不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.03.05 17:09

ケネディクス不動産投資法人 芝大門、御徒町などテナント需要見込む運用バランス拡充のため5物件取得
 ケネディクス不動産投資法人(東京都港区)は、「KDX芝大門ビル」「KDX御徒町ビル」「KDX本厚木ビル」「KDX八王子ビル」「KDX新潟ビル」を取得した。
「KDX芝大門ビル」は、東京経済圏におけるオフィスビルの投資比率を高める目的で、エイチケイディーエックスから取得したもの。取得価格は60億9000万円で、同法人のポートフォリオの3・7%を占める。港区芝大門2丁目に立地する、土地面積1182・40㎡、建物面積7824・03㎡、地上9階地下1階の中規模オフィスビルだ。オフィスビルや店舗、住宅が建ち並ぶ地域に立地し、都心部においては手頃な賃料である。
 また、JRおよび東京モノレール「浜松町」駅徒歩5分、都営地下鉄三田線「芝公園」駅徒歩4分、都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅徒歩5分、加えて第一京浜からも至近と、交通利便性が高く、様々な地域からのテナント需要が期待できる。
 天井高260㎜(一部OA床)を確保しているが、空調など設備面に老朽化が見られることから、同法人は、取得後に施策を講じ物件価値を図るとしている。現在は、9フロア中8フロアに、IT企業、通信企業、不動産企業などが入居している。
 「KDX御徒町ビル」は偕楽ビルより20億円で取得した、昭和63年竣工、地上10階建てのオフィスビルで、今年1月末に取得を決定していた。
 「KDX本厚木ビル」「KDX八王子ビル」「KDX新潟ビル」は、いずれも住友生命保険からの取得で、取得価格はそれぞれ13億500万円、11億5500万円、13億500億円である。
 「KDX本厚木ビル」は、土地面積724・62㎡、建物面積3603・63㎡、平成7年竣工、地上8階建ての複合ビル。「KDX八王子ビル」は、土地面積460・62㎡、建物面積2821・21㎡、昭和60年竣工、地上9階建ての複合ビル。「KDX新潟ビル」は、土地面積1110・56㎡、建物面積6810・29㎡、昭和58年竣工、地上13階地下2階建ての複合ビル。いずれもテナント需要の高さを評価して取得した。

日本レジデンシャル投資法人札幌市のレジデンスを取得市内一の業務商業エリア地下鉄4駅から徒歩圏内
 日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、「パシフィックレジデンス北三条」「パシフィックレジデンス円山北五条」および「パシフィックレジデンス大通西」を取得した。「パシフィックレジデンス北三条」「パシフィックレジデンス円山北五条」は昨年10月に取得決定した。売主の東急不動産からの取得価額はそれぞれ12億6100万円と12億8400万円だ。
 「パシフィックレジデンス大通西」(札幌市中央区)は、都市デザインシステムからの取得で、取得価額は17億9000万円。地下鉄「西11丁目」駅より450mに位置する平成18年竣工の地上15階地下1階建て複合ビルで、敷地面積852・51㎡、延床面積6916・70㎡である。オフィス10戸と店舗一戸、主に単身者向けの住居103戸から成る。
 商業中心地である地下鉄「大通」駅、「さっぽろ」駅、「すすきの」駅にも徒歩圏内であり、利便性の高さから競争力を有すると評価したものだ。

MIDリート投資法人主要テナントの松下電器産業が解約運用状況予想修正はなし
 MIDリート投資法人(大阪市北区)は、保有する松下IMPビルの主要テナントの松下電器産業が、今年8月31日をもって賃貸借契約を解約すると発表した。同ビルは大阪市中央区に立地する、地上26階地下2階建て、延床面積約8万4952㎡の高層オフィスビル。
 今回の解約面積は4326・51㎡で、同法人の全賃貸面積の1・6%にあたる(昨年12月31日現在)。賃貸借契約の詳細については、同意が得られず開示していない。
 なお松下電器産業は、同法人の所有にかかるツイン21、松下IMPビルおよび京橋MIDビルに入居しているが(合計賃貸面積4万8120・24㎡、全賃貸面積に占める割合17・9%)、他の2棟のビルにおける賃貸借契約については、異動はない。
 同法人は、今年6月期および12月期の運用状況の予想について、この解約による修正はないとしている。

