不動産トピックス

クローズアップ 駐輪対策編

2009.12.28 15:26

 職住近接や省エネ化などにより、自動車やバイクによる通勤もよく見かける程度に一般化したものの、店舗ビルを除くと、駐車場は備えていても駐輪対策まで行っているオフィスビルはまだ少ない。路上に放置されている自転車をそのままにしていてよいのだろうか、今回はオフィスビル向けの駐輪対策を紹介する。

リード 世界初の移動式縦型サイクルピット
 リード(愛知県岡崎市)では、世界で初めての商品として、移動式の自転車ラック「PEG」を開発、今年から花火を開始して好評を得ている。
「PEG」では本体中央のシリンダーにより、ごく軽い力で自転車を持ち上げることができ、そのまま建物の内部へ運び込むことができる。自転車がほぼ縦に立った状態になるため、エレベータへも簡単に運び込み、室内や共用部で自転車を保管することができる。
 「PEGの開発には、自動車部品のメーカーで部品を制作していたノウハウが生かされており、耐久性や生産性といったことも考慮されています」(代表取締役 石原 吉己氏)
 操作の簡便さだけではなく「PEG」本体は折りたたんで小さく収納、建物のエントランスでも邪魔にならないよう工夫されている。また、こうした際の施錠については専用キーを開発することで解決するとともに、本来の利用者以外が使用できないよう自転車側には小さな部品を取り付ける。
 「こうした省スペース化の観点からもPEGは注目されており、歩道などに設置するタイプのものは自転車の駐輪スペースを幅0・6メートル程度に収めることができるため、すでに公共機関などからも問い合わせが来ています」(石原氏)
 自転車の駐輪スペースの可能性を広げるとともに、簡単な操作、動力を使用しないなど、今後、省エネ化と共に需要増加が見込まれる自転車に必要不可欠な駐輪スペースの課題に対して、スマートな解決策なのではないだろうか。

アークスペース 立体駐車場をサイクルパーキングに
 店舗など主に商業用として用いられているビルには、来客用またテナント用に駐車場が設けられているが、駅近くなどで利便性に富む物件の場合、駐車場が利用されていないケースが見られる。逆に、そのような物件でバイクなど二輪車での利用は多く、用意された既存の置場から溢れたバイクなどが路肩に放置されているケースも目にする。
 そうした現状を踏まえ、アークスペース(東京都渋谷区)では、駐車場の一部をサイクルパーキングとして使用できる立体駐車場専用サイクルパーキング「P-Cyc-e」を提案している。同システムでは、1台の駐車スペース当たり、5台の普通自転車などを駐車することができ、駐輪スペースの解決を図ると同時に、空いている立体駐車場を駐輪場として収益化することができる。
 立体駐車場を駐輪場として安全に活用するにあたって、同システムでは様々な工夫を行っている。立体駐車場を駐輪場として安全に活用するにあたって、同システムでは様々な工夫を行っている。立体駐車場の中の駐車板は、種類により様々な動き方をするが、どのような動作でも中に駐車している自転車が転倒しないよう揺れを最小限に抑えると同時に、駐車板上での転倒を防止した。
 同システムの利用料は月額価格6900円から(運搬費・搬入費・設置費を含む)としている。なお、保証は1年間で、通常使用の中で不具合が発生した場合にも保証期間内であれば無償で修理を行うとともに、駐車場本体の故障や不具合も保証している。

パイナップル・アソシエイツ 基礎工事の要らない自転車スタンド
 東京都港区のパイナップル・アソシエイツでは、これまでの駐輪システムでは必要不可欠であったメンテナンスや基礎工事をいっさい無くした自転車専用駐輪スタンド「チャリラック」を製造・販売している。
 これまでの駐輪場のラックでは、利用者がその不安定さや扱いにくさに苦労し、出し入れに時間がかかったり、かえって隣の自転車を倒してしまったりといったことがあった。「チャリラック」ではこうした事故から自転車を守りカゴやサドル等の破損を防ぐだけではなく、横風で倒れて人を傷つける等の思わぬ事故を防ぐ。
 設置や管理が簡便であることも「チャリラック」の特徴だ。タイプとサイズは全てオーダーメイドであるが、設置にあたって事前の整地や設置工事、メンテナンスや修理が不要、その他の駐輪システムのように故障する恐れがない。
 また、同社ではオプションで本体連結ボルトやネームプレート、チェーン用フックなども販売しており、同製品を拡張する際や、防犯上の対策も行うことが可能だ。

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