不動産トピックス

クローズアップ 免震対策編

2011.06.20 15:32

 オフィスビルのフロアにサーバーが設置されている場合、地震などの災害時にデータが壊れてしまうことが予想される。そのため、建物が免震・制震構造などの対策が行われていることが望まれる。今回は、免震が行われていない建物や設備機器を免震にすることができる製品を紹介する。

アイ・エー・ユー 「転がり支承」震度7を4まで
 アイ・エー・ユー(東京都中野区)が開発した、戸建て住宅やビル向けの「IAU型免震システム」。すり鉢状の上下2枚の受け皿の内側でボールが転がる「転がり支承」というタイプを採用している。たとえば震度7の揺れを震度4程度にまで落とすことができるというような、非常に優れた免震性能を備えている。且つ、非常に簡便な装置のため、定期点検などはあるが、補修などは、ほぼ必要ないものである。
 現在、免震で問題になっている、「長周期地震の共振」、「地震後も揺れ続ける問題」、「地震後に元の位置に戻らない問題」、「風で揺れる問題」を、全て解決している。
 非固有周期にすることによって長周期地震の際の共振を防ぐ、また地震後の揺れ続けもない、地震後もほぼ正確に元の位置に戻るなども同システムならではの大きなメリットである。
 また、500年に一度といわれる第2室戸台風を基準とし、風速60m毎秒に7時間耐えられる実験を経た、完全自動で電源不要の「風揺れ固定装置」を必要に応じて使用して、風揺れ問題を解決しているという。
 同社の取締役社長である北村二郎氏は次のように語る。
 「本来免震とは、大きくゆっくり揺らすというより、建物自体が揺れないことが理想。今回の東日本大震災によって、日本各地で大地震が起こる可能性は非常に高まっています。今後起きうる地震の際の、建物の倒壊を防ぐことは勿論、建物及び家財等の損傷を防ぎ、地震時の恐怖感さえもなくすために、わが社の免震システムを広く知っていただきたいです」

センターピア サーバールームの良質な環境を提案
 センターピア(東京都中央区)は総合ITプラットフォーム企業として、サーバーラックおよび周辺機器の設計・製造・販売からオフィス環境におけるサーバーラック設置などの提案を行い、IT環境をより良く構築するための商品やソリューションを提供している。
 同社がラインアップしているサーバーラックの中で「DーSERIES」は、組立式のため狭い搬入口でも対応が可能なほか、業界の中でも厳しい耐震基準のNTT人工地震波(1200gal)に合格した。
 「高い耐震性に加え、組立に通常使用される締結部品の強化を施しているため高い強度を実現しております」(代表取締役社長 上野 芳久氏)
 また、同社では免震装置などを展開しているエーエス(東京都墨田区)と提携しており、サーバーラックに最適な「ASTCR免震装置」を取り扱っている。地震などの緊急時の対応策として、サーバーやデータを守る上で同社の耐震ラックとの組み合わせを推奨している。

スガツネ工業 免震機能を低価格で容易に設置することが可能
 スガツネ工業(東京都千代田区)は、産業機器用機構部品・家具建築金物メーカーとして、テクノフィールド系製品およびアーキテリア系製品を展開している。
 同社では、ボルトや受け皿によって免震機能を実現する「免震台脚スウェイフットMDSF型」を平成21年から販売しており、サーバーの転倒や内部基盤の破損などのリスクを低減している。
 「免震構造で貴重なデータを保全することができるため、サーバーラックなどに最適です」(テクノフィールド事業部 東日本地区 販売部 販売助成課 係長 高内 利明氏)
 同製品は、4本セットで16万円(税抜)。従来のアジャスター(M10・M16・M20対応)と同様に容易に設置することができ、装置の移設や機器増設への対応も可能だという。
 また、同社の福岡ショールームがオープンするにあたり、記念展示会を7月13日から7月16日にかけて開催を予定。「免震台脚スウェイフットMDSF型」のデモ機が展示されるので、九州地区に在住の方は実物を見ることができる機会となっている。

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