日本リテールファンド投資法人保有施設近接の商業施設を取得周辺の開発による商圏拡大を見越す
 日本リテールファンド投資法人(東京都千代田区)は、保有する「エスパ川崎」に近接する施設「エスパ川崎アネックス」を取得した。周辺のマンション開発などによる商圏規模の拡大を見越し、相乗効果を図る目的だ。取得先はライジング・スター・川崎特定目的会社で、取得価格は56億円。
 平成14年に取得したエスパ川崎は川崎市川崎区に立地する土地面積3万4381・56㎡、延床面積5万795・60㎡のショッピングセンター。今回取得したエスパ川崎アネックスは、同じく川崎市川崎区に立地する、土地面積1万7500・97㎡、2階建て商業棟の延床面積8685・83㎡、7階建てオフィス棟の延床面積3236・25㎡、加えて駐車場を有する複合施設で、平成13年に竣工した。
 商業棟には専門店「スポーツデポ」やファミリーレストラン「夢庵」、カレー店「CoCo壱番屋」が入居しており、同法人はこれらのテナントと、平成32年までの賃貸借契約を締結した。

野村不動産オフィスファンド投資法人市内でも希少な大規模ビル京都のオムロン本社ビル取得
 野村不動産オフィスファンド投資法人(東京都新宿区)は、「オムロン京都センタービル」の取得を決定した。取得予定日は3月20日、取得予定価格は237億円である。売主は野村不動産。同物件の所在地は、京都市下京区の塩小路通沿い。JR・近鉄京都線「京都」駅から徒歩5分、市営地下鉄烏丸線「京都」駅から徒歩7分に位置する、平成12年竣工、地上11階地下2階のオフィスビルである。土地面積は4763・14㎡、建物面積は34616・84㎡だ。
 総合設計制度による高さおよび容積率の緩和を受けており、事務所想定面積は6000坪超、基準階フロア面積は約610坪と、京都市内では希少な大規模オフィスビルである。また、低層階に広いエントランスホールと吹き抜けを備えた、ゆとりある設計となっている。現在オムロンの本社ビルとして一括利用されており、同社とは平成33年までを期限とする建物賃貸借契約が締結されている。優れた交通利便性に加え、オムロンとの賃貸借契約により中長期に渡る安定的運用が可能であること、また京都市内でも上位のフロア面積を有していることを評価しての取得となった。

福岡リート投資法人北九州市の施設譲渡核テナント退去が機
 福岡リート投資法人(福岡市博多区)は、小嶺台コミュニティモールを譲渡した。売却先は福岡地所が設立したSPCの小嶺台コミュニティモールで、譲渡価格は7億8400万円である。
 北九州市内で最も人口の多い八幡西区に位置する商業施設で、土地面積8137・34㎡。3棟の店舗棟と1棟の倉庫棟から成り、施設の総賃貸可能面積は3743・12㎡である。
 同法人は、キーテナントの協和ビジネス(「スーパー協和」経営)が3月5日に退去するのを契機に、リーシング状況や再開発の実現可能性などを総合勘案し、譲渡に至ったとしている。その他のテナントは小売店「ダイソー」ファミリーレストラン「ガスト」ファーストフード店「ミスタードーナツ」で、同法人が物件取得した平成14年からの5年間の稼働率はいずれも100%であった。

