不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2008.08.11 15:52

日本ビルファンド投資法人 「大手町建物青山ビル」の取得価格は310億円 交通利便性高い青山・表参道地区
 8月1日、日本ビルファンド投資法人(東京都千代田区)は、東京都港区に位置するオフィスビル、「大手町建物青山ビル」を取得した。
 取得価格は310億円。取得先は不動産・信託受益件の取得・保有及び管理・売却を行うエンデバー・プライベート・ファンド(東京都港区)である。
 敷地面積は3272・74㎡、延床面積は1万8720・59㎡。S造及びSRC造で地上11階地下2階建てとなっており、平成7年1月31日に竣工した。
 同投資法人では同物件の立地及び建物施設等を評価しての取得となった。
 立地においては、第一に同物件が位置する表参道・青山地区がアパレル・ファッション関連等のブランド店舗が多く入居する地区であることがメリットとされる。
 また、第二にオフィスニーズにおいても、エンターテインメント、アパレル・ファッションブランドやIT関係企業などの、対外的イメージ戦略を押し出す傾向の強い企業のニーズが高く、今後のオフィス集積が予測されている地区であることなどが上げられる。
 さらに、同物件は目抜き通りである「青山通り」に面していることによって高い視認性を有している。東京都メトロ「外苑前」駅徒歩3分、同「表参道」駅徒歩6分という高い交通利便性を有する点も特徴だ。
 一方、物件施設の特色としては、御影石を使用した意匠性の高い外壁と、吹き抜けのピロティによって開放的な空間が演出されるエントランスなど、高いデザイン性による高級感を備えている
 貸室フロアは1階〜5階で約427坪、6階以上では約158坪と近隣エリアにおいても特徴的な広いフロア構成や、2・7mを有する天井高、1㎡あたり500まで耐え得る床荷重など、高いスペックによる競争力を備えている。
 今回の取得にあたっては、当初信託受益権が設定されていたが、8月1日をもって信託契約が解除されている。同投資法人は、今般の取得において、東京都心部におけるポートフォリオの充実を固めるとしている。

ジャパンリアルエステイト投資法人 「堂島」地区の地上21階建て高機能オフィス取得決定 信託受益権取得を決定取得価格は240億円
 ジャパンリアルエステイト投資法人(東京都千代田区)は、「新藤田ビル」における信託受益権の取得を決定した。
 売主は堂島インベストメント(東京都千代田区)、取得額は240億円。今年9月1日の取得を予定している。敷地面積は6159・61㎡、延床面積は4万5411・31㎡。S造・SRC造の地上21階地下2階建て。平成7年4月竣工のオフィス・商業用複合ビルである。
 同物件は大阪市の中でも最も業務集積度が高いとされる梅田地区に隣接した堂島地区に立地する。堂島地区はオフィス街として発展を遂げた中心的地区であり、中でも、同物件はターミナル駅のJR「大阪」駅・阪神電鉄「梅田」駅徒歩9分、JR「北新地」駅及び地下鉄四つ橋線「西梅田」駅、平成20年10月に開業予定の京阪中之島線「渡辺橋」駅徒歩5分と、複数路線の利用が可能なため、高い交通利便性を有している。
 このことに加え、近隣エリアの中でも個別空調や2・6mの天井高、24時間入退館可能であるなどの高スペックを誇ることや、38社にテナント分散が図られている点(取得予定日現在)を考慮しての取得となった。

巴川製紙所 中央区京橋の本社ビル売却を決定 譲渡価格は86億3000万円
 巴川製紙所(東京都中央区)は、「巴川製紙ビル」の譲渡を決定した。譲渡先は東京急行電鉄(東京都渋谷区)である。
 7月28日に契約を締結済みで、12月26日に引渡し予定。譲渡価格は86億3000万円となっている同。物件は巴川製紙所本社として利用されており、社長室をはじめ、精密塗工事業部や電子材料事業部及び事業推進本部など事業部が入居している。
 今後、平成21年7月をめどとして移転を予定しており、それまでは賃借により本社として利用するとのこと。
 今回の譲渡の理由として、有利子負債の削減による財務体質の改善を目的とした保有資産の整理と有効活用としている。同物件は竣工から45年が経過しているため躯体及び設備の老朽化が進んでおり、売却となった。

