不動産トピックス

クローズアップ 電力デマンド編

2008.09.15 10:21

 電力のデマンドコントロールとは、目標とする電力の使用量に対し、それを超過しそうな場合は機器類の制御をするというものだ。特に空調機器に接続される事が多く、工場や商業施設など、広い空間で比較的利用者の多い場所などに導入されている。オフィスでも同様に、1つの空間に複数の空調機器や室外機がある場合などでは、導入によって電気使用量の削減が可能になる。
ラハイナコーポレーション 保険付きの安心コントロールシステム 無料相談も実施中 導入前の確認可能
 ラハイナコーポレーション(名古屋市東区)では、「withエコ・コントロールシステム」を提供している。
電力のデマンドコントロールとは、ピークシフトと呼ばれる概念を元に行われるもので、使用電力を時間的に分散させるものだ。
 「電気料金の基本料金は30分毎、その間の最大使用電力により決定されます。通常そのピークの90%を超えて電力を使用する事は少なく、実際には一日に1〜2時間程度といわれます。このピークを比較的余裕のある他の時間帯に回すことで、最大電力を抑え、基本料金を下げるのです」(常務取締役・西尾利雄氏)
同社のシステムは、空調の室外機を制御するもの。オフィスビルや商業施設などの空調に使う電力は、一般的に使用電力全体から見ると20%程度。さらにそのうち、20%程度の空調電力量をカットできれば、導入コストに対してメリットが出るとの事だ。
 「室外機は、この空調電力の約90%を使用します。従って、室外機の制御を効果的に行えれば、効果は出ます」(西尾氏)
 同社のシステムでは、削減効果をパソコンや携帯電話にレポート配信できる。また、東京海上日動火災保険と提携し、同社が提案した基本料金を超えた分は保険にて補償されるという。
無料診断を現地調査にて行うので、効果が見込める場合のみ導入すればよく、まずは相談して欲しいとの事だ。

エネゲート 必要機能に絞り導入コストの低下を実現 見やすいアイコン表示 家庭でも電力削減容易
 エネゲート(大阪市北区)のデマンドコントロール装置「でまぴこ」はパルス変換器内蔵で、警報と簡易制御に機能を限定。低コストでの導入が可能となっている。
 また、コントロール機器本体は幅22㎝、高さ18・5㎝、奥行き4・5㎝となっているので、場所を選ばず設置できる。壁掛け型にも対応する。目標とする使用電力の範囲を超過しそうになった場合は、警報と制御信号を出力。その場合の負荷制御は手動及び自動、どちらでも行える。
 同社では他に、簡易型の電力監視装置である「エコワット」及び「エコワットエース」も販売している。これは一般家庭でも使用できるもので、家電製品などと接続し、積算電気料金、積算電力量、一時間当たりの電気料金の目安値が表示される仕組みだ。より省エネ対策に特化した製品としては、「省エネナビ」という機器も用意されている。無線と有線の2タイプがあり、用途に応じて選択できる。
 この機器は電力使用量や料金だけではなく、CO2の排出量や熱量もリアルタイムで計測。結果をアイコンで誰にでも分かりやすく表示する。
 カレンダー表示機能もあり、省エネ目標を達成した日とそうでない日、また達成したなら、どの程度であったのかを色分けして表示できる。計測した電気使用量は過去12カ月分まで保存されており、専用のソフトでパソコンに取り込める。

山武 低コストで既存の空調設備にも接続可能 各種データはエクセルなどで管理できる
 山武(東京都千代田区)では、電力デマンド機能付き節電コントローラ「ENEBREAK(エネブレイク」を発売している。同社によると、同製品は空調設備の発停(運転の開始と停止の事)を細かく行うことで、空調にかかる電力消費を大幅に削減できるという。
 建物内の各所に温度センサーを設置。設定した室温を維持しつつ、最小の電力使用で済むよう、空調をコントロールする。また、ピーク時にはデマンド抑制を行う事もできる。
 既存の空調設備に後から接続できるため、多大な導入コストはかからない。特に広い空間での温度管理に適するという。
 実際にこれまでの導入事例を見てみると、商業施設で、売り場の面積が約4000㎡の物件では年間で85万円の節減をしたケースもある。
 また、操作も簡単に行えるようになっている。ゾーン一覧監視画面により必要な場所だけをコントロールしたり、各空調の停止タイミングを一定間隔でずらし、特定の機器だけが発停しているという状況にならないようにするという事もできる。
 年間カレンダー機能もあり、1日、1カ月単位だけではなく、年間を通しての稼働状況をコントロールし、把握する事も可能だ。例えば平日と休日で利用者数が大きく変わる施設などでは、効果を発揮するだろう。
 また、温度計測や発停データを蓄積し、一定周期でコンパクトフラッシュに伝送する。このデータはエクセルなどの汎用ソフトで加工・管理できるので、電力削減レポートを作成する際にも有効。

PAGE TOPへ