不動産トピックス

クローズアップ 不動産管理ソフト編

2011.09.26 17:18

 リーシングにはじまり賃料・更新料などの収支管理から物件管理、設備修繕・改修スケジュールの管理まで、不動産経営と切り離すことが出来ない「管理」。ビルの運営そのものといってもいい「管理」は、経営面においても重要なファクターの一つだ。確実な管理と高効率化は、経営改善のみならずテナントへのサービスにも直結する。管理代行からコンサルタントまで様々なソリューションがあるなか、今回はビル管理の充実度アップを可能にする不動産管理ソフトを紹介する。

エレメントシステム 機能と価格両立の”オールインワン”ソフト
 エレメントシステム(千葉県船橋市)の「楽賃083(らくちんおーやさん)」は、仲介業者を主な対象とした賃貸管理ソフト。オーナーや建物・部屋などの情報管理はもちろん空室情報から入金・支払い処理までを標準装備。オールインワンといっていい機能を持ちながら、他社同等品に比べ低価格化を実現した。
 同製品ではオーナーや建物などシステムの基本となる情報は一括管理され、契約や退去後の処理といった入居・退去の管理も容易。契約書をはじめとする各種帳票の作成も可能で、ラベル印刷や文書の作成も行える。拡張性も高く、ファームバンキングや月々変動する光熱費の請求、メンテナンス業者登録や修繕履歴などもオプションで用意されている。
 ほとんどの操作は画面上のボタンをクリックして行え、キー入力による操作を極力抑えた設計。画面もシンプルで見やすく、操作性の向上に寄与している。検索機能も充実しており、入力されている各種情報から様々なデータの抽出が可能。経営判断のスピードアップにも貢献できそうだ。同社システム開発部の風間友和氏は「高い機能と操作性、低価格を両立させました。不動産業務の効率アップに貢献できる製品です」と話す。
 また同社では現在、同製品を発展させた「楽賃073(らくちんオーナーさん)」も開発中。こちらはビルオーナー向けに機能を特化し、煩雑な会計処理などを簡便化。決算書の作成などオーナー業務の省力化が可能になるという。

ダンゴネット 総合管理を可能にする複合システム
 ダンゴネット(東京都国分寺市)が展開する不動産管理システム「名人シリーズ」は、管理会社が主な対象。「賃貸名人」「仲介名人」など複数のシステムから構成され、総合的な不動産管理を可能にしている。
 同シリーズにおいて賃貸管理の基礎となる「賃貸名人」は、データベースを構築してすべての情報を一元管理する。管理できる範囲は契約書作成から入金、月次報告書や修繕、点検記録から契約更新までと幅広く、通常の管理業務なら同ソフトのみで充分対応できる内容となっている。
 「仲介名人」はホームページ作成を柱としたシステム。自社ホームページの開設は空室募集に効果的だが、これまでは作成に専門知識が必要だった。「仲介名人」は入力画面に情報を打ち込むだけでホームページが開設でき、バナーや画像などの追加も容易。物件情報は「賃貸名人」と連動しており、データ更新がホームページにも反映される。また外部の不動産ポータルサイトとの連動も可能で、より広範囲に訴求できる。
 「リフォーム名人」は原状回復工事の発注・受付から支払いまでを管理。見積書や請求書の製作や「賃貸名人」と連動した修繕履歴管理も可能。退去時の精算も簡便化される。
 同社代表の松川竜也氏は「不動産業界の底上げに貢献する製品です。今後も、不動産業者が『儲かる』仕組みを提供していきたいと思います」と話す。

内田洋行ITソリューションズ 長期修繕計画で資金計画を
 内田洋行ITソリューションズ(東京都新宿区)では、今年4月からビルの中長期的な修繕計画を明確にし、綿密な資金計画を作成するための「ビル長期修繕計画システム」を販売展開している。
 マンション管理向けの修繕計画システムを、ビル管理向けに転用したもの。
 ビルを維持管理する為、日々の保守・点検で見つかった修繕項目と、中長期で必要となる設備の更新や工事について、工事見積りや発注実績を基に項目(工事の種別や内容、仕様、単価、周期)を物件別にマスタ登録し、周期的な管理を可能にする。これにより、項目別の必要経費を算出して年次別の長期修繕計画表や、資金計画の推移といった内容の「長期修繕計画レポート」をExcelに出力することができる。 同社のAP事業本部第二統括部・羽鳥誠氏は、製品について次のように説明する。
 「ビルを維持管理するにあたり、中長期的に必要となるコストを予めリストアップした上で資金計画を立てることは、安定したビル経営には必要不可欠です。作成したレポートは、資金繰りの為の基礎データとして、金融機関への説明資料にも使用することができ、計画的に且つ綿密なビルの資金管理を示す報告書として活用が可能です」

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