不動産トピックス

クローズアップ 排水管更生編

2011.05.23 17:31

 ビル設備の中でもライフラインにあたる排水管であるが、目に見えない設備であるだけに竣工依頼、更生および更新工事を実施していないビルも多数存在する。しかし、放置しておくと漏水事故につながる可能性もあることから、ビルオーナーにとっては早急な対応が必要なビル設備であることは間違いないと言える。

P・C・Gテクニカ 耐用年数40年と高い耐久性を誇る耐震工法
 P・C・Gテクニカ(名古屋市天白区)は、ビル・マンションの共有部分の排水管更生工法である「耐震ライニング工法」を展開している。
 東日本大震災発生以来、建物の耐震が問題となっており、外装・内装はもちろん、給配水管の耐久性も課題となっている。特に給配水管は一般的な設備と比べて、目に見えない設備であるだけに、劣化の進行具合を把握することが難しく、地震などをきっかけに漏水事故などが発生する可能性も考えられ、定期的な赤水対策を含めて、補強工事などが必要な箇所と言える。
 同社の「耐震ライニング工法」の特徴は耐久性。通常の使用であれば、最長40年の耐久性を実現することが可能である。また、同工法に対する20年保証も行っており、このことからも高い耐久性に対する同社の自信が窺える。
 それではなぜ、このような高い耐久性を実現することが可能となるのか。
 「当社の工法はいわば、パイプの中にパイプを作ることで耐久性の向上を可能としました。ライニング層に関しては、ハンマーで叩いても壊れない強度を誇り、地震などによる漏水事故を防ぐこともできます」(代表取締役社長 藤井 金蔵氏)
 同工法は、すでに穴が開いてしまった排水管の更生も可能なことから、老朽化が進んでいる築年数が古い建物の排水管にも適した工法であるとのことだ。
 「オフィスビルはマンションなどと比べて、給配水管を使用する回数が少ないことから、劣化が進行するスピードは遅いことから、これまで居住用物件の方が実績が多かったのですが、震災以降、首都圏を中心にビルからの問い合わせも増加しています」(藤井氏)

東京ライニング スペシャリストチームで品質管理を実施
 東京ライニング(東京都千代田区)は、「ReーFLOW工法」による排水管更生を提案している。
 同工法は、排水管を取り替えることなく管の内側にエキポシ樹脂インナーパイプを作り上げる、排水管延命・長命化技術である。既設配管をそのまま利用する方法であるため、低コスト・短工期である点が特徴であり、工期は最短で1日。また、品質管理という点においても、「調査・診断」「施工」「検査」をそれぞれ認定技術者を中心とする独立したスペシャリストチームが担当する「3チーム分立による品質管理体制」を敷いている。これにより、公正な立場で各工程を厳しくチェックすることを可能としている。特に検査体制は、「施工前」「施工中」「施工後」の3段階に渡って検査を実施するなど、他の工法と比較しても検査強化が図られている。工事終了後には保証書を発行。排水管定期洗浄を含む維持管理契約を結び、取り外しの容易なモニター配管を設置し、経過観察などの定期診断も行う。

マルナカ 短工期で排水管リニューアルを実現
 マルナカ(神奈川県茅ヶ崎市)は、排水管リニューアル工法である「マルライナー工法」を展開している。
 同工法の特徴は、材質を問わずに既設管を利用するので、通常の排水管更新工事と比較して、大がかりな工事が不必要となり、工期の短縮を可能にしている点である。また、短工期であることから、工事費用の削減にもつながり、オーナーにとっては利用メリットを多数有する工法であると言えるだろう。この工法は、芯材にエキポシ樹脂を含浸させた厚い塗膜を排水管40A~150Aの内壁に均等に貼り付け、既設管の内側に新たなパイプを形成する方法となっている。パイプインパイプ(古いパイプの中に新しいパイプをつくる)であるため、穴が開いたパイプを塞ぐことが可能である点も同工法の特徴である。
 「当社では入居者、テナントに迷惑をかけずに工事を行うために、建物所有者のスケジュールに合わせた工期をご提案をしており、最短で3日間での施工が可能です」(工事部課長 染谷 征美氏)

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