不動産トピックス

クローズアップ 不動産金融サービス編

2011.01.17 12:19

 不動産の証券化やREITが不動産市場においても浸透し、不動産と金融の垣根は無くなりつつある。こうした状況から不動産に関わる金融サービスも増えており、今回のクローズアップでは不動産所有者にメリットのある金融サービスを紹介する。

RHフィナンシャル 仲介会社とネットワーク構築しリーシング力強化
 ビル経営において重要なのは一にも二にもリーシングであり、テナントが入居しないことには設備更新等の投資費用を捻出することも難しい。RHフィナンシャル(東京都港区)は、空室を抱え困っているビルオーナーに対して、「入居促進サービス(保証金半額くん)」を提案している。
 そのテナント入居促進サービスの内容とは、通常テナントが預ける保証金を減額する代わりに、減額した保証金を同社が保証するというもの。保証の際は、財務状況などについて厳格な審査を行うので、オーナーにとっては倒産や賃料の不払いのリスクを軽減することが可能となる。また、テナントにとっても保証金を減額することで、移転に関する初期投資費用を軽減するというメリットが生まれる。
 同社では入居促進サービスをより有効に活用し、リーシング力を強化するために、複数の優良な客付け仲介会社と提携を進めており、保証金が減額することをテナント企業にアピールしていくとのことだ。
 「客付けの仲介会社とネットワークを構築することで、より多くのテナントに対して保証金の減額をアピールすることができ、他のビルと比較してリーシングを有利にすることができます」(代表取締役社長 豊岡 順也氏)

ロプロ 不動産担保ローンの保証業務提携
 ロプロ(京都市下京区)および同社の親会社であるJトラスト(京都市下京区)は、東京スター銀行(東京都港区)との間で、不動産担保ローンに関する保証業務提携契約を締結している。従来取り扱っていた消費者向け不動産担保ローンの保証業務提携に加えて、平成22年12月20日より新たに事業者向け不動産担保ローンの保証業務提携も開始している。
 同社は東京スター銀行との信用保証業務の拡充に向けたマーケティング戦略の一つとして、今回、事業性資金を必要とする事業者向けに、所有不動産の有効活用を可能とする不動産担保ローン「不動産ビジネスローン」の保証業務提携を開始しており、今回の保証業務提携の拡充は、東京スター銀行の顧客基盤を生かすとともに、同社が事業者金融業界のパイオニアとして、長年にわたり培ってきた事業者金融部門のノウハウを活用することにより、金融機関等から融資を受ける事業者の信用力補完の一助となるものである。
 利用対象事業者は、法人および個人事業主。融資金額は100万円以上2億円以下(10万円単位)。借り入れ金利は、6・0%~12・0%の固定金利(保証料含む)。融資期間は1年以上5年以内(1年単位、原則更新可)。
 
リヴァックス 内装修繕費用の保証サービス
 リヴァックス(東京都渋谷区)は、マンション投資により発生する、入退室時の現状回復費用、内装修繕費用の保証サービス「Revax Warranty System(リヴァックスワランティーシステム)」を平成22年10月から開始している。
 同システムは、突発的な費用発生に無理なく備える、オーナーにとってメリットのある業界初のサービスである。毎月の管理委託料に「内装保証・設備保証」の手数料を支払うことで、現状回復費用、住宅設備のメンテナンスや交換費用等が無料(一部有料)で行うことができる。
 オーナー側としてのメリットは、1・高額になりがちな入退室時に発生する修繕費用を、リヴァックスが負担するため、急な出費を抑えることができる。2・経年劣化による設備交換が複数回発生する場合でも、リヴァックスが費用を負担するため、オーナーの費用負担が軽減する。以上の2点が挙げられる。
 不動産投資は運用期間が20年から30年以上の長期運用型の商品であることから、入退室時の現状回復費用や、住宅設備のメンテナンスや交換費用など、突発的な費用が発生する。特に現状回復費用が数十万円以上となるケースも想定され、突発的な負担額は、マンションオーナーにとって投資する際の不安材料になっている。こうした事情を背景に、同社はこの不安材料を取り除き、中古不動産投資のメリットをより高めるために今回の新保証サービスを展開するに至ったとのこと。

エスクローファイナンス 建築事業資金融資サービス展開
 住宅ビルダー・工務店を対象に事業資金融資業務を行っているエスクローファイナンス(東京都千代田区)は、平成22年10月から地場工務店を支援するためのネットワーク「casa pro project」を展開するカーサ・プロジェクト(東京都港区)との間で業務提携役を締結し、カーサ・プロジェクトが本部となる「casa pro project」に加盟する工務店への建築事業資金融資サービスの提供を開始している。
 エスクローファイナンスが展開してる出来高融資サービスは、住宅ビルダーに対して、施主との請負契約が完了した物件の住宅着工から完成引き渡しまでの「出来高に応じて」工事資金を融資するという業界初の融資制度である。
 この出来高融資サービスを活用することで、ビルダーは施主からの前金や銀行与信に頼ることなくプロジェクトごとの資金繰りが可能になるため、受注機会を逃さず、主体的な事業展開が可能となる。
 今回の業務提携の目的は、同社の住宅ビルダー向け出来高融資サービスを、カーサ・プロジェクトを通じて加盟店へ提供することにより、加盟店は計画的な資金繰りと施主に竣工時一括払いをアピールすることで契約率の向上を図る。また、カーサ・プロジェクトは新規の加盟店促進と加盟店の財務基盤強化を目的としている。

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