不動産トピックス

クローズアップ グリーンレンタル編

2011.06.13 16:35

 ビル内に設置される植物は、ワーカーへの癒しの効果に留まらず、来館者への印象も左右し、店舗であればリピーター獲得にもつなげる安納精を秘めた重要なアイテムだ。今回はビル内を彩るグリーンレンタルを特集する。

北本グリーンセンター 新しい魅せ方開発・試行中 植物長持ち「底面給水鉢」
 日本インドア・グリーン協会に加盟する埼玉県北本市の「北本グリーンセンター」は、主に関東一円で営業を展開している。グリーンレンタルを主軸事業としており、外回り担当のスタッフ全員が、国家資格「室内園芸装飾技能士」を取得していることが大きなアピールポイントである。
 代表取締役の長島茂夫氏は「グリーンレンタルで取り扱う観葉植物の種類は、以前とそれほど大きくは変わってはいません」と話す。そのため創業40年の実績をふまえ自社の独自性を確立すべく、さまざまな緑の取り入れ方の研究に余念がないそうだ。
 現在積極的に提案している商品が「底面給水鉢」。底に水を張った大きめの鉢に、植物を植えた内鉢をはめ込む方法で、内鉢から垂らした紐状の布が外鉢の水を吸い上げる。給水の労力が省けるうえに植物の品質保持という効果もあるという。
 「最近では、レンタルに出した植物がいい状態を保てるようなメンテナンスを希望しているお客様が増えています。そういった方々から底面給水鉢の提案はとてもよい反応をいただいております」
 長島氏は、今後も顧客ニーズに対応するような「新しい緑の魅せ方」を提案し続けていきたいという。現在レンタルグリーンとして新たに商品化できるよう開発・試行中のアイテムに対し、大きな期待を込めていた。

ヴェルジュ 都心直結オフィスへ特化 充実のHPで顧客獲得
 東京都江東区常盤1丁目の「ヴェルジェ」は、都営大江戸線「森下」駅より徒歩10分ほどのマンション1階に床暖房を備えた温室を構えている。ホームページで「オフィス専門の観葉植物」と銘打つとおり、オフィスに特化したグリーンレンタル業を展開している。
 「平成7年の創業後ほどなく自社のホームページを立ち上げました。当時ではまだ珍しかったと思います。その後パソコンの普及とともに反響が増え、現在ではおよそ半数がホームページを通じて契約いただいたお客様です」と、代表取締役の小林俊三氏は語る。
 顧客獲得にはネットを大いに活用するが、小林氏の業務上のモットーは「迅速な対応と顧客とのコミュニケーション」である。
 立地の好条件は都心にあるオフィスから連絡があった際の速やかな対応を可能にしている。また、オフィス相手の実績が豊富なため、商品の提案や植物の設置方法、メンテナンス作業の手際などさまざまな面でオフィスのTPOへの配慮ができるスタッフが充実していることも大きなセールスポイントだ。
 小林氏は「従業員ひとりひとりが顧客の要望に的確に応え、なじみになることを目指しています。オフィス向けのテナントビルを持つ方にとって、私たちがお役に立てることはたくさんあると思います」と話していた。

緑花技研 植物の生育を独自に調査・分析 維持管理の迅速な対応に努める
 緑花技研(東京都品川区)では、温度・湿度等に応じた植物の生育状況を独自に調査・分析し、それぞれの設置環境に適した植物配置の提案を行っている。また、同社では室内での植栽の計画・設計、屋上緑化のプロデュースなど、建物内外での植物栽培に関するトータルサービスを展開している。
 「建築物で行う植物の維持管理は、通常の地上で行われる植物栽培と比べると、根本的に求められる技術の性質が異なってきます。そして、植物の育成から室内への配置、管理を全体で見通すことのできるノウハウが必要とされます。投射では独自の研究により得られたノウハウを武器に、植物の設置環境に応じた総合的なコーディネートを行い、建物の内外に潤いのある空間の実現に寄与します」(藤田氏)
 グリーンレンタルは、手軽に室内空間に緑を設けることができるというメリットがあり、グリーンレンタルを手がける業者には、維持管理に関するノウハウと迅速な対応力が求められる。同社では植物の維持管理に関わるマニュアルの作成や植物設置後の検証・報告などで、継続的な管理品質の維持と迅速な対応を実現している。

国土緑花 室内緑花をトータルサポート セミナー等も積極的に開催
 国土緑化(東京都江戸川区)が提供するグリーンレンタルサービス「グリーンポケット」は、観葉植物のレンタルから設置場所の空間デザイン、定期的なメンテナンスまでをトータルで行い、プロのグリーンアドバイザーが従来の植木レンタルとは違ったサービスを通じて、ビルや店舗の演出をサポートする。
 同社によれば、このサービスは「植物」、「挨拶」、「コミュニケーション」、「清潔」、「スピード」の5項目の品質向上に注力しており、植物を設置したものの美観を損ねてしまうなどのトラブル発生を未然に防いでいるという。また、作業開始時や作業終了時などに、クライアントとの十分なコミュニケーションをとることで、双方の意思疎通を円滑にするだけではなく、同社に対する支持層の拡大にも効果を発揮しているという。
 同社では、この事業を通して各種セミナーの開催やアンケート調査の実施、オリジナルグッズの提供など、従来のグリーンレンタルサービスの枠を超えたサービス展開を実践している。

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