古河機械金属 「堂島グランドビル」の持分譲渡 譲渡先は清和綜合建物(東京都港区)
 古河機械金属(東京都千代田区)は、共同ビルである「堂島グランドビル」を譲渡した。譲渡先は共同でビル建築にあたった清和綜合建物(東京都港区)。7月22日の取締役会にて決議し、同日に契約。8月1日に引渡しとなっている。
 「堂島グランドビル」の用途は貸事務所及び店舗。敷地面積が3178・90㎡、延床面積は2万5661・31㎡。古河機械金属の持分はこのうち約40%である。今般の売買契約における譲渡価格は53億円。同資産の譲渡により発生する売却益約25億円は、平成21年3月期の業績予想における、東京日本橋室町再開発に伴う、所有ビルの「古河ビル」建替えによるテナント移転保証費用等により吸収される予定だ。

ユナイテッド・アーバン投資法人 平成21年2月竣工予定のレジデンス 取得価格は17億9000万円
 7月30日、ユナイテッド・アーバン投資法人(東京都港区)は、共同住宅の「UURコート十三本町」(大阪市淀川区)の信託受益権取得を決定した。同受益権は平成21年2月26日に移転される予定。取得先はマンション分譲事業及び建替え分譲事業等を行う日本エスリード(大阪市北区)である。
 取得価格は17億9000万円。敷地面積1266・32㎡、延床面積4479・98㎡。平成21年2月の竣工を予定している。
 S造の11階建てで総戸数は140戸。阪急電鉄神戸線・宝塚線・京都線十三駅徒歩4分に立地しており、大阪中心部方面と三宮・京都方面の双方へ直通という交通利便性を有している。
 この近隣にはアーケード付商店街が所在しており、商業店舗や金融機関及び警察署・区役所も至近。同投資法人では、これらを背景として、学生及び単身者層からの安定的な賃貸需要を見込んでいるとのこと。取得に際し、売主である日本エスリードと学生マンション総合プロデュース企業であるジェイ・エス・ビー(京都市下京区)との間で、賃料保証型の建物賃貸借契約及び管理業務委託契約を締結することが条件とされた。

ナイガイ 譲渡価格は計11億円 オフィスビル及び敷地
 繊維製品の企画製造・販売及び輸出入を行っているナイガイ(東京都台東区)は、東京都千代田区内神田に位置するオフィスビルを日本アセットアドバンス(東京都千代田区)に譲渡した。譲渡価格は9億2000万円である。
 一方、浜松市南区の敷地は1億8000万円で譲渡。譲渡先は浅野管財(浜松市中区)とはないちもんめ(浜松市東区)及び浜松市在住の個人となっている。
 今回の譲渡によって約6億円の売却益が発生するが、こちらは平成20年7月中間期の損益計算書及び連結損益計算書に特別利益として計上する。
ナイガイは、今回の譲渡の理由として効率的運用並びに財務体質の強化を上げ、事業再編に向けての譲渡であるとしている。

ニューシティ・レジデンス投資法人 譲渡価格は約8億5972万円に決定 静岡市葵区のレジデンシャルを譲渡
 7月29日、ニューシティ・レジデンス投資法人(東京都港区)は、静岡市葵区に位置する「ニューシティレジデンス静岡鷹匠」を譲渡した。
 譲渡価格は8億5972万5000円で、譲渡先は非公開であるが、同投資法人の発表によると、同投資法人及び資産運用会社であるシービーアールイー・レジデンシャル・マネジメント(東京都港区)との利害関係はないという。
 同物件は平成18年3月30日に取得されており、当時の取得価格は7億7000万円であった。同物件の敷地面積は510・55㎡、延床面積は1938・36㎡。平成18年2月22日に竣工のRC造12階建て共同住宅だ。
 賃貸可能戸数は45戸である。同物件の稼働率は89・1%。月当たりの総賃料収入は500万7084円となっている(平成20年6月30日現在)。PM会社およびサブリース会社はニューシティプロパティサービス。譲渡媒介者はウィーズ・インターナショナル。手数料は600万円となっている。
 今回の取得に際して、同投資法人は不動産売買市場の動向や開発予測、収益性の見通し等を考慮した結果の譲渡であるとしており、今後も継続して中長期的なポートフォリオの充実・運用を図るとのこと。

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