不動産トピックス

クローズアップ GIS編

2006.12.04 17:23

 平成17年1月の阪神・淡路大震災の反省などをきっかけに、政府により本格的な取組みが始まったといわれているGIS。現在、様々なことに使用されている注目のシステムであるが、GISはどのように利用されているのだろうか。GISに力を入れている企業に注目してみた。

アジア航測 360度の視野で歩いているような映像を 地図では判断できない建物の特徴を把握
 アジア航測(神奈川県川崎市)は、IDU(大阪市北区)と共同で都市映像データベース「Location View」を開発した。
 同製品は、交差点間の道路単位で編集処理した、Web配信で利用できる360度ビデオ映像コンテンツである。
 見たいところを自由に方向転換でき、マウスまたはキーボードで簡単に操作が可能であり、ビデオ映像は道路単位で編集しており、道案内コンテンツとして利用が可能だという。
 概ね1mごとに1コマの映像で座標管理をしているため、地図やGISとの連携も容易である。また、映像内で計測を行うため、映像内の簡易距離を測ることもできる。
 「建物の周辺に何があったかを思い出すのは非常に困難です。よほど、注意して見ていない限り覚えている人は少ないと思います。しかし、もう1度現地に行くのにもお金がかかります。そこで、当社の製品を利用していただければ、現地に足を運ぶことなく周囲の確認ができます。場所の確認には最適だと思います」(サスティナブル空間情報事業部 SIS事業推進部 企画営業課 課長 志村恵一氏)
 データは、東京23区1万4000km当たり2万円で販売を開始する予定である。
 将来的には、大阪市・名古屋市および政令指定都市のデータも保有し、エリアを拡大しながら販売していくとのこと。

日本空間情報技術 10年分の地価情報を掲載 J-REIT保有物件も追加 直径約10kmまで抽出範囲を指定可能
 日本空間情報技術(東京都中野区)は、矢澤総合鑑定所(大阪市北区)と共同で、GISを利用した不動産情報提供サイト「e-PRAGA」を開発した。
 同サイトは、地図情報の上に、800箇所程度の再開発事業やJ-REITが保有している物件の分布図、また現在から過去にかけての10年間分の地価公示・地価調査情報・用途地域・簡易計算が可能な相続税路線価などの情報を掲載している。
 データは、それぞれ閲覧希望分のみ表示可能なレイヤーという情報階層を選択できる機能で、直径約10kmまで抽出範囲を指定して地価公示・地価調査ポイントの平均価格や変動率を集計・グラフ化することも可能だ。
 掲載されている情報は、東京23を中心に、政令指定都市や県庁所在地さらに人口30万人以上の都市などであり、今後は、J-REITが保有している物件のキャップレート・人口統計などの情報も追加したいという考えである。
 地価公示・地価調査情報・再開発事業および一部のJ-REIT情報は無料の会員登録でも閲覧ができる。
 また、有料会員は月に1万2600円(税込)を支払う事で先に記した情報の他、抽出・集計機能やレポート・簡易レイヤー作成機能、距離・面積計測なども利用できる。

タス 日本最大級のデータベース 全国の不動産をスピード評価
 タス(東京都中央区)は、不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を利用して、土地建物評価を行っている。
 同サービスは、最初にIDを取得し、その後、不動産鑑定手法による高精度の不動産評価システムを利用できるサービスである。
 不動産売買時の土地建物評価、住宅ローンや不動産担保ローン、債券回収会社の担保評価、企業の減損会計や取引先の与信審査などの不動産評価が可能だ。不動産評価レポートだけではなく、住宅地図や都市計画用途地域図、地下公示価格、相続税路線価図、固定資産税路線評価をピンポイントで検索し、取得することもできる。日本最大級のデータベースで正確評価をし、公示価・基準地価約6万件、相続税路線価約200万本、不動産鑑定会社調査価格約3万件、固定資産税路線価約380万本、標準宅地価格37万件、都市計画図などが入っている。検索が速く、都市計画用途や直近の駅なども自動取得され、物件の条件入力も数字と項目を選択するだけの簡単評価である。
 マップはゼンリンデータ・コムに直結しており、常に新しいデジタル地図を提供する。特に評価の難しい商業地や倍率地域にも対応している。
 ID登録料(初回のみ)は3万1500円、月額基本料は1万500円、不動産評価が1件3150円、各種地価マップが210円~。

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