不動産トピックス

今週の一冊

2006.12.11 16:30

耐震強度偽装問題から考えるべきは

見えない震災
著者:五十嵐太郎(編)
出版社:みすず書房
発行:平成18年9月8日
価格:3000円(税抜)

 世間を揺るがした、耐震強度偽装問題。同事件が投げかけたのは、「殺人マンション」とまで呼ばれた欠陥住宅を見つけるという範囲で終わるものではない。法律違反ではないものの、新耐震設計基準に満たない「既存不適格」物件は、住宅総数のおよそ4分の1と推計されている。むやみなバッシングに走るのではなく、地震に絡む諸問題を、様々な視点から考察することが肝心である。
 「構造設計」とは何か、「耐震構造」がいかに歴史的に構築されてきたか、阪神大震災の復興過程は各方面にどのような経験を蓄積させたのか、今後の「耐震改修」にはどのようなデザインが求められるか。意匠・設計他、各分野の専門家による問題提起と考察をまとめた一冊。

PAGE TOPへ