不動産トピックス

今週の一冊

2011.01.03 11:00

競合ビルなどを自分で見て歩く姿勢が大事

中小オフィスビル経営のノウハウ集
著者:奥村 尚樹
  出版:総合法令出版
発行者:野村 直克
価格:1400円(税別)

 本書は多くの空室に悩むオフィスビルを再生させた満室請負人である著者が、貸ビル業40年の中で得たノウハウで解説する一冊である。内容は第5章に渡って構成されている。1番基本の軸となる第2章では、孫子の兵法でいうところの「敵を知り、己を知らば危うからず」として、自身が所有するビルと、競合するビルのメリット、デメリットを知る方法を紹介する。
 「所有しているビルのことなど熟知している」と思うビルオーナーも少なくはないだろうが、著者は本書の一部で「一生懸命に経営に取り組み、競合ビルなどを自分で見て歩く姿勢が大事」と書いているように、さまざまな状況のビルを数多く見ることで自社ビルの弱点を理解できるとしている。そしてその上で第3章以降の、テナントニーズを知るノウハウ、リフォームや募集方法の変更の仕方、サブリースの活用の仕方など、オフィスビルにおける空室対策の実践的方法が役立つことになると、著者は述べている。中小オフィスビル経営の極意を丁寧に解説した内容となっている。

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