不動産トピックス

クローズアップ 風力発電編

2007.05.07 17:23

 風力発電機は、広い敷地に設置する大型機と、省スペースでも設置できる小型機に分類でき、それぞれで独自の開発が進んでいる。小型発電機はビルの屋上などにも設置可能で、新しいエネルギー源としても期待がかかる。今回は、4社の小型風力発電機について取り上げた。

神鋼電機 直径1mの最小型機低価格での販売戦略 自然風により起動し効率よく発電
 神鋼電機(東京都港区)は4月から、新型の小型風力発電装置「そよ風くん紋次郎」の販売を開始した。同月だけで10数台販売し、初年度500台を販売目標としている。
 「そよ風くん」シリーズは4年前に販売が開始され、これまでに600基の販売実績がある。同シリーズは羽の角度を地面と垂直にすることにより、どの方角から風が吹いても効率よく羽が回る設計になっている。風速1mから羽が回り、2mを超えると発電する仕組みだ。羽は自然風によって、起動可能である。
 最新機「紋次郎」は直径1mと、同シリーズの中では、最小の大きさである。これまでは直径1・6mのものが一番売れていたが、さらに小さいもの、そして廉価なものに対するニーズがあり製品開発に至った。価格も82万7000円で、シリーズ中一番低価格に設定している。

インター・ドメイン ビル屋上には直径51cmの小型が人気 風速10mで72w発電 環境問題にもアピール
 インター・ドメイン(横浜市金沢区)は、イギリスなどから小型風力発電装置を輸入、販売から設計、施工まで行っている。中野区役所や三重県環境学習センターなどのビルのほか、共同住宅、清掃工場などにも導入実績がある。
 プロペラ型は直径51㎝から2・5mまで取り揃えているが、ビル関連で一番人気が高いのは、その中でも小型であるイギリス製のウィンドチャージャーの直径91㎝のものだという。同タイプでは、風速10mで約72wの電力を発電することができる。
 「風力発電を導入する動機の一つは、蓄電し非常用に使うことができることです。この大きさの風力発電機で作ることができる電力は、電気代にして月100円程度ですから、経済的なメリットより、環境問題への取り組みをアピールするという面が大きいのではないかと思います」(杉本信策氏)

ゼファー 太陽光パネルと同じレベルの発電を実現 高速で羽が回転尾翼で風向き追尾
 ゼファー(東京都渋谷区)が昨年8月から新型の小型風力発電機「エアドルフィン」を販売している。
 「同機を設置するのに必要なスペースは1・5㎡です。風速4・5mから5mの場所に設置すれば、10㎡の太陽光発電パネルの発電量と同じレベルのエネルギーを発電することができます。小型風力発電機ですが、従来の電源を補う、新エネルギーとしての力を十分に持っています」(代表取締役伊藤瞭介氏)
 発電力が高いのは、羽が風力50mまでブレーキをかけられることなく安全に回り続ける、尾翼に姿勢制御機能を持たせ、風向きの変化に対し、羽が最適な方向になるような仕組みとなっているなど、風のエネルギーを最大限に取り込める設計となっているためであるという。価格は本体51万9750円。システム全体では約120万円となっている。

ループウイング 8月に新機種投入、月間2千円発電 外部からの電力供給なしで羽を起動・制御
 ループウイング(東京都千代田区)が製造・販売する風力発電機「ループウイング」は、外部からの電力なしで、羽の起動や、スピードの制御ができる。
 「これまでの小型風力発電機では、羽が起動する時に外部からの電力を使って起動するケースが多く、また小型の羽の場合、回転速度が速くなりすぎるといった課題があり、外部の電力などでブレーキをかけ制御していました。ループウイングは自然の風の力だけで起動することができます。また風を受ける正面の羽とその力を制する裏側の羽を持つことなどで一定以上のスピードで回転することを抑制します」(代表取締役吉田穰氏)
 8月には直径4・8mの新機種を実験的に投入する。電気料金にすると月約2000円程度発電できる。価格は598万円(設置料別)を予定している。

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