不動産トピックス

クローズアップ 脱臭装置編

2010.02.22 11:02

 ビルに飲食店を誘致する場合、気になるのが調理場からでるにおいの問題である。焼き肉や焼き魚など、煙が出るタイプの業種では特にその傾向が強く、近隣のビルや住居とのトラブルにつながるケースも少なくない。そこで来ないは強力な臭気を吸収し、浄化する脱臭装置を紹介する。

トーショー機材 水の力でダクト排気を脱臭
 トーショー機材(東京都江東区)は排気浄化システム「ぶくぶくジェット」を開発・販売している。ぶくぶくジェットの構造は以下の通り。調理によって発生した排気をダクトの廃棄ファンの力によってぶくぶくジェットの中を通過させる。
 ぶくぶくジェットの中には小さな多くの穴があいた複層式のパンチングパネルがあり、そこを排気が通過する構造となっているが、そのパンチングパネル上に水の膜が形成される。この水の膜を調理排気が通過する際、ぶくぶくと泡ができるバブリング減少が発生する。
 この現象により発生したバブリング水膜が、調理排気中に含まれる油脂や蒸気微粒子や臭気、熱と接触することにより、これらを効率よく細くして除去するのである。
 特殊な洗剤・消臭剤を使用していないためコストパフォーマンスに優れる上、メンテナンス性も良好だ。水切フィルターや水槽内についた油汚れには自動洗浄機能が働きジェットノズルで洗浄することにより、目詰まりを少なくし、排気性能を長く保つ。自動洗浄はメドレー方式で5台まで順次作動し、洗浄回数は1日9相間での範囲で自由に設定できる。
 「ぶくぶくジェットでも取り切れない強い残留臭気が発生する場所では、活性炭による脱臭装置『エアくりん』なども用意しています。ビル内の飲食店舗につきものの終期に関するトラブル解決に貢献するのではないでしょうか」(矢野氏)

北炭化成工業 活性炭をリサイクルしコストを低減
 北炭化成工業(埼玉県戸田市)は活性炭を利用した脱臭装置の開発・販売を行っている。
 活性炭は臭気の原因となる物質を小さな炭の穴に吸着させることで脱臭を行うが、使い続けることで吸着量が一栄を超えると脱臭効果を失い、効果が得られなくなる。通常この状態になった活性炭は廃棄して新たな活性炭に交換することになるが、同社はこの活性炭をリサイクルすることで、買い替えよりも低価格で脱臭能力を回復させることを可能にしている。
 これにより、買い替えに比べ約2割コストを削減可能となっている。
 また、廃棄物を出さずにリサイクルすることで地球にも優しいというメリットがある。
 活性炭はさまざまなメーカーの脱臭装置に使用されているが、同社では活性炭を詰めるカートリッジを円筒型にすることで脱臭効率を高めている。
 構造としては、円筒型カートリッジの外周にドーナツ状に活性炭を詰め、その内側に脱臭する空気を通すということで、空気と活性炭が触れる表面積を増やしている。
 円筒型カートリッジの利点として、高効率であることに加え、設置・交換が簡単であることが挙げられる。従来の活性炭型脱臭装置の多くが、活性炭の交換を行うには製造したメーカーに依頼する必要があったのに対し、同社の機器はカートリッジを装置の中に積み重ねるだけなので、自ら装置・交換ができる。
 そうした余分なコストがかからない点も同社の強みである。

荏原実業 高濃度臭気を高い割合で除去
 荏原実業(東京都中央区)は簡易湿式脱臭装置「ウエットミニ」を販売している。
 この装置で採用されている湿式生物脱臭で効率よく脱臭するには、脱臭する微生物と臭気がより接触し、微生物の環境を最善の状態に維持することが重要となる。
 そのため、ウエットミニでは特殊な充填物(維持状活性炭)を担体として用い、微生物を高密度で固定させ、臭気と接触させ脱臭する。
 ウエットミニは、高濃度の硫化水素の除去を対象としていることから、低いpH域で活動する微生物を育成させ、硫化水素を分解すると同時に、アンモニアなどのアルカリ性臭気成分も除去することができる。
 硫化水素の除去を対象としているため、本体は1塔式のコンパクトサイズで済む。
 その上で高濃度臭気への除去率として、硫化水素で95%以上、アンモニアで100%(硫化水素共存の場合)となっており、同社の脱臭装置「ボエフミニ」と組み合わせると一層除去率が上がり維持管理の容易な脱臭システムが可能となっている。

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