不動産トピックス

クローズアップ 防音対策編

2006.11.27 17:21

 防音対策は、従来、録音スタジオ・音楽スタジオなど音楽を使用する場所を中心に行われてきた。しかし、最近では産業系の防音対策に注目が集まっているという。オフィスビル・マンション・一戸建て・工場などが該当するが、どのような防音対策が行われているのだろうか。各社の取組みを紹介していく。

日本板硝子環境アメニティ 耐水性に優れた遮音堀 水に浮く吸音材を使用 美観・性能を長時間維持
 日本板硝子環境アメニティ(東京都港区)は、防音・吸音パネル「デュラカーム」を使用して防音工事を行っている。
 「デュラカーム」は、吸音材・遮音材表面保護材を一体化したユニットパネル方式の遮音堀である。吸音材には水に浮く「フローティングウール」を使用しており、耐水性に優れ、屋内・屋外ともに、また防水処理の要・不要にかかわらず仕様が可能だという。
 遮音材ケースには1・6tの耐蝕性に優れた亜鉛鉄板を使用しており、美観・性能を長く保ち、屋外の設置においても、長年月に渡って吸音率の低下、材質の劣化はほとんどないとのこと。
 吸音材・遮音材・表面保護材を一体にしたユニットパネルとなっているので、運搬建て込みが簡単で経済的に防音堀が設置できる。300kg/㎡の設計風圧で製作しており、材料は全て無機質で不燃性の材料を使用しているという。
 「当社の防音パネルは意匠性に優れており、耐久性の高い商品です。誰でも簡単に設置が可能であり、1度取り付けてしまえば、メンテナンスフリーで使用できます。パネルは鉄製でサビやすいため、表面には亜鉛メッキを施すようにしております」(建築エンジニアリング事業部 東京営業部 産業防音グループGL 平岡 文寛氏)
 価格は、スタンダードタイプで1㎡当たり材工約2万6000円。BPH(外装)タイプが1㎡当たり材工約3万9000円。

昭和電線デバイステクノロジー 空気伝搬音と個体伝搬音の双方を制音化する技術提供 低周波音を中心に防音・吸音
 昭和電線デバイステクノロジー(東京都港区)は、制音テクノロジーブランド「QUIESCENT(クワイセント)」を立ち上げ、技術サービスの提供を行っている。
 同社は、防振・制振・免震に関するコア技術を活用し、音環境市場で固体伝搬音対策に関する製品を提供してきたが、低周波吸音材の製品開発・市場調査活動の中で、空気伝搬音対策について技術を蓄積してきた。
 そこで、防振・制振・免震と防音・遮音の技術を再構築・統合し、ユーザーのニーズに最適な製品・技術をワンストップで市場に提供すること、また、コア技術である油脂開発技術をベースに独自性のある製品を顧客と一体となって開発することで、制音化技術ブランド「クワイセント」により新しいポジショニングを構築したという。
 現在は、周波数の低い案件を中心に手掛けており、同社が独自に開発した「建築不燃低周波吸音材」をグラスウールの間に挟みこみ、建築商業施設内の機械室防音工事や商業・居住複合施設の動力設備周辺の防音工事などを行っている。
 「当社は、従来対応が難しいとされている300Hzより低い周波数の騒音対策を主に手掛けることで他社との差別化を図っております。また、固体伝搬音、空気伝搬音に有効な製品と、それを使いこなす技術のトータル提案が出来るのが当社の強みです」(市場開発室 主査 工学博士 北村祐氏)

日本防音 防音をコンサルティング 様々な案件にチャレンジ 調査から見積までを終始一貫
 防音事業を手掛けている日本防音(東京都世田谷区)は、最初はゲスコンビナートという録音スタジオのシステム工事や防音工事に携わっていた企業であったが、平成16年4月に産業施設防音工事を専門とする会社として設立された。
 同社の行う防音工事は、メーカーより材料を仕入れた後、実際に現場に行き騒音の原因を調査することから始まるという。その後に建物診断書を作成し、それをもとに、現地を診断する。診断後に、保酷暑を依頼主に提出。最後に見積書を作成し、実際に工事に移るという流れで行われている。
 現在の主な施工は、ビルの地下・屋上の防音対策を始め、オフィスの防音・防磁対策、工事騒音対策、一戸建て・マンションなどの防音内装事業、室内およびホールの音響測定調査、高速道路を含む都市の音響の調査・企画・設計・施工などである。
 「当社では、調査から見積もりまでを一貫して行っております。現在、防音工事のコンサルティングを行える会社の先駆けとして取り組んでいければと考えています。これからも、オフィス・工場・一戸建て・マンションなどの産業施設の防音対策などに積極的に携わっていきたいと考えています」(産業騒音事業部部長石川一顕氏)
 同社は、今まで手掛けてきた場所以外の案件にもワールドワイドの視点で携わっていきたいという。  防音壁の施工価格は1㎡当たり8万円(基礎工事を含む)。

旭硝子ビルウォール 吸音性・遮音性に優れ、軽量で高強度なパネル 環境に強い素材を採用 高度な耐候性を発揮
 旭硝子ビルウォール(東京都文京区)は、グラスロン防音パネルL-95と超軽量アルミフレームグラスロン吸音パネルAL-50を防音対策用に提案している。同社では、年間で約50件の産業用防音工事の案件を手掛けているという。
 L-95は、亜鉛鉄板のケースの中に吸音材として耐候グラスウールをセットし、表面に丈夫なアルミルーバーを採用した、屋外の防音壁用ユニットパネルである。吸音性・遮音性に優れており、環境に強い素材を採用している。軽量なパネルであるが、300kg/㎡の風圧にまで耐える強度があるという。ユニット式のパネルとなっており施工が簡単で、専用固定金具で簡単に取り付けることが可能だ。  L-50は、枠材にアルミ、表面材にアルミエキスパンドメタル、防音材に耐候ウールGC防音材を採用した、超軽量吸音ユニットパネルである。吸音性に優れ、軽く高強度で耐候性・施工性にも優れているという。
 L-95と同様にユニット式のパネルとなっており、施工も簡単だ。
 「2種類のパネルは片方だけでも、組み合わせても利用できるので、場所にあわせて活用法を提案しています。また、防音パネルは亜鉛メッキを施してあるだけで、意匠性に欠けるので、塗装を施したカラー防音パネルも同時に扱っております」(防音事業部 部長代理 小林好人氏)
 価格は、L-95が1㎡当たり材工約2万4000円。L-50が1㎡当たり1万9000円。

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