不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2009.08.31 15:38

竹中工務店 業界初の樹木対応型壁面緑化システム 既存壁面に設置で環境負荷低減が可能
 竹中工務店(大阪市中央区)は従来、コケ類やツル植物などが中心だった壁面緑化において樹木も植栽できるシステムを開発したと発表した。
 今回開発したシステムでは、樹木の根を個別の植栽パネルだけではなく、複数の植栽パネル全域に伸長させることによって健全に育成し長年にわたり緑化景観を維持する事を可能にした。
 発表された植栽パネルは、繊維補強セメント製の植栽ポットのある表面パネル、断熱ボード、中間層の腐食布基盤、リサイクルボードの四層構造となっており、乾式工法で壁面に取り付ける。表面パネルに繊維補強セメントを採用したことで安全性・耐久性が高め破損や強風によって外れる事がない。
 取り付け先はあらゆる建物の外壁や隣地との境界壁、土木構造物の擁壁、工事現場の仮囲いなどに導入が可能。
 樹木は約1年で植栽部分のパネルが見えなくなるほど成長し、建物のデザインや要望に応じて樹木を選定することにより多彩なバリエーションが行える。今回発表された植物例としては針葉樹(クロマツ、アスナロなど)、常緑広葉樹(サザンカ、ベニカナメなど)、落葉広葉樹(ハナミズキ、イロハモミジなど)、灌木類(アジサイ、ユキヤナギなど)。
 維持管理については、最上部に設置したドリップホースにより自動灌水で制御盤を用いて年間設定する。施肥については液体肥料を灌水タンク内で希釈し適宜教習する。また、樹木を中心とした緑化であるため、従来の草本類に比べて剪定や除草が少なくてすむ。
 同社では平成18年から技術研究所内で実証実験を行っており、順次、仮囲いや昨年の洞爺湖サミット「国際メディアセンター」の壁面で採用。植物の健全育成と植栽パネルの安全性・耐久性を確認した。
 パネルサイズは幅600mm×高さ900mm×厚さ70mm、一枚あたり約45kgとなっており、価格は植物の種類や施工条件によるが1m2あたり約15万円(設計価格)で設計・施工を行うとしている。

パナソニック電工ネットワークス オールギガ対応の小型スイッチングハブ 新規格に先駆けて対応 従来比2倍の電力供給
 パナソニック電工ネットワークス(東京都港区)はデータ通信ケーブルを通して従来比約2倍の電力供給が行える「PoE Plus給電機能付スイッチングハブM5eGPWR+」を10月1日より発売する。大電力を必要とする機器も接続が可能となるとともに、従来規格のネットワークカメラ、無線アクセスポイント、IP電話等も接続が可能である。
 従来のPoE規格(IEEE802・3af)では1ポートあたりの電力供給は最大15・4Wまでだったが、新たなPoE規格(IEEE802・3at、Draft4・1)では約2倍の30Wの電力供給が行える。同社では業界に先駆け新規格に対応した本製品を開発、新規格に対応した高性能・高機能な製品を接続可能とした。
 同製品は標準で10/100/1000BASE-Tインターフェースを5ポート、光ファイバーも接続可能なSFPスロットを2ポート搭載。本製品とギガ対応の製品を組み合わせれば容易に高速・大容量通信のギガビットネットワークを構築可能。光対応モジュールを追加すれば最長40kmまでの長距離伝送を行うことができ、広域監視ネットワークカメラシステムの構築にも好適だ。
 消費電力は「省電力モード」を搭載することで定常時最大135W、最小7Wに抑えている。本体サイズは幅210mm×高さ44mm×奥行260mm。希望小売価格は115290円(税込)とし、平成22年度の販売目標を約2400台としている。

太陽工業 建材一体型のシースルー太陽電池ガラス 需要増受けて部材の商品供給を開始
 太陽工業(大阪市淀川区)はシースルー太陽電池ガラス「エコスカイ」を販売開始した。
 これは太陽光発電ニーズの高まりを受けて、同社が販売している太陽光発電機能を持つガラス建材「太陽スカイライトソーラー」の主要部材の商品供給を始めたもの。
 同商品は薄膜太陽電池を2枚のガラスで挟み込んだ構造で、1mm間隔でレーザー加工を施すことで、透明性を保ちながら発電機能も併せ持つ。主にガラス張りの屋根や壁面などに使用され、すでに学校や病院、商業施設など、国内で約70施設に導入されている。
 太陽光を電気に変える変換効率は4~5%と通常の薄膜太陽電池の半分程度だが、1m2あたり最大出力約50Wを確保する上、採光により照明コストを節約し、日射を遮ることで空調負荷の低減も可能である。
商品規格はサイズが980mm×950mm、光透過率が約10%・最大出力42Wの「KN-42」と光透過率が約5%・最大出力50W「KN-50」の二種類。1m2あたりの標準小売価格を131250円(税込)とし、今後、海外での製品販売にも注力、平成23年度の目標売上を10億円としている。

