不動産トピックス

クローズアップ 蓄電池編

2012.07.16 10:00

 非常用電源としての活躍が期待できる蓄電池。ビルのBCPという観点からも脚光を浴びているが、夜間の低廉な電力や太陽光で発電した電力を蓄電すれば省エネにもつながる。用途が拡がる蓄電池をクローズアップする。

広友リース レンタルで蓄電池をお試し
 平時の省エネ、有事の電力確保と、時を選ばず活躍が期待できる蓄電池だが、目下最大のネックとなっているのは導入費用だろう。普及を妨げる要因ともなりかねないが、レンタルを活用すればこれを解決できるのではないだろうか。
 広友リース(東京都港区)が展開する「蓄電池レンタルサービス」は、蓄電池を手軽に利用できるサービス。利用は1日から年単位まで可能で、イベントからビルの補助電力としての使用まで幅広く対応している。レンタルは初期費用を抑えられるだけでなく、故障時のサポートや中途解約可能というメリットもある。気に入ればそのまま購入することもできるため、まずはレンタルで性能をじっくり試し、ビルへの効果を見極めた後に購入することも可能だ。ちなみに同社のレンタルサービスの損益分岐点はおおむね2年で、2年以上連続して使用するのであれば購入したほうが得になる場合が多いという。
 同社のサービスはほとんどのメーカーの製品でレンタル契約が結べるが、お勧めは「パーソナルエナジー3・6」。実容量約3kWhのリチウムイオン電池で、商用電源、発電機、ソーラーパネルの3系統から充電可能。停電時にもタイムラグがなく切り替わりバックアップ電源としても有効だ。操作はパソコンやタブレット型コンピュータから行うが、特筆すべきはスマートメーターを内蔵している点。電力はもちろんガスや水道のメーターと接続すれば、ビルのエネルギーをタブレットで管理することも可能になるのである。

ソニービジネスソリューション 急速充電・長寿命・高い安全性能を実現
 ソニービジネスソリューション(東京都港区)は高い安全性能を実現した「業務用一体型リチウムイオン蓄電池(ESSP-2000L)」を展開。
 同製品は業務用途として使用ができるように、リチウムイオン蓄電モジュールとコントローラーやインバーター・コンバーターなどを組み合わせた一体型の業務用蓄電池である。ACケーブルを装備し、一般のコンセント(AC100V/15A)に差し込んで簡単に利用が可能なほか、6口コンセントを搭載し、それぞれのコンセントから接続した機器に100Vの電力の供給ができるという。
 主な活用場面として、オフィスにおけるパソコン、サーバー、ネットワーク機器のほか、店舗の冷温庫などに対する停電時のバックアップ電源として事業継続に活用できるとともに、夜間充電した電力を昼間利用することで電力ピーク時間帯に消費電力の抑制を実現している。
 「当社の製品は、最短2時間で約95%の容量を満たす急速充電機能により急な電力ニーズにも速やかな対応が可能なほか、1日1回の充電・放電を行った場合、10年以上の期待寿命を持つ蓄電モジュールを搭載しております。また、突然の停電時でも、無瞬断で蓄電池からの電力供給に切替りますので、サーバーやデスクトップPCが安心して接続することができます」(営業・マーケティング部門 営業企画室 シニアセールスプランニングマネジャー 中川 浄氏)
 なお、同製品は経済産業省および環境共創イニシアチブが実施するリチウムイオン蓄電池導入の支援事業の補助対象機器に指定され、条件により最大で3分の1の補助が可能となっている。

NGP-FOTEC リユースバッテリーにより低価格で提供
 エコビジネス、ごみ有料化などの自治体向けサービスを提供する総合商社の日本グリーンパックスのグループ会社であるNGP―FOTEC(東京都中央区)は、環境負荷低減設備・機器・資材の販売を行っている。
 同社では、鉛蓄電池のリユースバッテリーをもとに高機能な蓄電システムを可能にした「NF―7200」をレンタルで販売している。同製品に内蔵している容量7・2kWhの大型蓄電池を5・7・10年の契約期間でレンタル販売しており、年1回の定期点検で劣化推移を把握し、10%劣化を超える前に無料交換を行う。これによりユーザーは出力劣化の心配無く非常用電源を確保できる。
 「リユースバッテリーで提供しているため低価格を実現している。しかも優良な状態のバッテリーを安定供給できる体制が整っているので、リユースバッテリーの用途を開拓して鉛蓄電池の3Rを実現し、エコレベルの向上を目指したい」(営業部長 橘 俊廣氏)
 なお、同製品の本体サイズはW650×L530×H1450mm。出力は最大1600Wの正弦波となっており、入力はAC100Vまたは太陽光発電での充電が可能。同社が販売しているハンソルテクニクス社製の太陽電池モジュールを併設すると、非常用電源は勿論、独立電源システムとして防災用途にも活用できる。

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