アドバンス・レジデンス投資法人利便性高い都心の中層マンション取得5棟譲渡と5棟取得を発表
 アドバンス・レジデンス投資法人(東京都千代田区)は、資産の譲渡および取得を発表した。
 譲渡物件は「スペーシア新宿」「チェスターハウス九段下」「ピアレージュF」「ジェイド博多」「マインズ博多駅東」。譲渡先はケーエージー・フォー・インベストメント特定目的会社で、譲渡予定価格は計65億円である。
 取得物件は「アルティス桜上水」(東京都世田谷区)「アルティス東銀座」(東京都中央区)「アプレパークス上野」(東京都台東区)「アルティス人形町」(東京都中央区)「アルティス大森東」(東京都大田区)で、取得予定価格は計約124億円だ。
 アイビー・レジデンシャルから11億2000万円で取得する「アルティス桜上水」は、京王線「桜上水」駅徒歩1分に位置する、地上8階建て計38戸のマンション。「新宿」駅まで急行利用で12分という利便性もあり、単身者を中心に安定した需要が見込めると評価した。
 リノセロスから52億5100万円で取得する「アルティス東銀座」は、東京メトロ日比谷線「築地」駅徒歩3分、同「東銀座」駅徒歩4分に位置する、地上15階地下1階、28タイプ169戸を有するマンション。間取りのバリエーションの多様性や利便性に優れていることから、幅広い需要を見込んだ。

相鉄グループ 不動産証券化ビジネスへ新規参入 平成23年度末までの運用残高300億円目標 今年度中に第一号ファンド組成へ
 相模鉄道(神奈川県横浜市)は、不動産証券化ビジネスへの参入、並びに同社の100%子会社所有のオフィスビル1棟・商業施設2棟の譲渡を決定した。不動産賃貸事業における所有と運営の役割分担の明確化、また不動産の金融商品化という時代の流れに対応し、相鉄グループのコア事業である不動産賃貸事業の基盤強化、不動産ビジネスの領域拡大、沿線価値の向上を図ることが狙い。
 今後、横浜市を中心とした首都圏における商業施設・オフィスビル・ホテルなどを主な取得対象としたSPCを設立、相鉄プロパティーズがパートナー企業と共同でエクイティ出資を行う。これに伴い、相鉄グループにおける不動産賃貸事業の基盤強化及び財務体質強化の一環として、証券化による資産流動化を図るため、相鉄プロパティーズと相鉄企業が所有するオフィスビル「相鉄・岩崎学園ビル」、商業施設の「相鉄南幸共同ビル」及び「相鉄いずみ中央ビル」(いずれも神奈川県横浜市)を合同会社横浜インフィニティ(東京都港区)に100億円で信託譲渡し、これにより取得する信託受益権をSPCに譲渡する。
 今後は同社と不動産コンサルティング業のマックスリアルティー(東京都中央区)との共同出資によって新たに設立される相鉄アセットマネジメントと、相鉄ビルマネジメント及び相鉄企業が投資の計画立案、物件取得、資金調達、管理運用、売却などの業務を受託することになる。相鉄アセットマネジメントは平成18年度内に資産規模100億円の第一号私募ファンドを組成するとともに、平成23年度末までの運用残高300億円を目標としている。

クリード・オフィス投資法人 「コスモ芝園橋ビル」を14億2000万円で取得 大江戸線「赤羽橋」徒歩3分現在満室稼働中の優良物件
 クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は東京都港区芝三丁目のオフィスビル「コスモ芝園橋ビル」を取得した。
 今回の取得は都心5区のオフィスビルの投資比率を高めるのが狙い。「コスモ芝園橋ビル」の周辺エリアは、都心中心部に隣接して交通利便性に優れ、テナント需要の高いエリアである。また都心中央部に対する補完色が濃いという地域特性を反映し、有力企業の関連会社の集積度が高い。中でも同物件は都営大江戸線「赤羽橋」駅から徒歩3分に位置し、桜田通りと日比谷通りを結ぶ幅員約19mの道路に面する角地に立地することから、交通利便性と視認性に優れている。
 同物件は平成5年竣工、敷地面積396・71㎡、地上8階建て。用途は事務所および給油所となっている。現在稼働率は100%で、今後も堅調な需要と安定収益が得られる見込み。賃貸純収益は7664万5250円である。物件の取得先はヴィークルTFA(東京都港区)で、取得価格は14億2000万円となっている。