佐藤工業 コンクリートの健全性を1人でも容易に診断
 佐藤工業(東京都中央区)はコンクリート表層部の健全性を容易かつスピーディーに診断する「健コン診断ポータブル」を開発した。
 従来のシステムと比較して、本商品は携帯性が高く、一人でも容易に測定が可能。また、診断プログラムの改良で診断結果の表示スピードも向上した。
 同社はこれまで、ハンマーの打撃音をデジタル録音し、音の振幅、周波数や減衰などを分析して剥離や空洞など、コンクリート内部の欠陥を調べるコンクリート健全性評価システム「コンクリートヒッター」を開発、既に多くのコンクリート調査に採用されてきた。本商品はこれをベースに、機器構成のコンパクト化とシステムの簡略化を図ったもの。
 これにより、叩き点検者のような熟練した技術者がいなくても、高精度かつスピーディーにコンクリート表層部の健全性を診断できることから、コンクリート構造物の品質確認の効率化を行うことができる。
 今後、同社では各種施設管理者に対して維持・管理業務への有効なシステムとして採用を働きかけるとともに、調査診断から補修工事までの一貫した営業を展開するとともに、大学等との打音法の利用に関する共同研究をさらに進め、新たな適用分野の開拓も図るとしている。

岡村製作所 パーティション内蔵型の音響調整システム
 岡村製作所(横浜市西区)は室内音響調整システム「サウンド・コンディショニング・システム」を8月14日より発売開始した。
 同社の既存パーティション内部に取り付ける事でコントローラーからスピーカーを通して継続的に特殊サウンドを発生させ、隣室からの会話内容を聞き取りにくくする。これにより、個人情報や企業情報の流出を避けるとともに、雑音が気にならなくなるため業務効率も高めることができる。
 同商品はパーティション内部にスピーカーを設置し、独自工法によりパーティション全体から特殊サウンドを発生。
 部屋内からは何も取り付いていな状態のため、室内の意匠性を保ったまま音環境を改善することができる。また、同社のパーティションを使用していない居室については別途、天井用のスピーカーを発表しており、パーティションと同一の効果を得られる。
 従来、サウンドマスキングには多大なコストを要したが、同商品はパーティション単独で完結するシステムであるため費用を最小限に抑える事が可能。
 参考価格としては、効果範囲40m2でアンプコントローラー1台・スピーカー4台の場合、材料工事費70万円(税込)で初年度販売目標を1億円としている。

高砂熱学工業 配管不要でビルマルへの施工簡素化
 高砂熱学工業(東京都千代田区)は空冷ビル用マルチ空調システム(ビルマル)の冷媒を水によって更に冷やし、冷房運転効率を高める「冷媒サブクールシステム」を販売してきたが、冷媒を過冷却する熱交換器と冷却塔を一体化した「エバチルドユニット」を開発、これを用いた「エバチルドシステム」を9月より販売開始する。
 従来ビルマルは、個別制御や操作が容易、機械室が不要で設計施工が容易であることから規模を問わず利用されてきたが冷房負荷のピーク時には運転効率が落ち、都心部のヒートアイランド現象の一因ともされてきた。
 こうしたビルマルの欠点を補うため「冷媒サブクールシステム」では一部を水冷化することで改善、今回発表された同商品では水冷式の熱交換器と冷却塔を一体化し、さらに施工を簡便とした。
 施工にあたってはエレベーターなどで既設屋上などへ運び、ビルマルの容量に関わらず1セットにつき1台を接続。配管の繋ぎ込みと室外機から同商品までの電源工事だけで導入が可能で、その他の冷却水配管工事等は不要である。
 同商品の外形寸法は幅500mm×奥行650mm×高さ1150mm、約95kg。今後、同社では小規模のリニューアル工事向けに営業を推進するとともに工場、小売店などに販路を拡大し年間100セット以上の販売を目指すとしている。

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