不動産トピックス

クローズアップ 節水器編

2011.05.02 11:09

 水道料金全体の金額は分かっていても、トイレにどのくらいの料金を支払っているかは知らないというオーナーは多いと思う。だが水道料金をビル全体で仮に半減できるとなれば、年間を通してかなりのコスト削減になることは間違いない。各社から販売されているトイレ用節水器について今回取り上げる。

木村技研 無駄をなくした水量計測行う節水型洗浄装置
 木村技研(東京都世田谷区)が販売している「アクアエース・PV」はトイレ用の節水型洗浄装置として多くの商業施設や駅ビルなどで採用されている。
 「アクアエース・PV」の最大の特長は、流す水の量を計測し設定できる点にある。メーター内蔵方式による流量コントロールの効果で、無駄な水量を抑えることが可能となった。このシステムは、同社が特許を取得したもので、「目に見える節水効果」として注目を浴びている。そして、対人センサーにより滞在時間ごとに大・小用を自動判断し、流量を流し分けることで節水に絶大な効果を発揮する。 
 また、従来の製品では、建物全体の水道料金の増減は把握できたもののそれがトイレなのか別の場所なのかが分からない、といった欠点があった。これに対して「アクアエース・PV」は、1人当たりの洗浄回数や水量、積算量などをデータ化しているため契約者に対してトイレで使用した水量がどのくらい節約されたかの証明を数値で提示してくれる。このデータ化のメリットは、メンテナンスにおいても利点となる。365日24時間の対応はもちろん、データ化された使用環境や年数などから故障が起きる前に予防保全的に部品の交換や修繕を行う仕組みとなっている。 
 同社の秋光伸二郎氏は「従来の製品では便器を交換して仮に8リットルの節水タイプにしても、バルブ自体は通常のものでした。当社では、バルブが水量を計測できるという画期的な装置を開発したことで、最小限の水量を流すことが可能です」と語る。 
 「アクアエース・PV」は購入ではなく、レンタルとして利用が可能となっている。これについて秋光本部長は「故障や不具合が発生したときに責任を持って対応するためです。そして、部品ひとつにしても使える物は再度使う、使えない物は廃棄していくことで、地球環境に貢献できると考えています」と話す。

ミディ総合管理 取り付けが簡単な節水器
 ミディ総合管理(大阪市阿倍野区)は、ノータッチマイコン自動洗浄、「センサレットF」を販売している。
 センサーがトイレの入室時間により(大)(小)を自動判別し、無駄のない適正水量で洗浄する。
 取り付け位置は、大便器のフラッシュバルブ部分となっており、現在使用している器具にそのまま取り付ける仕様となっている。
 このため、配管工事や断水といった大規模な工事などの必要はなく比較的簡易な節水器となっている。
 「センサレットF」は一人あたりの使用水量で比較すると、一般に大・小2回の使用で24リットルを消費するところ13・2リットルの使用となったため10・8リットルの節水効果が実証されている。
 また、電池による電源を用いる仕様となっており、一日当たり100人の使用でおよそ2年間の継続使用が可能となっている。取り付けに際しては、節水計画を進め提案節水量が目標値に達していることを確認した上で代金を支払うこととなっている。

エコ・デベロップメント マイコン制御で設定
 エコ・デベロップメント(東京都中央区)が販売している「アクアロボFS型」は、マイコンによって水量制限をするタイプで節水率は50%程度となっている。
 この製品も一般的なものと同じく滞在時間によって大・小を自動判定し、洗浄水量を選択してくれる。
 アクアロボFS型の最も大きな特長はコンパクトで場所を選ばないところにある。16cm×12cm×4cmと非常に薄く、小さく製造されている。
 コンパクトなボディーによりトイレの空間や美観を損ねることなく、節水機能が発揮される。
 また、取り付け場所が自由になっていることも人気の理由だ。
 距離変動高性能センサー一体型となっており、赤外線センサーが50㎝~120cmまでの範囲で人を認識する。検知距離や角度の調整も可能となっているため、子どもからお年寄りまで利用範囲が広いのも特長だ。節水率はおよそ50%となっていることからも分かるように地球環境にも優しい。

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