ニューシティ・レジデンス投資法人 大阪府中央区の新築高層マンション取得 心斎橋商店街まで徒歩約15分の好立地
 ニューシティ・レジデンス投資法人(東京都港区)は、大阪市中央区の新築物件「ニューシティレジデンス心斎橋イーストタワー(仮称)」の取得を決定した。取得予定価格は46億9300万円で、取得先は同社株の42・5%を所有するニューシティコーポレーション(東京都港区)。取得予定は今月末となっている。
 「ニューシティレジデンス心斎橋イーストタワー(仮称)」は、大阪市営地下鉄堺筋線「長堀橋」駅から徒歩2分。敷地面積1477・65㎡、延床面積1万2018・55㎡で、今年1月に竣工した鉄筋コンクリート造28階建ての高層マンションである。間取りは1LDKが22戸、2LDKが68戸、3LDKが36戸、4LDKが7戸で、計133戸となっている。
 周辺は商業地内にマンション・事務所ビルなどが立地する住商混在の地域で、関西有数の繁華街である心斎橋商店街まで徒歩約15分の距離にあり、生活利便に優れた立地であることから、都心接近性、生活利便性を追求するディンクス・ファミリー層を中心とした底堅い賃貸需要が見込める。また、内装・設備仕様において高級化を志向する新築物件であり、中長期的に物件競争力が維持できることが取得の理由となった。

日本ホテルファンド投資法人 「上野広小路NHビル」を取得 アメ横より至近の高繁華性エリア 現在ワシントンホテルに一棟貸し
 日本ホテルファンド投資法人(東京都港区)は、「上野広小路NHビル」を取得した。同物件は敷地面積446・29㎡、延床面積3060・21㎡のホテルで、竣工は平成14年。純利益は8397万円である。現所有者で持分85%の安藤建設(東京都港区)と持分15%の清和綜合建物(東京都港区)より、17億2000万円で取得した。
 「R&Bホテル上野広小路」として営業中の同物件は、現在ワシントンホテルに固定賃料で一棟貸しされている。東京メトロ銀座線「上野広小路」駅より徒歩2分、JR山手線・京浜東北線「御徒町」駅、都営地下鉄大江戸線「上野御徒町」駅からも4〜5分の立地と、アクセス性に優れている。周辺にデパートの松坂屋、銀行、コンビニエンスストア、飲食店、遊興施設等が立ち並び、生活利便性も申し分ない。全国的に有名なアメ屋横丁も至近で、繁華性の高い商業エリアである。中長期的に安定的な賃料収入が見込める点が取得につながった。

東京ドーム ゴルフ・リゾート事業の譲渡決定 遊園地を含めた6事業譲渡先は外資系ファンド
 東京ドーム(東京都文京区)は、モルガン・スタンレー証券(東京都渋谷区)との間で同社グループが営むゴルフ・リゾート事業譲渡に関する基本合意書を締結。ゴルフ・リゾートを中心とする減損対象事業をモルガン・スタンレー・グループが運営する不動産ファンドに譲渡することとなった。
 対象となるのは、札幌後楽園カントリークラブ(北海道北広島市)、舞子後楽園スキー場&ホテル(新潟県南魚沼市)、馬頭後楽園ゴルフコース&ホテル(栃木県那珂川町)、水戸後楽園カントリークラブ(茨城県城里町)、市原後楽園ゴルフ&スポーツ(千葉県市原市)、城島後楽園ゆうえんち/ホテル/カントリークラブ(大分県別府市)の6事業で、5月末の引渡しを予定している。なお当該事業は当面の間、現在の名称で営業を継続する。
 今後モルガン・スタンレー・グループのプランに則り、ゴルフ・リゾート事業の運営会社は同グループのレジャー関連事業会社セントレジャー・マネジメントと業務提携する。さらに大規模修繕や設備投資により集客増を目指す方針である。

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