不動産トピックス

クローズアップ 空気清浄機編

2010.07.19 18:30

 空気清浄機といえば室内が乾燥し、ウイルスが大量に発生する冬季の利用が中心と思われがちであるが、カビの繁殖など夏季においても空気清浄機の利用機会は多い。今回のクローズアップでは空気清浄機を取り上げ、各社の新製品と新技術を紹介する。

セールス・オンデマンド 高い除去率とスピード清浄を両立
 セールス・オンデマンド(東京都千代田区)は、今年の3月からスウェーデンの企業であるブルーエア社製の空気清浄機「ブルーエア」シリーズの販売を開始している。
 昨年大きな話題となった新型インフルエンザの流行をきっかけとして、オフィスビルや商業施設などのウイルス対策の必要性が高まっている。加えて花粉やアレルギー物質への対策も大きな課題となっており、そうした対策の一環としてオフィスフロアに空気清浄機を導入する企業も増えている。
 同製品の開発を行っているブルーエア社は平成8年に設立された空気清浄機専門のメーカーであり、「ブルーエア」は空気清浄機における高級ブランドとして全世界で販売されている。その特徴は「高い除去率」と「ハイスピード清浄」の2点。まず、「高い除去率」という点においては第三者機関による実証実験により、0.1ミクロン以上の粒子を97%以上除去することが可能との結果が出ている。さらに「ハイスピード清浄」という点においては「ブルーエア650E」を使用した場合、39畳を12分で清浄することが可能である。また、デザイン性にも優れており、本国スウェーデンにおいて「エクセレント・スウェーデン・デザイン賞」を受賞している。
 「空気清浄機においてあまり注目されていなかった除去スピードが、他社製品と比較して優れている点がセールスポイントです。また、フィルターも6カ月に1回交換するだけでよく、メンテナンスの手間も大幅に削減することが可能です」(企画推進部 主任 二木 晋氏)

サンエス工業 独自開発のフィルター採用
 サンエス工業(群馬県高崎市)は、高機能空気清浄機「nanoclea(ナノクリア)」の開発・販売を行っており、インフルエンザやウイルス対策などが必要な病院施設を中心に同製品の導入を進めている。
 同製品の特徴は、化学消臭フィルターと抗菌膜を利用した「ナノテククリーンフィルター」を使用している点である。同社代表取締役の清水威氏は「フィルターの開発が最も苦労しました」と語る。同フィルターは高性能フィルター、化学消臭フィルター、抗菌膜を重ねたものであり、各府フィルターを重ねることで花粉・ハウスダストの除去はもちろん、アンモニアや生ゴミなどの硫化水素系の悪臭も消臭することが可能。さらに抗菌膜は、うがい薬や外科手術などに用いられるポビドンヨードが化学結合されており、接触したウイルス、最近の細胞膜を破壊する。結果、これらのウイルスの感染力を1万分の1に減らすことが可能となる。
 「昨年。新型インフルエンザが流行したことでパンデミック対策の必要性が叫ばれるようになりました。インフルエンザは死に至ることもある病気なので甘く見てはいけません。同製品はこうした時代の要請のもとに開発された製品であり、インフルエンザ対策に対して真剣に取り組んでもらいたいという思いが込められています。導入先は病院、介護福祉施設が中心で、導入している各施設でご好評いただいています」(清水氏)

ダイキン工業 ストリーマ放電技術により水中の菌も分解・除去
 ダイキン工業(大阪市北区)は14日、「ストリーマ放電技術による新たな効果実証に関する技術発表会」を行い、同社が独自開発したストリーマ放電技術が新たにレジオネラ菌など水中に存在する菌への除菌効果を実証することを発表した。ストリーマ放電技術は同社が平成12年に世界で初めて実用化に成功した独自技術であり、これまで困難とされていた「高速電子」を安定的に発生させることに成功した空気清浄技術であう。同技術を採用することでストリーマ放電によって生成される活性種を水中に送り込むだけで水中の菌を除菌することができ、水まわりのぬめりやにおいの原因となる菌の繁殖を抑えることが可能となっている。
 今回の発表では同技術が空気だけでなく水も除菌できることを実証したものであり、水への効果が実証されたことで同社は今後、ストリーマ放電技術を空気清浄技術のみならず台所や洗面所、トイレや浴室などに活用できる可能性を模索し、さらなる研究開発を進めていくとしている。
 実証実験は臨床微生物学の研究者である東京慈恵会医科大学の臨床医学研究所、副所長である保科定頼氏との共同研究であり、ストリーマ放電が「水中のレジオネラ属菌」を24時間で99.99%以上、分解・除去することを実証している。

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