不動産トピックス

クローズアップ セキュリティ編

2009.12.07 17:13

多くの人が出入りするオフィスビルにおける監視システムでは、夜間に外部の人間が入り込むことを防止するだけでなく、営業時も不審者の侵入を許さないことが求められる。加えて昨今は、来客が新種の病原体を運び込んでしまうパンデミック対策などもセキュリティシステムの重要な役割となっている。

NEC Avio赤外線テクノロジー デジカメ感覚で扱える赤外線カメラ
 赤外線センサーなどの開発を行っているNEC Avio赤外線テクノロジー(東京都品川区)では、公共機関などでのパンデミック対策向けに赤外線カメラの小型化を進めている。「ThermoShot F30」はその最小モデルで、ほぼ市販のデジタルカメラと同様の大きさ、重さ、操作感での体表温度計測を可能とした。
 不特定多数の集まる場所において新型インフルエンザなどの感染対策が必要となるケースは増えている。同製品では、初心者が扱う場合も想定しており、市販のデジカメと同様の直感的な操作で異常温度を簡単に識別する機能を備え、また、通常の画像も同時に記録することで即時の確認が可能。電源も単三電池を使用しており緊急時の利用に最適だ。

アツミ電氣 携帯電話を利用した遠隔監視システム
 セキュリティシステムの製造販売を行っているアツミ電氣(静岡県浜松市)では、携帯電話を利用した監視システム「Milny」を開発、住宅から事務所や店舗など様々な場所での導入を進めている。
 監視カメラやスピーカー、照明やセンサーなど、既存の監視システムにFOMAデータ通信カードを組み込んだ同製品を接続することで、セキュリティシステム全体を携帯電話で遠隔制御することが可能だ。
 これによって、監視カメラを携帯電話で操作して動画で状況を確認するとともに、音声で注意をうながすことも可能。照明や錠の開閉なども携帯電話から行うことができ、対象となる施設を遠隔地からでも自分の目で監視できるため、安心、確実なセキュリティシステムを作ることができる。
 同社では、様々なセキュリティシステムを構築してきたノウハウから最適なシステム構築の提案を行う体制を整えるとともに、同製品ではセッティングを簡易なものとすることで自分の手で周辺機器との接続などカスタマイズすることも可能となっている。

シャープマニュファクチャリングシステム 知性を持ったカメラでシステム簡略化
 工業用生産システムの開発を行なうシャープマニュファクチャリングシステム(大阪府八尾市)では、膨大な録画が必要となる工場での監視システム需要に対して、従来品よりも録画容量が少ない監視カメラ「IV-D100S」を開発、一般向けにも販売している。
 不特定多数が利用する施設において安全確保のため監視カメラの設置台数を増やす場合、モニターの設置や画像転送、処理に多大な人手や機器が必要であったが、同製品では、監視カメラ自体に画像検知エンジンを搭載しており、撮影範囲内の動いているものだけをサーバへ伝送することでデータの軽量化とサーバの負荷を低減している。
 また、システムの構築にあたってはPoE接続によりスイッチングハブから電源を供給でき、カメラから表示灯やスピーカーなどの外部機器を接続することが可能なので、配線や電源をスリム化できる。また、データの軽量化によりカメラの増設も容易で1台のサーバから40台以上のカメラを接続することも可能で、サーバに蓄積されるのは必要な画像のみなので対象画像の検索も容易である。
 現在、工場内設備の保守管理のみならず安全管理を求められる食品メーカーなどで導入が進んでおり、店舗や病院など屋内外を問わず様々な場所での需要が期待されているという。

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