不動産トピックス

今週の一冊

2012.07.09 10:53

不動産取引における流通税削減手法を解説

新・中間登記が図解でわかる本
著者:福田 龍介
発行:平成22年4月16日
出版:住宅新報社
価格:2310円(税込)

 法の抜け穴を目ざとく突いてくる海千山千の猛者揃いのはずのビジネスの世界において、「新・中間省略登記」は、その多大な恩恵をもたらすにもかかわらず、政府の公認を受けて3年が経過するが、いまだ十分に普及していないというレアケースだ。
 著者である福田龍介氏は、不動産登記法改正後の中間省略登記の可否について問題提起し、その代替手段となる新・中間省略登記が公認されるまでの、規制改革・民間開放推進会議の答申に関与。恐らく日本で最も新・中間省略登記に精通した司法書士である。
 この手続き方法がなかなか浸透しなかった理由は本書にも述べられているが、通常の売買と比べて複雑かつ危険が伴うためだ。ただ、著者が問題視しているのは手続きの問題ではなく、司法書士の姿勢である。危険性が伴う取引を安全かつ円滑に進めることこそが「登記屋」でなく「法律家」である司法書士の役目だと説く。
 そうした想いから出発した本書は図解を多用し、一般人でもわかりやすく解説してくれる。新・中間省略登記の意義や方法、活用スキームだけでなく、司法書士への依頼方法、O&A解説、契約書式などの資料も掲載された盛りだくさんの内容となっている。

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