不動産トピックス

クローズアップ 給排水管編

2009.05.25 17:11

 給排水管は年数が経過すると腐食しさまざまな問題が発生する。給水管であればサビによる赤水の発生や内部の汚れによる水質の低下はテナントのクレームに直結するし、給排水ともに破損でひとたび漏水が発生すればビルに甚大なダメージを与えることになる。これらの問題を解決する、頑丈で低コストな製品を紹介する。

積水化学工業 ポリエチレン製の管で赤水の発生を防止する
 積水化学工業(大阪市北区)は耐久性に優れたポリエチレン給水管「エスロハイパーAW」を販売している。
 エスロハイパーAWは素材に水道用のポリエチレンを採用することで、金属配管に発生するサビや汚れと、それらを原因とする赤水の発生を防いでいる。これは、サビが発生しない素材の特性に加え、内部が滑らかであるため汚れが付着しにくく、給水管にとって重要であるきれいな水の供給を実現するものである。
 ポリエチレン製であるため、管同士の接合は融着によって行われ、ネジのゆるみなどによる漏水が発生する恐れがほとんどないのもメリットとなっている。
 また、構造上地震などのエネルギーによるねじれ、たわみにも強く、地震でも管が破断されないなど耐震性にも優れている。
 さらに、管が金属製のものに比べ非常に軽く、接合の手間も少ないことから新設や交換の手間も少なく、工期短縮とコストの削減につながるといった点も大きなメリットであると言える。
 同社では排水管用のポリ塩化ビニル管も用意しており、給排水の金属レス化を支援している。
 「この製品は、都市再生機構との共同研究で開発しました。古くなった住宅の赤水を解消したい都市再生機構と当社のノウハウが結集することで、建物利用者にも環境にも優しい給水管の開発が実現したのだと自負しております」(八幡氏)

日本管材センター 排水で発生する騒音を抑制 工期を短縮しコスト削減
 日本管材センター(東京都中央区)は「騒音」「施工期間」「コスト」の3つを抑えた排水管「スリーレス」シリーズの販売を行っている。
 排水管は、その中を水が流れる時に騒音が発生してしまうという問題があり、静音性が求められる環境において、防音対策が必要になっていた。
 この防音対策の内容としては、管の外周に遮音材を巻き付けたり、管自体を厚手の物にするなどの手法があったが、いずれもコストが余計にかかる上に、スペースが広がり、施工性も落ちるなど、デメリットも少なからず存在した。
 スリーレスシリーズは、管の材料にPVCと鉱物質集合体の2つの素材を採用し、2層構造とすることで防音性と耐久性を高め、さらに軽量・低コスト化も実現している。
 ステンレスを採用することで管内のサビも抑えられ、経年劣化の発生が抑えられているのも大きな特徴のひとつだ。
 スリーレスシリーズには、2層タイプに加えて防火性を付与した3層不燃タイプもラインアップされており、ユーザーの要望に応じて選択できる。
 「スリーレスシリーズは軽いので建物への負荷が少なく、施工期間も短いというメリットがあります。老朽化した管を交換して導入する場合、どうしても水の利用制限が発生してしまいますが、工期を短縮することで利用者の負担を最小化できるのです」(青木氏)

マックピーアンドエス サビにくいステンレス採用 設置現場に合わせて生産施工短縮しコストダウン
 マックピーアンドエス(横浜市港北区)は低コストで環境にも優しい給水管「MACユニット」を開発・販売している。
 MACユニットはサビが発生しないステンレス管が採用されており、軽量で材料・工事費が安価に抑えられるというメリットがある。さらに、生産は受注生産方式となっており、採用する現場に合わせて発注すると、この仕様に合わせた管を向上で生産している。これにより、現場での作業負担を軽減し、工期を短縮化するとともに、施工コストの削減を実現している。また、工場で加工の大半を行うために現場で廃材が発生することもなく、地球環境にも優しいといった点もMACユニットの長所である。
 もちろん、管はステンレスであるため従来の鋼管で発生していた赤水などのリスクも非常に少なく、短い期間内での管のメンテナンスや最高官といった労力が抑えられている。また、継手には端部を差し込むだけで接続が完了するEGジョイントと呼ばれる技術を採用し、施工の省力化を図っている。
 「受注生産によるコスト削減は、導入する建物・設備が大規模であればあるほどコストメリットは大きくなります。ビル等の大型施設であれば、従来の管に比べかなりのコストメリットが見込めるでしょう」(徳田氏)

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