不動産トピックス

今週の一冊

2009.07.27 16:21

情熱伝わる福岡の改修事例

エンジョイ、レトロビル! 未来のビンテージビルを創る
著者:スペースRデザイン
出版社:書肆侃侃房
発行:平成21年7月7日
価格:1300円(税別)

 福岡のリノベーション事例について、企画段階から使われている様子までを紹介し、従前のスクラップ&ビルドからストック型への転換を提案する本書。
 著者のスペースRデザインは昭和40年からビル経営・管理業を行う吉原住宅から独立したビル再生・リノベーションをプロデュースする企業である。
 吉原住宅が初めてリノベーションを手掛けたのは、まだリノベーションという言葉も一般的でなかった平成15年。経営状態の悪化から思い切って築40年の集合住宅を改装。以来、次々と大学なども巻き込み成功事例を積み上げていく。
 本書で紹介されるのは単に空室対策としてのリノベーションに留まらない。それを通じた、ビル経営における発想の転換、イノベーションが収められている。
 ビルの老朽化を悩みの種にするオーナーは少なくないが、古さを強みにビンテージビルとして蘇らせ、街の財産とすることも十分に可能なのだ、という希望と情熱に溢れる一冊である。

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