不動産トピックス

クローズアップ 火災対応編

2008.08.18 12:36

 今回は火災に関する製品を取り上げる。消火器は現在設備や用途に応じて様々なタイプが出ているが、ニチボウが取り扱うのは、特殊チューブを利用した消火システム。また、宮田工業は人の体に優しい消火器を6月から販売。ビル代行クリーンでは、携帯容易な防煙避難グッズを販売中だ。

ビル代行クリーン 火災からの避難時に煙の吸い込みを防ぐ 耐熱温度130度の透明な袋が命を救う
 ビル代行クリーン(大阪市住吉区)が開発・製造・販売している「ニゲニゲ・フード」は、火災発生時にできるだけ煙を吸い込むことなく、安全に避難するための簡易避難袋。
 火災から避難する際、気をつけなければならないのは、煙の吸い込みだ。可能な限り姿勢を低くし、ハンカチなどで口や鼻を覆って有害な煙から逃れなければならない。同社の製品はビニール袋のような形状をしており、それを頭からかぶる事で、煙を避け、袋内に呼吸可能な空気を確保する。また、透明なので周囲を確認しながら進む事ができる。
 素材は経年劣化や熱に強いものが使われており、耐熱温度は130度との事だ。
 サイズは50㎝×90㎝で、携帯時は8・5㎝×13・5㎝まで圧縮できる。本体にも使用方法が書かれており、外国人にも配慮して英語表記もされている。
 使い方は非常に簡単だ。まず袋の口を持ち、上下に振って中に空気を入れる。次に頭がすっぽり入るように袋をかぶり、煙が入らないように首の所を手で押さえる。そのまま袋内の空気で呼吸しながら、迅速に避難する。
 同社の発表によると実際に大阪府では、消防訓練で同製品を使用した消防署も多いようだ。また、修学旅行時に生徒に携帯させる学校もあるようで、ポケットやハンドバッグの隙間にも入るという、荷物にならない点が評価されている様子。防災訓練に参加したテナントなどに、配布するのもサービスの一環となるだろう。

ニチボウ1本のチューブが3役を担う 消火困難な狭い場所に最適 日頃のメンテナンスも容易
 ニチボウ(東京都品川区)が販売する「ファイアイレイス(FIREERASE)」は、パイプ、センサー、ノズルの3役を1本のチューブで行う消火システムだ。
 同システムの構成は、消火剤が充填されたタンクから、特殊樹脂でできたチューブを必要な箇所に這わせるというもの。このチューブは細く簡単に曲げる事ができるので、例えばビルの機械室や分電盤、変圧機器など、狭い場所でも設置できる。設備などが異常な高熱を発生させたり、発火したりするとチューブはその熱で溶け、穴が開く。その穴から消火剤がピンポイントで噴出するという仕組みだ。同社の保全エンジニアリング部、池松耕一氏は次のように語る。
 「消火剤を運び、熱を感知し、噴射する。この3つの働きを、チューブが同時に担うのです。欧米などでは既に多くの場所で導入されており、その効果が実証されています」
 このシステムのメリットとして、主に次の点が挙げられる。まず、設置が簡単である事。人の手で消火するのが難しい、狭い場所にも常時設置できる。次に、電気配線などが一切不要である事。停電による機能停止も影響しない。メンテナンスが最小限で済む事も大きい。一定期間ごとに圧力計のチェックをすればよいだけだ。またオプションも充実しており、例えば圧力センサーを取り付けて、作動時にアラームを鳴らす事もできる。

宮田工業 酢が原料の消火器を今年6月から販売中 皮膚に付いても安心の人に優しい新型消火器
 宮田工業(神奈川県茅ヶ崎市)では、今年6月から酢を主要原料とした人体に優しい消火器「セーフミスト」を販売している。同社によると、開発の背景として以下の説明がなされている。
 消火器の薬剤は従来、消火効果を重視した開発が続いてきた。しかし近年では、精密電子機器などへのダメージが問題視され、消火と同時に消火後の機器の安全性も要求されるようになった。その結果開発されたのが純水を使用した消火器であり、これは現在ではかなり広範囲に行き渡っている。しかし今後は、機器のみならず人体への影響も考慮されなければならない。つまり高い消火効果を維持しつつ、安全な原料の研究が進められ、完成したのが今回の「セーフミスト」である。
 酢が原料なので、放射時によくある衣服や皮膚に付着するケースでも、特に人体に問題はない。同製品は特に薬剤の飛散も少なく設定されているので、水で洗い流す際も容易だという。
 普通火災、油火災、電気火災に適応している他、天ぷら火災にも高い効果があるという。この事から、同社では業務用のみならず、一般家庭での使用も推奨しているようだ。この住宅用の場合は「ニューリトルファイアーペット」という名称でセーフミストと同時発売されている。
 同社では全国の代理店を通じ、初年度で2万本の販売を予定しているという。

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