不動産トピックス

今週の一冊

2007.05.14 17:27

地図の進化を眺め当時の人間がその目に捉えた空間を知る

地図出版の四百年 京都・日本・世界
編者:京都大学大学院文学研究科地理学室・京都大学総合博物館
出版社:ナカニシヤ出版
発行:平成19年4月20日
価格:2800円(税別)

 現代では正確な経緯をもって作成された地図が身近に普及されており日常の一部となっているが、古来地図は重要な意味を持っていた。空間を把握する一つの手段であり、また地理の把握はその土地を支配するためにも重要な手段でもある。
 古くは正倉院宝物として伝えられている八世紀の地図にはじまり、その後も国絵図や城下絵図、村絵図など夥しい数の地図が作製されてきた。本書では、京都、日本、そして世界で、先人たちの創意と工夫により進化していった、四世紀に渡る地図が写真と文字とで詳細に説明されている。地図を通し、当時の人間が、自分が在る空間をどのように捉えていたのか、歴史とあわせて概観できる。また冒頭のカラーページでは、日本画さながらの当時の地図を楽しめるようになっている一冊。

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