を示唆する金融緩和策が飛び出たことで、ハイパーインフレに突入するのでは、との懸念が噴出したのは記憶に新しいところだ。
 資産を現金化し、流動性を高めようと考える人は増えているようだが、インフレ時代には所有現金の価値が大幅に減少してしまう。インフレリスクが直撃する可能性は高い。インフレはひとつの例だが、日本の将来は悲観的で、常に何らかのリスクがつきまとう。資産運用に関しても例外ではない。
 そうした背景を受けて、本書では、インフレを含めた日本の将来的リスクに対して、不動産投資がいかに有効か解説する。閉塞感漂う老後に向けた「安心」を得るために最適な手段が、不動産投資と説く。
 バブル期に目立ったキャピタルゲインを目的にした一攫千金の夢物語ではなく、安定したインカムゲインを目的にした単身者向けマンション投資を推奨する。ゆとりのある老後を過ごすために必要な投資ノウハウを解説しており、不動産投資が富裕層でなくても身近なものであることが実感させられる内容だ。
 ただ、投資物件の選択基準にまで触れているが、年季の入った投資経験者を満足させるようなテクニック論はなく、あくまでも不動産投資に抵抗感を持つ素人を対象にした入門書といえるだろう。

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